2009年05月01日

[Book]非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門

非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門(ディスカヴァー・トゥエンティワン、著者:飯間 浩明)
非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門 (ディスカヴァー携書)
飯間 浩明
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 1644
おすすめ度の平均: 4.5
5 クイズ文で 読者を迷わせない
5 これほどシンプルな論理的な文章作成の本はありません。
4 非常に解りやすい。
5 ディベートと論理的な文章をつなぐもの
3 論理構成の入門のみ

目次
第1章 伝えたい考えは「クイズ文」で書く
LESSON 1 言いたいことは伝わっているか
考えを伝え、理解してもらうためには?
よく見るエッセー、言いたいことは何?
汲み取ってくれるだろう、では伝わらない
伝える姿勢がとぼしい新聞のコラム

LESSON 2 クイズ文とはどういうものか
伝えるための文章はクイズにそっくり
「問題・結論・理由」の役割
数学の証明問題はクイズ形式だ
理科でも習うクイズ形式
昔の日本人もクイズ形式を使っていた
練習1 「問題・結論・理由」を備えた自己紹介をしてみる

LESSON 3 クイズ文の反対は「日記文」
ふつうに目にする文章は「日記文」
日記はどういう形式で書かれるか
報道記事も小説も日記文
「事実・感想」を定義すると
歌詞や和歌、俳句も日記文
事実と感想を分けると、発見がある
日記文とクイズ文、どちらが上でもない
練習2 新聞記事を日記文とクイズ文にしてみる
論理的に反論できるか、できないか

第2章 クイズ文の型を理解しよう
LESSON 1 クイズ文の四つの型
疑問文の形式で分類すると
練習3 文章から型を読み取ってみよう
練習4 表面上はクイズ文に見えない文章を明確なクイズ文にする

LESSON 2 ディベートはクイズ文を書くのに役立つ
ディベートの効用は絶大
ディベートを誤解していませんか?
ディベートの型はクイズ文の型

LESSON 3 ディベートを疑似体験しよう
ディベートを朗読するだけでも、けっこう身につく
1.立論
2.反論

LESSON 4 ディベートからクイズ文をつくってみる
クイズ文に移し替えるのはむずかしくない
ディベート形式は、考えを進展させる

第3章 実践! クイズ文を書いてみよう
LESSON 1 「問題・結論・理由」を用意する
パソコンに向かう前に考える
「問題」をどうつくるか
こういう問題設定をしてはいけない
当座の「結論」「理由」を用意する

LESSON 2 「問題」の述べ方、ここに注意
問題を文章の流れの中で提示する
問題が書かれていない 「問題」のよくない述べ方1
問題が複数ある 「問題」のよくない述べ方2
問題の範囲が不明確 「問題」のよくない述べ方3
問題を唐突に提示 「問題」のよくない述べ方4
問題提示までに回り道 「問題」のよくない述べ方5

LESSON 3 「結論」の述べ方、ここに注意
結論は問題のすぐ後に示す
結論が書かれていない 「結論」のよくない述べ方1
結論が弱い 「結論」のよくない述べ方2
問題と結論がかみ合わない 「結論」のよくない述べ方3
LESSON 4 「理由」の述べ方、ここに注意
すぐに反論されないような理由を用意
結論へ論理的につながらない 「理由」のよくない述べ方1
理由の範囲が不明確 「理由」のよくない述べ方2
理由が感想または推測 「理由」のよくない述べ方3
理由を整理せずに列挙 「理由」のよくない述べ方4
「理由を支える証拠」だけでも一章になる
反論を想定して書こう

LESSON 5 文章完成に向けてすべきこと
足りないところは何だろう
資料的な裏づけを取ろう
反論に備えよう
これが完成作品だ
優秀作品の紹介
ディスカヴァー・トゥエンティワン社HPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・論理的な文章は誰にでも書けるのか?

◆本書を一言で表すと◆
・シンプルな論理構の指南

◆概要&感想◆
これは知っておくと非常に便利かと。
書きたくてもなかなか書けない「論理的な文章」の書き方を方法論に落とし込んでいる本書。

本書では、論理的な文章を書くには、「問題・結論・理由」からなる形式で書けばよいとしています。
自分の考えたことを文章にして、読者に間違いなく伝えるには、どうすればいいか?
これに対する私自身の答えと、その理由はこうです。
「そのためには、クイズ文という、『問題・結論・理由』という形式に従った文章を書けばいい。なぜなら、この形式は、読者と一つの問題意識を共有し、かつ、読者を一つの結論に導くためのものだからだ」

この文章自体が、筆者が言うところのクイズ文になっています。
そして非常に論旨が明解でわかりやすい。

この「問題・結論・理由」という3点をはっきり意識することで、論点が明確になるのはそのとおりだと思います。
後は、この問題・結論・理由の間に論理的な飛躍が無ければ、論理的な文章になるのかと。

例えば、
問題:クイズ文のポイントは何か?
結論:問題の設定と問題・結論・理由間の流れの2つ
理由:そもそも問題の設定に主観が入っていたり、漠然としている場合には、結論が事実ではなく、
   思いなどになってしまうため。
   また、問題・結論・理由間の流れが論理的に飛躍してしまうと理由にならないため。
といった具合でしょうか。

ただし、この私が考えたクイズ文自体が、このポイントを外しています。
問題自体が非常に漠然としていて曖昧です。

これを「問題:クイズ文のポイントの一つは問題の設定にあるか?」であればYes,No式となって曖昧さが排除されて、問題と成立しやすくなります。

こういった考え方でトレーニングを行うと、徐々に自然と論理的な考え方が身につくんだろうなぁ、と深く感じた次第。
そういう意味でも文章の書き方入門でもありますが、同時に、論理トレーニングの本でもあると思います。

もちろん、本書内で言うところの日記文とクイズ文を意識して書き分けられるようになればそれも十分武器だと思いますし、いろいろな使い方ができる一冊だと思います。

◆気になったポイント◆
考えの伝わる文章を書くということと、読みやすい文章を書くということは別物です。
読みやすい文章だからといって、筆者の考えを読者が間違いなく受け止めてくれるかというと、必ずしもそうはなりません。

「伝わる」と「読みやすい」は別モノだということ、肝に銘じる必要がありますね。。
反論が出るのは、筆者の導き出した結論が、きちんと読者に伝わっているからです。

伝わったからこそ、それに対する反論が出てくる、ということですね。
説得力のある文章とは、始めからしまいまでまったく読者に反論を思いつかせない文章ということではありません。
むしろ、いくつもの反論を呼び起こします。
そして、それを一つずつ論破していきます。

反論に対して論破できるだけの根拠があり、それが伝わる文章が「説得力のある文章」ということかと。
「問題」は読み手が思わず考えてしまうようなものにする。

不適切な問題設定は
@漠然とした問いかけのもの
A主観的なことばを伴っているもの
B仮定を伴うもの
C明らかな事実で、議論の余地のないもの

クイズ文を書く際のポイントかと。
「思う」は、自分の感想を述べるときに使う動詞です。
感想とは、日記文の中で述べるものであり、クイズ文に入れてはいけません。

これもクイズ文を書く際に心に留めておきたいポイント。
文章に説得力を持たせるには、
@資料的な裏づけを取る
A反論に備える

クイズ文に限らず、参考になります。

◆これからやること◆
・クイズ文を実際に書いてみる

◆オススメしたい方◆
・論理的に文章を書いてみたい方
・文章で相手を説得してみたい方
・論理トレーニングを文章を書きながら行いたい方
・ディベートの練習をしたい方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(ディスカヴァー・トゥエンティワン社HP内)
・飯間浩明のことばのページ(著者 飯間 浩明氏公式サイト)

■関連過去エントリ■
・[BOOK]ロジカル・シンキング
・[Book]調べる技術・書く技術



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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