弾言 成功する人生とバランスシートの使い方
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小飼 弾 山路 達也
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目次
第1章 ヒト part1
――自分の価値を「見える化」してレベルアップ
自分で打てる手はいくらでもある
暮らしがキツいのは、モノ扱いされているから
自分という会社を建て直す
カネ以上に時間を節約すべし
会社員こそ内職すべし
会社の辞め時を知ろう
読書は最強の自己投資
本に付箋を貼ってはいけない
貴族の義務を負うことになった平民
情報洪水に溺れない
情報に飢えよ
現在の自分を正確に知る
一度は物事にとことんハマれ
いいゲーム、悪いゲーム?
のび太はアルファギーク
楽しんで学ぶ「楽習」で生き残る
ブログは最強の勉強ツール
世界は「無記名の」善意に満ちている
積極的に「待つ」という高等技術
ウィンプ(弱者) vs. マッチョ(強者)
究極のエゴイストになる
強さとは何か
生きる目的は「手段」
第1章のブックガイド
第2章 カネ
――相互理解のツールとして戦略的に使いこなす
カネの誕生
カネは相互理解のためのツール
暴走するカネ
自分の収支をバランスシートを使って考える
バランスシートの質を見極める
借金をすることの本当の意味
仕事と借金は本質的に同じ
会社にとっての借金
買掛金で資金を調達する会社の裏技
なぜストックが必要か
人と人を結ぶカネ
インフレはなぜ起こる?
カネは、ヒト=ファンタジーとモノ=リアリティーでできている
少子高齢化で変わる世界
よどむカネ
自分の知的生産を測定する
自分の「棚卸し」をしてみよう
自分が属する業界構造を理解する
自分が勝てるゲームを作る
第2章のブックガイド
第3章 ヒト part2
――ネットワークにおける自分の価値をアップする
コネの価値はいくら?
コネを見える化するのが会社
バラバラな個人の集団に過ぎなかったオン・ザ・エッヂ
日報を書くことを義務づける
適切なサイズの仕事をする
伸びる社員と伸びない社員は何が違う?
報告書を提出するまでが仕事
人と付き合うためのインターフェイス
「データホテル」プロジェクトの苦闘
「衝突断面積」を増やす
カネをよく理解している中国人
会社の辞め方
人付き合いのパラダイム転換が起こっている
カネで考える人間関係
方程式で「モテ」を計算する
類が友を呼ぶのはなぜ?
ネットワークにおける自分の価値を上げろ
「休み」を安く見積もるな
社会にかかるコストを計算する
「心」で受け取る報酬もある
心とカネの為替レート
第3章のブックガイド
第4章 モノ
――「本当は所有できない」ということを理解する
増やせないのがモノ
石油がなくても自然破壊は起こる
「モノ」は増やせない代わりにいくらでも回せる
エネルギーは、あらゆるゴミを資源にする
太陽エネルギーの効率利用が世界を変える
日本は「都市化」を進めるべし
モノへの執着が人を惑わせる
モノのカネ化が世界を平和にする
世界から借りたモノを世界に返す
ベーシック・インカムは、ストックをフロー化する
まとめ:モノとヒト、カネの関係を改めて考える
僕たちの宿題
第4章のブックガイド
(binWord/blog(著者山路達也さんブログ)から引用させていただきました)
◆概要&感想◆
カリスマアルファブロガー小飼弾さんによる人生指南本、ライフハック本という触れ込みもありましたが、私の印象はこんな感じ。
・本書サブタイトルにある「成功する人生とバランスシートの使い方」のとおり、「人生のバランスシート」を意識することで今より幸せに生きる方法もあるよ、という小飼弾さんからのメッセージ
・人生で最も大切なものは「時間」
・これからは「モノ」の時代ではなく「ヒト」の時代、その時代を作るのはあたなであり、私
それにしても変わった本でした。
序盤こそ、以前エントリに書いた「ラクをしないと成果は出ない」にも似た自己啓発であったり、ライフハック的な話がよく出てきます。
が、それは序盤だけ。
途中から、本書の肝(だと思っています)である人生のバランスシートの考え方に入り(第2章 カネ)、さらにヒトとのつき合いについてや、ご自身のオンザエッヂ時代の話など多岐にわたっていきます。
そして最後はエネルギー問題にまで。
正直言って、本書に書かれている話題が四方八方に飛びまくっています。
読みづらい人には読みづらいかも、とも思います。
特に最近の本は、著者の方が非常に体系立てて書いていただいているおかげで、整理されつくされている本がが多いので。
ですが、ふとこの飛んでいるにも小飼弾さんの狙いだったり、とも思いました。
私には考えがおよぶべくもありませんが、この構成も当然小飼弾さん(と山路 達也さん)の計算なのでしょうし、何らかの戦略があってこういった形態になったのだと思います。
第4章の最後に小飼弾さんは、本書はどう読んで、どう感じても正解、と弾言されていらっしゃいます。
そのあたりからも本書の狙いが透けて見えるかな、と。
同時にこの本をまとめた山路達也さんも凄いですね。
まとめるのに非常に難儀されたのでは、と思います。
このようにまとめるのはある種の勇気が伴う気もして…
(もちろん小飼弾さんの意向が色濃く反映されているのでしょうが)
ブックガイドもついていますし、本書内至るところに小飼弾さんオススメの本からの引用が書かれています。
小飼弾さんほどの方でも、未だに様々な本からインプットを受け、アウトプットにつなげている様が見てとれました。
(これ、酒井穣さんも著書でよく書かれていらっしゃいますね。本を読むということがいかに影響を与えているのか、のわかりやすい一例かと)
多岐に話題が触れるおかげで頭を使って読みましたし、考えるヒントが多々散りばめられている本でした。
また1年とか時間が経った後、読み返して、その時にどう感じるのか確認したいな、と思いました。
◆気になったポイント◆
・カネ以上に時間を節約すべし
第1章の最大のポイントだと思います。
考え方の軸を時間にあてて、先日酒井穣さんの著書でも出ていた「Not to Do」を考えよう、ということかと。
・カネを相互理解のツールとして使う
第2章のポイントは、「カネ」という観点で自分や人生を定量化し、目に見える形で考えようということ。
「カネ」として量ることで、バランスシート化が可能となり、これまで見えてこなかったもの(人生とか)が可視化する、と。
「金」だけでなく「カネ」について語ることをもっと増やした方がいいな、と感じた次第。
・ベーシックインカム
最近よく目にします。
山崎元さんやホリエモンのブログなどでも目にして、そういう施策のやり方もあるんだな、と。
もう一度皆さんのブログ等を見直して自分なりに考えてみたいな、と思ったポイントでした。
・環境問題について
ブックガイドにある本からまずは読んでみることにします。
◆学び◆
・(あらためて)時間を最も大切にする
・積極的に「待つ」
・定量化してバランスシートとして考えてみる
・ヒトはモノをたかだか80年レンタルしているだけ
・ヒトの存在が世界を形成している
◆オススメしたい方◆
・小飼弾さんの考え方に触れたい方
・幸せな人生を送りたい方
・凄い思考力を持った人の書いた本を読んでみたい方
・人生をバランスシートで考える、という点に興味を持つ方
・一風変わったライフハック本や自己啓発本を読みたい方
・アンチ小飼弾さん、という方
■関連リンク■
・本書紹介ページ(アスペクト社HP内)
・404 Blog Not Found(著者小飼弾さんブログ)
・binWord/blog(著者山路達也さんブログ)
■関連過去エントリ■
・[Book]ラクをしないと成果は出ない