とりあえず目次を(講談社BOOK倶楽部のサイトより引用させていただきました)。
第1章 テーマを決める
テーマは書き尽くされているか/見慣れたテーマが“化学反応”を起こす
技術はあとからついてくる/テーマ決定のチェックポイント/とにかく動いてみる etc.
第2章 資料を集める
情報不足を避ける/情報収集の方法/袋ファイルのすすめ/自家製デスク
バックナンバーの探し方/単行本の読み方/図書館の利用法/活字以外の記録 etc.
第3章 人に会う
取材対象の選び方/取材依頼の作法/取材を断られたとき
質問項目/遠慮は禁物/取材道具/取材当日/電話取材、メール取材
第4章 話を聞く
取材のイメージ/(1)話の聞き方/(2)ノートのとり方/(3)人物・情景の見方
第3の眼をもつ/(4)インタビューのあとで/取材相手から信用されるには etc.
第5章 原稿を書く
原稿を書く前に/構成を決めてから書くか/ペン・シャープナー/チャート
書き出しに全神経を注ぐ/書き出しの名文/書き出してから/仲介者になる/推敲する etc.
第6章 人物を書く
基本は人物ノンフィクション/取材中の問題意識/構想の変化
心理描写のルール/シークエンシャル・インタビューの限界
第7章 事件を書く
未知の場所で取材開始/水先案内人を探す/「ハルナ」に辿り着くまで
水先案内人・知恵袋・キーパーソン/真空地帯
第8章 体験を書く
体験エッセイを例にして/下調べをやめた理由
自分でテーマを見つけるために/豊かになる
目次からもわかるとおり本書はノンフィクションライターを目指す人のための指南書、という位置づけで執筆されています。
が、読んでみると一般的な作法(マナー)に始まり、情報収集の方法、文書作成時の構成の考え方、アポ取りなどなどおよそノンフィクションライターを目指さなくても十二分に役に立つ記述で満載です。
内容は基本に忠実なそれぞれの考え方、方法の紹介がほぼ全てを占めます。
取材 = アポイントメントと考え、原稿 = ビジネスドキュメントと読み替えれば(実際には読み替えらなくても非常に納得感を持って読めますが)、あっという間にビジネス本として読めてしまいます。
個人的に特に役に立つと思ったのが、「第1章 テーマを決める」と「第4章 話を聞く」の部分。
第1章はドキュメントに限らず、何らかのテーマを決める、という場面において普遍的に使える考え方かと。
特に空白地帯の考え方にはなるほど、と思い増しtあ。
第4章はインタビュアーとしての技術になりますが、昨今「傾聴」というスキル(?)が重視されていることからも役立つかと。
個人的には、聞く場面におけるノートの取り方が特に。
前述しましたが、内容的にはマナーなども含む基本的な事項を丁寧に読みやすく書かれています。
なので特に若手や新入社員などにぜひ読んで欲しいなぁ、と思った一冊でした。
ということで、「書く、調べる、聞く」などの基礎を固めたい人にはぜひオススメです。
ちなみにところどころあるノンフィクションの引用ですがどれも非常に秀逸で思わず読みふけってしまいました(笑)