ツバルの夕暮れ -沈み行く島国の子供たちからのメッセージ
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正木明
青幻舎
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ツバルの現実をあるがままに◆本書を読む視点◆
・地球温暖化の象徴とされて(しまって)いるツバルはどのようなところか?
◆本書を一言で表すと◆
・ツバルの今の姿を伝える一冊
◆概要&感想◆
ツバル、と聞くと思い浮かべることは次の3つ。
・南太平洋、ミクロネシアのあたりの島
・地球温暖化の影響による海水面の上昇で国土が危機にさらされている
・割り当てられたインターネットドメイン名が「.tv」だったため、各国のテレビ局にドメイン名の権利を売ることで潤って国連に加盟できた
そんな話には聞くツバルってどのようなところなのかと思い本書を手に取ってみました。
何となくのイメージではフィジーやサモアのようなところ、というイメージ。
本書では、そのツバルの温暖化による影響に留まらず、その生活などをフォトエッセイという形で綴っています(著者 正木さんの感覚では写真集と本書内にあります)。
正木さんは、関西で朝放送されている、「おはよう朝日です」に出ている気象予報士さんのようです。
実際に読んでみると、正木さんが伝えたかったのは、「温暖化のツバル」だけではなかったことがわかりました。
もちろん温暖化がツバルにもたらす影響として、潮の満ち引きによってどれだけの影響が生活の場にまで及ぼされるのかなどを写真を比較して見せるなど主要なテーマとして扱っています。
しかしそれだけではなく、ゴミ処理の問題であったり、西洋化への対応であったり、そんな側面も本書内の写真に表されています。
潮の満ち引きの比較のシーンで、写真の構図が微妙に違ったり、温暖化の影響という視点では正直充実した本とは言えなかったり、と「温暖化のツバル」を期待して読まれるのであれば類書も併せて読むほうがいいかもしれません。
ただ、本書では多数子供が出てくるところやエッセイの端々から「ツバルの未来」、ひいては地球の未来のようなものが感じられました。
島での暮らしぶり、生活もよくわかります。
本当は、実際に現地に行って、自ら感じるべきことなのでしょうが、なかなかそれも叶わない現実があるだけに、そういったものを感じさせてくれる本書、オススメです。
◆気になったポイント◆
・ゴミ処理の問題
・西洋化がもたらすもの
・根こそぎ倒れている椰子の木の意味
◆これからやること◆
・温暖化について本を読む
◆オススメしたい方◆
・ツバルの現実、世界に興味がある方
・温暖化が及ぼす影響をビジュアルに知りたい方
・南太平洋の島の暮らしに興味がある方
■関連リンク■
・本書紹介ページ(青幻舎HP内)
・(著者 正木明氏ブログ)
■関連過去エントリ■
・[Book]島田紳助のすべらない沖縄旅行ガイドブック
・[Book]Google Earthでみる地球の歴史
・[Book]残酷な楽園―ライフ・イズ・シット・サンドイッチ