2008年06月13日

[Book]進化しすぎた脳

進化しすぎた脳 (ブルーバックス、著者:池谷 裕二)

海馬−脳は疲れない(新潮文庫、糸井重里共著)の著者である池谷裕二氏の2作目、以前「進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線」として出版された本の追加講義を収録した新版です。

「脳」ってそうなってたのか!&面白い!
以前のタイトルに入っている通り、中高生と語りながらの講義形式ということで、わかりやすく説明されています。
確かにこんな授業であれば面白いし、「学ぶ」ってことと「考える」ってことが好きになるよなぁ、と思います。
授業を受けられた生徒が羨ましい…
ちなみにこの生徒達の感性や理解力、考察力といった点には素晴らしいものがあるとも感じました。

中高生に対してだからでしょうか、ただ現在の脳科学の事実を教えるのではなく、まず「考え」てもらい、その考え方を中心に話を進めていくあたり良い授業だなと思います。
個人的にはこういった「考え方」から入る授業が理想だと思っていますので。。

内容からは脱線しましたが、タイトルにもなっている「脳は進化しすぎている」話に始まり、アルツハイマー病まで幅広く講義をされています。
気になった点としては以下の通り。

・脳の機能は局在化しており、各部位が専門化して機能を担っています。
・身体が脳を決めている。
・身体が脳をコントロールしており、かつ脳も身体をコントロールしている。
・脳は過剰進化してしまっている(身体が追い付いていない)。
・言葉はコミュニケーション(信号)だけでなく抽象的な物事を考えるのに必要なツール。
・見るというのは、三次元を二次元の網膜で捉えており、脳は再度三次元に再解釈しており、物を歪める行為。
・脳の解釈からは逃れられない。
・抽象的な思考は目の前の多くの事象から隠れたルールを抽出するために備わった。「汎化」
・記憶はあいまいだが、そのあいまいさと記憶の遅さが重要。正確無比な記憶は役にたたない。
・脳自身の細胞は「複雑系」で動いている。
・脳の最大の特徴は「柔軟性」

最後に、そもそもこの本の元となった講義を池谷氏が行うにあたって、「高校生レベルの知識層に説明して伝えることができなければ、その人は科学を理解しているとは言えない」という物理学者のファインマンの言葉があったようです。
自分には何らかの分野で果たしてそれが可能か、自戒するきっかけにもなりました。
これを気に「海馬」も読もうかなと思います…

何はともあれ堅苦しくなく、大脳生理学について読めます。
脳に興味があってもなくてもオススメです。
あ、「海馬」と併せて読むのももちろんお薦めです。

※ ちなみに新書(ブルーバックス)版には、単行本版には無かった「第5章 僕たちはなぜ脳科学を研究するのか」が追加されています。
  私が読んだのは単行本版…この章だけ読みますかね。。





posted by Guinness好き at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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