2009年01月23日

[Book]P&G式 世界が欲しがる人材の育て方

P&G式 世界が欲しがる人材の育て方―日本人初のヴァイスプレジデントはこうして生まれた(ダイヤモンド社、著者:和田浩子)
P&G式 世界が欲しがる人材の育て方―日本人初のヴァイスプレジデントはこうして生まれた
和田浩子
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 4028
おすすめ度の平均: 4.0
5 P&G出身者が他企業で活躍できる理由
5 理念を持って人材育成を行うことでブランドも企業も成長し続けることができる
3 著者ではなく、P&Gの働き方や考え方の一部を知りたい方に
3 自分と自分の会社とP&Gを客観視する本
3 人材育成よりビジネススキルが色濃い

目次
プロローグ P&Gの強みは人材育成

[第1章] 「暗黙の了解」も自分次第
キャリア以前〜ジュニア時代
1 P&Gとの出会い
「自分で選べ」という教育方針
「暗黙の了解」も自分次第
英字新聞で見つけた「秘書募集」の広告
ブランドスペシャリストという肩書き
これは仕事ではありません
目的は何ですか
「和田さん、お茶当番よ」

2 ワンページメモ
メモはワンページにまとめなさい
グッドメモを真似る
話すように書けばよい
パワーポイントの落とし穴
形式的な議事録は無駄
コミュニケーション力は人を動かす力
最初に営業部門でトレーニングしない理由
営業とは説得すること
担当ビジネスへの関心度を上げる
四の五の言わずにやる姿勢
いつまでもいると思うな親とボス

[第2章] 育つ社員しかいらない
ブランドマネジャー〜マーケティングマネジャー時代
1 人材は自前で育てる
部下を育てる
全員で人材育成
内部昇格制にこだわる
魚の釣り方を教える
教えることで自分も育つ
期待されるスキル
評価は「成果」と「能力開発」で
P&G、日本から撤退!?
日本というマーケットを見つめ直す
生まれ始めた使命感 
私のいるべき会社はこの本の中にある

2 リクルーティング
育つ社員しかいらない
リクルーティングに品質管理のアプローチ
男女比は50:50で
百聞は一見にしかず
面接のトレーニング
アメリカMBAで学ぶアジア人学生の面接

3 プロジェクト
新生P&Gの象徴、「ウィスパー」
「P&G英語」の研修
結論が先
ファクトブックを使って
身の丈以上のプロジェクト
OJTで身につく戦略的思考
実現させるのが難しいからこそ良いアイデア
プロジェクトの任せ方
リーダーに求められる「見えないものを見る力」
ミス・ウィスパー 
競合が決めたルールで勝負はしない
人を巻き込むためにヴィジョンを共有する
ウィスパーという人材育成工場
ウィスパーカレッジ
アメリカMBA学生が驚いた日本人女性のマネジャー

[第3章] リカバリーショット主義
ヘアケアへの異動〜マーケティングディレクター時代
1 チーム再生
新しいチャレンジへ
はじめに課題ありき、はじめに組織ありき
マイナスからのチーム再生
内向き、外向き
不思議なチームビルディングのゲーム
失敗から学ぶことを妨げるヒエラルキー
グローバルの波と戦う その1 勝ちの巻
グローバルの波と戦う その2 負けの巻
グローバルの波と戦う その3 勝ちの巻
「日本の消費者」がアドバイザー
グローバルなチーム体制
アジア・パンテーンブランドチームをリード

2 上司と部下
エクイタブルな能力
消費者に一番近いのは誰か
「王様」を理解する
「変な会社」
やってみてできなかったことも良い経験になる
再現性
ノー「NO」でブレインストーミング
メガブランド「パンパース」
リカバリーショット主義
上司をマネージする
できない上司の場合
成功したチームも発想を変えることは必要

[第4章] 人とブランドさえ残ればいい
ジェネラルマネジャー時代〜現在
1 リーダーシップ
大地震に試されたP&Gの組織力
奇跡的なリカバリー
「P&Gには人とブランドさえ残ればいい」の本当
メンター制度
パンパースの危機
V字回復
大きな問題の正体
3Eリーダーシップモデル
昇進と自己改革
経営戦略に合わせて業績評価基準をアップグレード
リーダー人材の育成
外国人を育てる
社内コンサルタント
日本を学ぶ

2 ダイバーシティ
日本人初のヴァイスプレジデントに
トップの激励
女性をもっと活性化させるために
WSWから生まれたもの
日本のダイバーシティ
女性は通訳という偏見
ダイバーシティが可能にしたこと
合意しないことに合意する
23年間のP&G生活
「やってやろうじゃないの」の精神
美学を持つ
ミス・ウィスパーに羽根が生えた日

終わりに
ダイヤモンド社HPから引用させていただきました)

◆本書から吸収したいポイント◆
・グローバルな組織、人材をどのように育てているのか

◆本書を一言で表すと◆
・P&G流シゴト術&マネジメント術

◆概要&感想◆
P&Gの組織の歴史、考え方、シゴト術、マネジメント方法が、著者である和田さんの経験を通してわかりやすく書かれていました。

特にプロローグにまとめて書かれており、ここがまた濃厚。
単なるシゴト術等ではなく、P&Gという組織における考え方、文化のようなものが多々紹介されています。

メモ、コミュニケーション、リーダーシップ、ダイバーシティ、人材育成手法などなど独自のP&G流に溢れています。
ただ、個人的には個々の制度的なお話よりも、その礎となる考え方に興味をひかれました。
ヒトを大事にし、それをかけ声だけでなく、実際に会社として形にしている点、さすが人材の宝庫と呼ばれる企業だけあります。

その一端が、
マネージャー職以上の評価において、部下のトレーニングとビジネスの結果が同じ割合で評価されます。

という下り。
人材の育成にはそれだけの覚悟が求められる、ということだと思いますし、私自身、こういった評価をされると想定して仕事に臨みたいと思います。

人材育成については考え方など細かく書いてありましたが、個人的にはよりグローバル面に焦点を当てたお話を読みたいと思いました。
著者である和田さんの経験上のお話は多く書いてあるのですが、グローバル企業であるP&Gとしてどのように考え、実際に動いているのかをもっと知りたいと考えた次第です。

ともあれ、P&Gという組織の垣間見える一冊でした。
続編にも期待したいところです。

◆気になったポイント◆
「戦略的である」ということは、ある意味で捨てることが上手だということでもあります。

最近読んでエントリにも書いた酒井穣さんの「あたらしい戦略の教科書」内の記述と重なるところがあり、ピンときたポイント。
改めて酒井さんの意図を感じるとともに、「捨てる(Not to Do)」ということを普段から意識して行う必要があることを痛感しました。

P&Gでは「正しくて難しいことをやれ」と習います

他と圧倒的な差別化を図るための考え方として紹介されていますが、こちらも肝に銘じておきたい言葉でした。
特にこれだけネットが普及し、伝播するのもケタ違いに早いご時世。
正しいのは当然としても、簡単な方向に流れがちな自分に自戒を込めて。
ちなみに先日のエントリ「[Travel]ジャンボ・ホステル(Jumbo Hostel)in Sweden」のジャンボ・ホステル(Jumbo Hostel)はまさにこの好例かと。

この実行力とは、「自分で実行する力」というより、「みんなに納得して実行してもらう力」のことです。

一人で仕事を行っていくには限界があり、様々な方と協働が求められる以上、一口に「戦略を実行する」と言ってもこの考え方は大切ですね。
特に、皆がこの考え方を共有していると、飛躍的に組織としての実行力も上がるかと。
酒井穣さんの「あたらしい戦略の教科書」にもありましたが、実行されなければ意味がない、ということですね。

P&Gでは各種スキルを習得するのは自分が影響を与える範囲、Circle of Infulence を広げるためだと考えられています。

今後自分がスキルを習得する際に、もしくはどのようなスキルを身につけたいか、必要か考える際に心に留めておきたい考え方です。

適所適材

難しい考えではありませんが、なるほどと思った考え方。
一般の国内企業だと苦手なところも多いとは思いますが…

必要な場所、やるべきことがあって、そのために人を配する、というのは合理的かと。
やることが変われば、やるべき人、やれる人が変わるのは道理。
彼(彼女)ならこれをできるから、任せたい!となれば(当人の意志は当然あるとは思いますが)良い結果は生まれやすくなるとは思います。

問題は、それには人材の流動性というどの組織も頭を悩ませる壁があることでしょうか。
個人的にはこういったタイミングでフレキシブルに人が動ける組織と言うのは強いと思っていますが。

◆学び◆
・まず目的ありき、いつでも目的を確認する
・話すように書けばいい、書いたように話せばいい
・適所適材

◆オススメしたい方◆
・人材育成に携わる方(制度面でも実務面でも)
・グローバル企業で働く方、興味がある方
・P&Gに興味がある方
・和田さんについて知りたい方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(ダイヤモンド社HP内)
・What's Hot / What's Not(著者公式ブログ)
・Office WaDa(著者公式サイト)

■関連過去エントリ■
・[Travel]ジャンボ・ホステル(Jumbo Hostel)in Sweden
・[Book]あたらしい戦略の教科書



posted by Guinness好き at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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