2009年06月04日

[Book]経済は感情で動く―― はじめての行動経済学

経済は感情で動く―― はじめての行動経済学(紀伊國屋書店、著者:マッテオ モッテルリーニ)
経済は感情で動く―― はじめての行動経済学
マッテオ モッテルリーニ
紀伊國屋書店
売り上げランキング: 639
おすすめ度の平均: 4.0
4 入門書だが、内容は多岐にわたる
4 実生活にも参考になる例題がたくさん
5 本書は経済学の中でも新しい分野である行動経済学の初心者にもわかりやすい入門書です
5 売れ筋の行動経済学解説書
5 行動経済学を学ぶならまずこの本から

目次
パート1 日常のなかの非合理
1 頭はこう計算する
一〇〇〇円がいつも一〇〇〇円とはかぎらない
選択肢が多いほど混乱する
プラス面に注意を向けるか、マイナス面に注意を向けるか

2 矛盾した結論を出す
客の気持を惑わす
三つあると真ん中を選ぶ
何が迷いを生じさせるか

3 錯覚、罠、呪い
優先順位がひっくり返る
非合理は高くつく
自分のものになると値が上がる
現状は維持したい
払ったからには参加しなきゃ損
競りに勝っても喜べない−−「勝者の呪い」
数値の暗示に引っかかる−−「アンカリング効果」

4 「先入観」という魔物
私たちの頭は当てにならない
だれもが持つ錯覚
非合理だからこそ人間なのだ

5 見方によっては得
問題の提示の仕方が判断を決める
イメージに左右される
死亡率より生存率で

6 どうして損ばかりしているの
雨の日のタクシーはどうして早々と引きあげるのか
得している株は売り、損している株は手放さない
してしまったことを後悔するか、しなかったことを後悔するか

7 お金についての錯覚
実収入か額面か
自分の給料より同僚の給料のほうが気になる
一〇〇万円得した喜びより、一〇〇万円損したショックのほうがはるかに大きい

パート2 自分自身を知れ
8 リスクの感じ方はこんなに違う
つじつまの合わない答えを出す
数字を情緒で判断する
「一%」と「一〇〇人に一人」の違い
中身を多く見せたいとき、カップは小さいほうがいい?

9 リスクとの駆け引き
相対的リスクと絶対的リスク
統計に表れた数字が読めない

10 知ってるつもり
プロになるほど過信する
自信過剰がはめる罠
成功すると自分のため、失敗すると他人のせい
自分に都合のいい面だけを見たがる

11 経験がじゃまをする
「そうなるはず」という思いこみ
結果よりプロセスに目を向ける

12 投資の心理学
リスクを加味してリスクを減らす
近過去から近未来を占う
なじみの企業に投資したがる悪い癖
事情に明るいほどうまい投資ができるという錯覚
売買がはげしいと損をする

13 将来を読む
読みを誤る
前と後で判断が異なる

パート3 判断するのは感情か理性か
14 人が相手の損得ゲーム
対立作戦ゲーム
協同作戦ゲーム
理論と実際の違い

15 怒れるニューロン
脳が苦汁を飲むとき
相手の頭のなかを読む
復讐は何よりも快楽のため

16 心を読むミラーゲーム
神経生物学から見たお金のゲーム
共感の生み親はミラー・ニューロン
倫理的判断とニューロンの役割

17 理性より感情がものを言う
理性には限界がある
感情は不可欠なサポーター
セミとアリとハトの教訓

18 人間的な、あまりにも人間的なわれわれの脳
のさばるのは感情
神経経済学から見た日ごろの常識
ニューロンが生むプラシーボ効果とフレーミング効果

おしまいに
怠け者の経済学
感情のシステムと理性のシステム
エラーを解剖してみれば
自分の限界を知る
紀伊國屋書店HPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
行動経済学とは何か学ぶ

◆本書を一言で表すと◆
いかに人は感情で動いているかがよくわかる本

◆概要&感想◆
経済本とは思えない面白さをもった一冊。
『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』刊行記念 神永正博氏・小飼弾氏セミナー」に参加した際に、お二人の注目が行動経済学でした。

というわけで行動経済学本の先駆け的存在の本書を読んでみました。

本書内には多数の問いが収録されています。
実際やってみると…頭ではわかっていても、心理的な作用でいかに多くの選択をしているかがよくわかります。
それがいわゆる「感情」の作用。
感情の作用を実感しながら読み進める形になるので、非常に自分の中で落ちてきます。

また、本書の著者マッテオ モッテルリーニさんはイタリアの方。
なので各所に出てくる例もサッカーの話が多かったりと個人的にもツボでした。
(もちろん日本向けにわかりやすい例に変えているとは思いますが)

経済学の一環ではありますが、「サンクコスト」「現状維持のバイアス」「保有効果」「小数の法則」「大数の法則」「フレーミング効果」などなどマーケティングやビジネスの世界でも頻繁に聞く法則など多数出てきます。

経済も人間の行動の結果なので考えてみれば、人間の特性や心理などと密接に関係するのは当たり前の話なのですが、そんな当たり前のことを改めて思いださせてくれました。
そして経済の主体が人間である以上、いわゆる人間くささというのからは逃れられないことも。

なお、本書内では、当然のように統計についても言及されています。
統計は見方によっていろんな風に読めるものだ。
それに、そこに出てきた数値が絶対というわけでもない。
統計に日ごろからなじんでいないといかに罠にはまりやすいか、そのために生じる錯覚がいかに人を惑わせるかということである。
「統計思考力」これは完全に逃げている場合じゃないですね…

統計もそうですが、本書内にもあるのは、知っていて意識できるかどうかだけで雲泥の差が出てくるものばかり。
「行動経済学」、これからの時代を生きていくためには必須科目の一つかと!

本書は経済学の本でありながら、人についての本でもありました。
行動経済学へのはじめの一歩に最適な一冊でした。

◆気になったポイント◆
選択で目が行きやすいのは「肯定面より否定面」。

しばしば「思考の近道」に頼ろうとする。
立ち止まる勇気が必要ですね。
まさに急がば回れ…
秩序のないところに秩序を見つけるという、特殊な能力を持ち合わせているようだ。
たんなる偶然の出来事にすぎないものに、ありもしない意味を付与してしまう。
これも先日の「『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』刊行記念 神永正博氏・小飼弾氏セミナー」で出ていたトピックス。
各種の統計数字については、母体数がどれだけかを確認し、%表示であれば実数に、実数表示であれば%表示に、置き換える頭をもとう。
%表示を見たら、残りの%が何なのかを問いかけることで、事の本質を見抜く眼をもとう。
具体的。これだけなら意識できるかと。。
われわれのある種の神経回路プログラムによれば、思考と感情が対立するとき、優位に立つのはしばしば感情のほうなのである。
無意識で直感的なプロセスを管理するシステム1と、高度な認知作業を担うシステム2は、しばしばおたがいに介入しあう。
私たちの選択や行動の質は、この二つのシステムによる駆け引きできまる。脳が両者のあいだの葛藤をどのように管理するか、そしてとりわけ、システム1の衝動的で無意識ですばやい反応を抑制して、のさばるべきでないところでのさばらないように、いかにうまく調節できるかにかかっている。
身に覚えありまくりです。
じゃあ、どうするのか。
それは本書を一通り読んで「知っておくこと」だと思います。

◆オススメしたい方◆
・行動経済学に興味がある方
・マーケティングに興味がある方
・人の行動に興味がある方
・実社会における経済に興味がある方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(紀伊國屋書店HP内)

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posted by Guinness好き at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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