タクシー王子、東京を往く。―日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」
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川鍋 一朗
文藝春秋
売り上げランキング: 23005
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もったいないブログを本にしてみました的
ビジネス書じゃなくてブログです
期待外れ
経営学の本でなく東京ガイドとしてドウゾ
目次
2007年(私はなぜタクシーに乗るのか
社員へのドライバー宣言
同乗指導でさっそくパニック!
大晦日、いざ出陣!)
2008年(お正月、澄んだ空気のなかを往く
「お客さま、道に不案内なもので…」
車内全面禁煙が始まった
タクシー仁義なき戦い ほか)
(amazonHPから引用させていただきました)
◆本書を読む視点◆
・なぜ社長自らタクシーのハンドルを握ったのか
・タクシーの現場の悲喜こもごもを知る
◆本書を一言で表すと◆
・タクシーと日本交通への愛に溢れた一冊
◆概要&感想◆
ビジネス書という感じではありませんでしたが、とても面白かったです。
普段タクシーを利用することは余りないのですが、それでも楽しく読めました。
何より、著者川鍋社長のタクシーと日本交通に対する愛情がこれでもか!というくらい伝わってきました。
ただ、社長としてこれだけ努力、苦労してきたんだ、といったような話はごく僅かで、かつ非常に淡白に描かれていました。
タクシードライバーとしての目線でひたすら書かれています。
タクシードライバーの方々が普段どんなことを考え、どのように生活しているのか、お客様とどんなやりとりがあるのか、色々と克明に書かれていて面白いですし、参考になります。
都内のタクシードライバー御用達ルートの紹介もあったりして、車に乗ったり、都内でタクシーを頻繁に利用する方には便利そうです。
川鍋社長がタクシードライバーになる決心をされたのは、一時の気まぐれや伊達や酔狂ではなく、今後の日本交通を考えた末での行動であり、そしてご自身の頭でどうすべきかを考えて実行された、というのは自分の身に置き換えて実践すべき点です。
また、よく「現場が大事」とは言われますが、通常は視察や意見交流に留まることが多いもの(それをやることすら大変なのだと思いますが)。
川鍋社長の場合、限られた期間とはいえ、完全に現場の社員として働きました。
トップのこの姿勢は、必ず社内外に大きな反響、影響を及ぼし、それがまた日本交通という会社にとって様々な面で作用してくると思います。
そのあたりも予測した上で、(さらには恐らく対応も考えた上で)実行に移された川鍋社長の「実行力」は、少しでも見習いたいところです。
もう1点、こういった試みが認められたのは、日頃から日本交通の皆さんと川鍋社長とのコミュニケーションがうまくいっていたこと、そして周りの方々のサポートがあり、それを引き出したのがそれまでの川鍋社長だったのだと思います。
(反対意見も当然あったようですし、それを隠さずに見せているところもまた良いと思います)
個人的にはそんな関係を築けるリーダーを目指したいと思った一冊でもありました。
とはいえ、本書を読んだ感想としてはやはり面白かったのが一番に来るのが正直なところなのですが。
黒タク編、ハイヤー編があることを楽しみにしつつ。
◆気になったポイント◆
これまでの7年間のように、自分のアタマで考えた
どうすれば良いのかまずご自身で考えることの重要さを感じました。
意思決定をするためにも、現場の経験が必要
リーダーとしてこの姿勢を取ることの重要さを感じました。
◆学び◆
・自分の頭で何が必要か考える
・現場でしか知り得ないことがある
・周囲を巻き込むための日頃からのコミュニケーション
・自分にできることは手を抜かない
◆オススメしたい方◆
・タイトルに惹かれた方
・タクシー業界に興味がある方
・面白いビジネス書を読みたい方
■関連リンク■
・本書紹介ページ(文藝春秋HP内)
・カンブリア宮殿 著者川鍋氏出演分紹介ページ
・日本交通HP