2009年01月25日

[Book]中田英寿 誇り

中田英寿 誇り(幻冬舎、著者:小松成美)
中田英寿 誇り
中田英寿 誇り
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小松 成美
幻冬舎
売り上げランキング: 72140
おすすめ度の平均: 3.5
3 サッカーより誇りを選んだ中田
5 振り返る
4 No.7
4 前回ワールドカップでの日本の敗因
5 全身全霊、全力投球の姿が、魂を打つ

目次
第1章 引退告知(引退告知
マンチェスターでの取材)
第2章 決戦の前奏曲(Jヴィレッジ合宿
引き分けたドイツ戦
崩壊をもたらしたマルタ戦 ほか)
第3章 ワールドカップ・ドイツ大会一次リーグ二敗一分け(オーストラリア戦
クロアチア戦
二試合を終えてのインタビュー ほか)
amazonHPから引用させていただきました)

◆本書から吸収したいポイント◆
キャリア絶頂の最中、どのようにして「引退」という決断を下したのか。

◆本書を一言で表すと◆
中田英寿氏のドイツW杯と引退の真実

◆概要&感想◆
引退から2年半が経とうとしている中田英寿氏の引退決断からドイツW杯までを追った一冊。
かなり時間が経ちましたが改めて読んでみました。

中田英寿氏のフットボール観に改めて魅せられました。
同時に漏れ聞いてはいましたが、中田氏がどれだけ現役時代苦しんでいたかがよくわかる一冊でもありました。

2001年の秋、パルマ時代に現地で観戦しました。
その時を思い出すとともに、本書を読んでまさにその時も壮絶な経験をしている真っ最中だったことを知り、それだけの経験を中田氏がしていたことに今更ながら気がつきました。

あと、中田英寿氏がこれだけの成功をした影にはサニーサイドアップの次原社長とフジタミナさんを始めとするチームがあったからこそ、ということがよくわかりました。
中田英寿氏が一人で欧州移籍を成し遂げたようにも見えてしまいますが、それが間違いだったことに気がつきました。

本当に良いチームだったことが伝わってきました。
考えてみれば当たり前ですが、一人でできることには限界があり、チームでサポートすることの重要性を改めて感じました。

何より感じたのは、中田英寿氏がフットボールと日本代表を何より愛していて、大事に思い、強くしたいと思っていたこと。
本書を読んで中田英寿氏のフットボール論をぜひいつか聞きたいと思いました。
本書の著者小松氏が出してくれないでしょうかね…

同時に監督としての中田英寿氏を見たいなぁと思っていたら、著者の小松氏が本書内のインタビューで聞いていました。
「監督としてだったらどう?」
彼はすぐにこう切り返した。
「ありません。だって、ここまで自分の思いを伝える難しさを経験しているんだよ。そんなにコミュニケーション能力が高いわけでもないし、監督になったら、もっと大変だっていうの」

それでもいつか監督しての中田英寿氏が見られることに期待したいと思います。

勇気づけられる、そして考えさせられる読み応えのある一冊でした。
それにしても小松氏の書く本は、人々の意図がはっきり出ていて、かつ情景が浮かびますね…
こういったインタビューができるようになりたいです。。

◆気になったポイント◆
・システムの是非を論じるのはサッカーをわかっていない。システムはキックオフ時の型でしかない。
システムはあくまでも志向するスタイルをおおまかに表したものであって、選手が縛られるものではない、ということだと理解しました。
私は、システムを論ずるのに全く意味がないとは思いませんが、あくまでもチームとしてのスタイルを表したものであり、試合中はそんな型を意識してプレイすることはない、ということには賛成です。
自由こそがフットボールの醍醐味だと思いますし、システムやポジションに過度に縛られてしまっては本末転倒だと思います。

ある日、練習中にトラップをしたんだよ。するとね、思った通りのところにボールが落ちなかった。十センチぐらいずれたんだよ。そのときに、もう辞める時期が近づいている、そう思ったんだ。

今回最も印象に残った一節。
日常のほんの些細なことながら、その意味を感じ取り引退決断したのだ知りました。
ちょっと違うかもしれませんが、神は細部に宿る、という言葉を思いました。

私は、常々シュートなど以上にパスやトラップがフットボールでは最も大事だと思っていますので、そういった基本動作を日常から手を抜かずにキッチリとやることの重要性と、それができなくなったことが引退につながった中田英寿氏の考えには、色々と考えさせられました。

じょあまた。どこかの街で

小松氏と中田英寿氏のインタビュー最後の一言。
シビれました。

◆学び◆
・プロなんだから努力するのは当たり前
・神は細部に宿る
・小学校時代の基本の練習が最も大事、プロになってからでもそれは変わらない

◆オススメしたい方◆
・日本代表を愛する方
・現在の日本代表に苦言を呈したい方
・ごく親しい人が見た中田英寿氏の姿を知りたい方
・中田英寿氏のフットボール感や考え方に興味がある方
・中田英寿氏の現役復帰を希望している方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(幻冬舎HP内)
・nakata.net(中田英寿氏公式サイト)

■関連過去エントリ■
・[Book]祖母力 うばぢから オシムが心酔した男の行動哲学


posted by Guinness好き at 21:00| Comment(1) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Posted by krCFPWTSSVNXwwJR at 2010年02月02日 18:51
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