いやー、面白かったです。
タイトル通りではありますが、わかりづらかった「国の経済」というものが非常によくわかります。
帯にもある、本書の対象:高校1年生〜財務官僚・日銀マン向けまで、というのは伊達ではありません(笑)
中身は対談形式を取ってはいますが、ほぼ著者の独演状態です。
対談形式ゆえの読みやすさはありますが。
埋蔵金、道路特定財源、財政再建、日銀総裁人事、公務員制度改革、地方分権などなど最近よく聞くキーワードのマスコミではほぼ流れない本質が書かれているように読めました。
個人的には、日銀総裁人事などについては全くの賛成。
誰がなるのかなんてことはどうでもよくて、その人が何をやってくれるのかになぜ焦点が当たらないのかマスコミの報道を見ながら疑問を抱いていました。
空港等の外資規制についても、国の迷走ぶりがよく出ていますが、そのあたりをバッサリ切るが少ないのでは、という印象があります。
(もちろんすべてのマスコミの記事等を見ているわけではないのであくまで感覚ですが)
日本と世界の乖離などを肌で感じられる本書は貴重かと。
高校や大学あたりで、教科書扱いにして、その是非をディベートの題材にするなどして理解を深める、みたいな使い方はできたりしないでしょうか。
1人でも多くの方に読んでいただきたい一冊。
国の経済に少しでも興味があるけれども、難しそう、どれから読めばいいかわからない、初歩の初歩だけでも読んでみたいという方にオススメです!
文藝春秋社 本書紹介ページ:http://www.bunshun.co.jp/book_db/6/60/63/9784166606351.shtml