2009年03月29日

[Book]「信用偏差値」―あなたを格付けする

「信用偏差値」―あなたを格付けする (文春新書)(文藝春秋、著者:岩田 昭男)
「信用偏差値」―あなたを格付けする (文春新書)
岩田 昭男
文藝春秋
売り上げランキング: 133556
おすすめ度の平均: 3.0
4 題名とは異なるが、なかなか面白い内容
2 クレジットカード業界を取り巻く環境を知りたい人に
2 内容のほとんどが、ゴシップ
4 クレジットカード社会がやってくる?

目次
第1章 個人に「信用偏差値」を持ち込め!
第2章 電子マネー隆盛の時代
第3章 クレジットカードVS電子マネー 知られざる闘争
第4章 クレジットカード陣営の総反撃が始まった
第5章 信用社会 日米の違い
第6章 信用格差社会を生き抜くカードの使い方
amazonから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・信用偏差値について学ぶ

◆本書を一言で表すと◆
・信用偏差値導入が対電子マネー対決におけるクレジットカードにとっての追い風となる

◆概要&感想◆
本書のポイントは3つ。
・信用偏差値についてとその導入がもたらすもの
・電子マネーについての解説
・クレジットカード業界が牽引するであろう今後の信用社会について

第1章で著者が言いたいことの大部分は整理され、コンパクトにまとまっています。
時間がなければ第1章だけでも著者の主張は十分にわかるかと。
その詳細説明が第2章〜第5章で行われている、という構図。

本書で著者が説く「信用偏差値に左右される社会」というのは確かに問題。
詳細は本書をお読みいただきたいのですが、かいつまんで言うと「クレジットカードなどの利用結果としてはじき出された信用偏差値によって、その人の金融面での価値が決まり、それが金融サービスを受ける際の判断基準となる社会」という社会。

米国では以前からスタンダードとなっているこの仕組み。
いろいろと軋轢があることも聞こえてきます。
そのあたりが詳しく書いてある第5章はなかなか興味深いです。

クレジットカードが隅々まで普及しているとは言い難い(使う側も使われる側両面で)日本には特に馴染みづらい考え方だと思います。
この信用偏差値が米国のように導入された暁にはかなり抵抗が予想されるのは事実だと思います。

著者曰くこの信用偏差値の(どこまで基準となるかの程度の差はともあれ)導入が間近だと。
そしてその利用についてどこまで認めるか、というのは大いに注視しなければいけないと書いています。

それは仰る通りなのですが、気になったのは次の点。
最終的にクレジットカード会社側の意向を汲んで、信用偏差値を考慮したクレジットカードの利用が必要不可欠となる、と第5章の終りで結んでいる点。

本当にそうなるのだろうか?ということ。
余りにも利用者目線が欠けているのでは、と感じた次第。

確かにクレジットカードは便利ですし、マイラーである自分にとっては無くてはならないものではありますが…
そうクレジットカード業界の思惑通りに進むかというと、大いに疑問が。

元々クレジットカードの利用率が世界各国と比べて非常に低い日本。
徐々に利用率が上がっているとは思いますが、それでも抵抗感が根強く残っていると思われます。

そんな日本で、制度的に動き出しているとはいえ、そのような信用偏差値を基準とした社会になるでしょうか。
万が一その方向に大きく舵を切るとなると、かなりの利用者側からの反発が予想されます。

クジレットカード会社は一丸となって推し進めるのでしょうが、受け入れられるだけの土壌が日本には無い気がします。
それでも導入となった時に、「利用者はクレジットカードを利用しない」という選択が日本であればできるのではないでしょうか。

本書はそんな信用社会に傾かないように利用者側を啓蒙するための一冊、という見方もできると思います。
次は、米国以外の世界の国々の状況についても知りたいですね。
少なくとも本書では米国の事例を後追いする日本、という構図でしか描かれていないので。。

この動き、他人事ではありませんし、今後も注目して見ていきたいと思います。

ちなみに、電子マネーについての解説、かなりコンパクトにまとまっていてわかりやすかったです。
これから電子マネーについて一通り勉強しておきたい、という方は第2章あたりを読むと短時間で一通りの理解ができるかと思います。

あと第6章ですが、著者がお薦めするクレジットカード2枚の組み合わせの紹介まであります。
まるで日経TRENDYかと思わせる内容(笑)

第1章〜第5章までと毛色が全然違います。
そして第6章の最後はまたトーンが元に戻る…というその落差が面白くもありました。

◆オススメしたい方◆
・信用偏差値って何?という方
・電子マネーについて知りたい方
・クレジットカードに興味がある方
・日本の決済シーンに興味がある方
・米国の信用社会に興味がある方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(文藝春秋社HP内)
・岩田 昭男公式Blog(著者公式ブログ)
・岩田 昭男のカード道場(著者公式HP)
・岩田 昭男のクレジットカード(著者連載ページ(All About内))

■関連過去エントリ■
・[Book]ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層 (新潮新書)
・[Book]ルポ 貧困大国アメリカ





posted by Guinness好き at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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