自分をグローバル化する仕事術
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天野 雅晴
ダイヤモンド社
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日本人はアメリカ人に服従するべき国民?読みやすく本格的
ビジュアル(右脳)とロジック(左脳)を複合してプレゼンは行うこと。
必読!パラダイム転換期に生き残る世界(米国)標準ルールと人生哲学
この本を読んで,改めて自分の考えていたことは間違っていないと認識できたことは,よかった。
目次
はじめに
自分をグローバル化する仕事術とは
日本だけが違うルールで仕事をしている?
三年後には日本でも「世界標準ルール」が適用される
日本国内で働く場合にも必要な「世界標準ルール」
あなたを成功に導く二〇のルール
第1章 コミュニケーションのルール
1 自己主張ルール
〜まずは自分の考えを相手にぶつけよう〜
自己主張はコミュニケーションのプロトコル
日本人は自己主張することに慣れていない
日本の企業文化が個人の自己主張を封じ込めてきた
自己主張は穏やかな気持ちとゆったりとした口調で
自己主張の裏側にあるのは相手を立てること
2 対等姿勢ルール
〜自分流を押し付けない。相手のスタイルも認めよう〜
会社や相手の肩書はダイナミックに変化する
日本では個人よりも肩書による上下関係を尊重してきた
世界標準のコミュニケーションでは対等姿勢ルールを無視できない
多様化社会の基本は互いに共存しようとする姿勢
コミュニケーションと礼儀作法
3 単刀直入ルール
〜正直&ストレートなコミュニケーションが有効〜
単刀直入な発言が会話を促進する
単刀直入なコミュニケーションがなければ結論はうやむやになる
携帯メールによる単刀直入なコミュニケーションはすでに始まっている
相手に誤解を与えないように注意する
嘘をつくと信用が失われ、周囲から相手にされなくなる
ありのままのデータを正直に公開したほうがコミュニケーションはうまくいく
4 ユーモアセンスルール
〜厳しい交渉のなかでこそ相手の感情を和ませよう〜
できるビジネスマンにはユーモアセンスがある
メールの絵文字もユーモアの一つ
冗談とユーモアは別もの
人間の脳は理屈よりも感情を優先させる
第2章 判断と実行のルール
1 テキスト化ルール
〜あいまいな考えもテキスト化で明確になる〜
多様化社会では物ごとを明確にテキスト化するのが基本ルール
テキスト化にはロジックというフェアなルールが必要
アメリカと日本の教科書の違い
右脳を使う日本人と左脳を使うアメリカ人
右脳の思考に左脳の思考を加えて結論を明確にする
日本人とアメリカ人の思考の違いは環境から生まれている
2 罪文化ルール
〜意思決定の基準を自分自身の中に持とう〜
罪文化の考え方で物ごとの是非を判断するのが世界標準のルール
多様化社会では自分自身の基準を持って物ごとを判断せざるを得ない
日本人は恥文化のデメリットをもっと認識するべき
自分で判断できなければビジネスで成功する可能性は低くなる
3 トップダウンルール
〜最終的な意思決定はリーダーの仕事〜
リーダーが決断し、ほかの人はそれに従うのが世界標準のルール
日本のリーダーにはリーダーシップが欠けている
MBAで真のリーダーを育てるアメリカ
日本にも真のリーダーを育てる仕組みが必要
個人レベルの決断にもトップダウンの考え方が有効
4 即断即決ルール
〜直感を大切にして瞬時に決めて体感しよう〜
とりあえずアクションして体感することが世界標準のルール
若いときの即断即決にリスクはほとんどない
三回くらい即断即決をすると驚くほど人生が変わる
自分の直感を信じて即断即決すると正しいことが多い
第3章 目的達成のルール
1 戦略思考ルール
〜周りに流されず、戦略を立てて進もう〜
日本でも一人ひとりが戦略を持たなくてはいけない時代がきている
トップダウンの考え方で戦略を立てる
良い戦略を生むのは十分な時間と心の余裕
不可能なことも戦略次第で可能になる
相手のポイントをつく戦略を立てる
戦略が成功して数百億円の利益に
日頃のコミュニケーションにも戦略思考が必要
まずは駆け引きで相手の攻略ポイントを探る
2 ワープ効果ルール
〜一つ上の役回りにワープして成功をつかもう〜
ワープ効果とは次元を超えて自分を成長させること
ワープ効果があれば社長にだってなれる
次元をワープしないまま自分を成長させるのは限界がある
ワープを繰り返した人は雲の上の存在にもなる
3 シングルタスクルール
〜一つの問題を着実に決着させてから前に進もう〜
シングルタスクで物ごとを進めるのが世界標準のルール
会議においてマルチタスクの考え方は効率的ではない
大切なのは一つひとつの議題に真剣に取り組むこと
目的に合わせてシングルタスクとマルチタスクを使い分ける
マルチタスクで物ごとを進められる人は多くない
4 共有体験ルール
〜体感と苦労をとおして生涯の戦友をつくろう〜
目的を達成するためには、頭で考えるだけでなく実際に体感してみる
海外研修も新しい世界を体感する機会
人との共有体験は強固なネットワークをつくる
第4章 自分磨きのルール
1 緊張感ルール
〜体制に頼らない緊張感を活かして個人価値を高めよう〜
緊張感をベースに自分磨きをするのが世界標準のルール
緊張感が脳と身体を進化させる
緊張感のなかで生きることは不幸ではない
大きな目標を持って緊張感をモチベーションに変える
鉄下駄効果で知らないうちに自分を磨く
思いがけない大きなチャンスにも積極的に取り組む
2 新陳代謝ルール
〜老朽化・陳腐化したものは勇気を持って切り捨てよう〜
新陳代謝の作用で古くて腐ったものをきれいに取り除く
日本で二〇〇七年に行われた社会的な新陳代謝
3 自立志向ルール
〜自立した個人と個人の関係が成長のエネルギー〜
多様化社会では会社ではなく個人に価値がある
「自立」と「共存」が多様化社会の基本ルール
自立志向を持った人間は逆境を乗り越えられる
人から与えられたものに満足している人間は退化する
チャンスは誰にでも平等にやってくる
とりあえずチャレンジして自分を追い込めば、自分磨きは成功する
4 生涯学習ルール
〜生涯をかけて自分の長所を磨き上げよう〜
多様化社会ではレジュメでアピールできるような専門性を磨くのが基本
専門能力を高めるために日頃の仕事を通して学習する
シリコンバレーでは学会に参加することも学習の一つ
第5章 チャンスをつかむルール
1 ネットワーキングルール
〜会社名でつながるな。個人名でつながろう〜
多様化社会では会社を超えて専門分野ごとに分業をするのが基本
頼まれたときがチャンス!
「頼まれ上手」になれ!
積極的なネットワーキングがチャンスを広げる
報酬にかかわらず依頼を引き受けることがネットワークを強固にする
ネットワーキングから本当の仲間が生まれる
自分から人間関係の橋は絶対に燃やしてはいけない
チャンスは会社の外にある
知らないところに出かけることでネットワークが広がる
2 長所伸ばしルール
〜自分の個性を伸ばしたほうが認知されやすい〜
自分の専門分野をつくれば成功に近づく
多様化社会では個人の長所が大切にされる
得意分野で短期間に実績をあげることがチャンスにつながる
3 前代未聞ルール
〜誰もやったことのないことに挑戦してみよう〜
前代未聞のチャレンジが大きなチャンスとなる
前例のないものを敬遠するのは自分の判断力がないから
自分なりの判断力があればリスクは怖くなくなる
ソフトウェアのバグに厳しい日本では新しいものが育ちにくい
転職が当たり前の環境が新しいものを生み出す
4 早寝早起きルール
〜日の出、日の入りの太陽リズムに合わせて仕事しよう〜
身体のリズムに合わせて早寝早起きすると効率よく仕事ができる
アメリカ人は早寝早起きの生活が当たり前
早寝早起きの生活リズムがつくりにくい日本社会
遅寝早起きは貴重な午前中を無駄にする
アメリカ人はブレックファーストミーティングで朝食の時間を有効活用する
メリハリのある生活がさらに仕事の効率をアップさせる
あとがき
学びと行動をループ化する
(ダイヤモンド社HPから引用させていただきました)
◆本書を読む視点◆
・グローバルルールを知っておく
◆本書を一言で表すと◆
・グローバルなビジネスの舞台ではどのように考えられ、どのような行動が求められているのか
◆概要&感想◆
これからやってくるであろうグローバルな流れに乗るために必要な20の世界標準ルールを紹介した本書。
知っておかなければならない考え方、行動の仕方が満載です。
個々のルールに関してはそれぞれ考え方があるとは思いますが、少なくともグローバルという土俵の上に乗る以上、様々な考え方がある、という事実から目を背けてはいけないと思います。
そのルールにのるかどうかは、まずそのルールを知った上で考えればよいこと。
5章構成になっていますが、特に1章と2章で紹介されている世界標準ルールについては知っておく必要があるともいます。
日本という島国で比較的考え方が似通っている環境にいる人と、元来から多様化社会を余儀なくされている国々では考え方も、その表現の仕方、コミュニケーションの方法など違っていて当然。
これから必要なのは、まずその違いを理解し、あるものとして受け止めることだと思います。
以前参加した「ムチャな目標設定で一年を棒に振りたくない人のための 自分の「強み」発掘セミナー」で講師の川井先生も、人にはそれぞれ「思考のクセ」というものがあり、その人はそういう「思考のクセ」を持つ人なんだ、と受け入れることが大切と仰っていました。
今回は個々人というよりはもっと大枠の話ではありますが、それでも考え方は同じだと思います。
本書で紹介されている世界標準ルールについても、全てを受け入れてそのとおりに行動するようにする、というよりは、世界標準ルールがあることを前提に自分のスタンスを決める、ということで良いのだと思います。
3章以降については、世界標準ルールというよりは、純粋な仕事術だと思います。
ワープ効果ルールについては全面的に賛成です。
いわゆる「抜擢」というやつだと思いますが、これがもたらす効果は非常に大きいと思います。
日本では、ワープさせたり、権限委譲という形でこのワープ効果を狙うのが余り上手ではないイメージがあります。
個人的にはもっと当たり前に行われるようになってほしいところ。
1点注意点があるとすれば、本書でいう「世界標準ルール」とは、現在のところ「欧米におけるルール」ということだと思います。
これから中国やインド、ロシア、ブラジルといった国々がさらに出てきた際にはまたこのルールも変化してくるであろう、ということは頭に入れておいた方がいいと思います。
とはいえ、現時点で仕事術も含めて、多様化していく世の中でどのように生きていくのか、そのヒントが満載な一冊だと思います。
◆気になったポイント◆
自分の言い分を主張しない相手には踏み込まないことで相手を立てているのです。自分の言い分を主張しない、ということ自体もその人の暗黙の主張という考え方ということですね。
なるほど…言われてみると納得です。
会社としてはクライアントでも個人としては対等という意識が強いこれも日本ではなじみのない考え方ですね。欧米の方と対する時には念頭に置いておくべき考え方だと思います。
異なった考え方を受け入れるのではなくて、理解するということ。多様化社会においては、全てを受け入れるのはあり得ない考え方であり、必然とこのような考え方になるのだと思います。
「私は賛成しませんが、あなたのやりたいことはわかったので、どうぞ自由にやってください」という姿勢が基本となります。
個々人の考え方を大切にする、という意味で大切なポイントだと思います。
右脳の思考に左脳の思考を加え、両方の脳を使って理解するのがベストです。脳の使い方まで変わってくるとは。
プレゼンのやり方もよく考える必要がある、ということですね。
物ごとの是非を問うとき、自分自身の倫理観に根ざした判断基準を持つのが「罪文化」です。
自分が正しいと思うかどうかではなく、周囲の人がどう思うかによって物ごとの是非を判断するのが「恥文化」です。
少なくとも自分たちの判断基準が恥文化になっていることと、そのデメリットは認識するべきでしょう。違いとそのメリット、デメリットを認識しておくことが必要、というのは本書で一貫して主張されているポイントだと思います。
◆これからやること◆
・手帳に世界標準ルールを書き、その存在を頭に入れておく
・右脳思考と左脳思考の両立を意識する
・頼まれ上手になる
・Don't Burn Any Bridges(橋は燃やさない)
◆オススメしたい方◆
・グローバルの世界で生きていきたい方
・世界標準ルールとは何か興味がある方
・グローバル世界で活躍している方の仕事術に興味がある方
■関連リンク■
・本書紹介ページ(ダイヤモンド社HP内)
・著者天野雅晴氏インタビュー(Financial AcademyHP内)
・株式会社グローバルビジョンテクノロジー公式HP
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