この方は有名ですね。
元トリンプの社長にして、「残業ゼロ」「がんばるタイム」「早朝会議」などなど他に類を見ない方法で会社の改革を成功させた方。
日本という国でこれだけのことをやるのは、とてつもない苦労があり、パワーが必要だったと思われます。
一昨年末の社長退任(事前に宣言し、スッパリと辞められた姿勢も素晴らしいですね)後1年を機にこれまでの集大成として書かれたのが本書です。
正直これまでの著者の著書(革命社長、2分以内で仕事は決断しなさい)などを読まれたことがある方には重なる部分も非常に多いと思います。
ですが、集大成だけあって前述の著書2冊と比べて内容がまとまっている印象です。
(革命社長は、どちらかと言うとトリンプという会社にスポットを当てた本なので位置づけが異なるかもしれませんが)
著書の中で気になったのは以下のポイントです。
・デッドラインが全て
・「トップの覚悟」が無いと変わらないし、変えられない
・問題は小分けに
・能力×時間×効率の総和が重要
・「会社にとって正しいこと」を常に考え、優先
・TTP(徹底的にパクる)
・完璧なたたき台(現状はどうなっているのか、何が問題なのか、どう対処すべきなのか、それにはどのくらい時間や費用がかかるのか、会議に先立ち整理して解決策をまとめてくる)を用意して会議に臨ませる
・会議をデッドラインを決める場にする
・残業は悪いこと
・リーダーは正しいことを前に豹変を恐れない、プライドを優先しない
・自分の小さな△から始める
・フォロワーシップでリーダーシップを磨く
・活気がないのがいいオフィス
・社員は個室、役員は大部屋
・野性味を取り戻す
著者吉越氏ならではの表現や、従来の日本では考えられないものも見受けられますね。
1つ1つがなかなか説得力があってうなるポイントが多いです。
現在リーダーの方だけでなく、これからリーダーになる(なりたい)方、これから働く方など幅広い方におススメの一冊です。
<蛇足>
フランスでは大学生に入るための資格試験でロジックがとことん問われるそうです。
例として出ていた問題が「なぜ動物は言葉を喋らないのか」といったもの。
…こういった問いについてどのように論理的に考えるのか、という視点が日本の教育には全くもって欠けていると改めて思います。(もちろん暗記が必要な個所もあると思いますので、それが全てだとは言いませんが)
正直、答える自信全くありません(涙)
論理的に考えていくとどのような思考のアプローチでも1つの結論に帰結する、と著書にも書いてあるのですが…
もう少し自分のロジックにまつわる力を鍛えたいと思います。