2009年07月01日

[Book]若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!?

若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!? (ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー・トゥエンティワン、著者:森川友義)
若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!? (ディスカヴァー携書)
森川 友義
ディスカヴァー・トゥエンティワン
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目次
第1章 若者は政治によって損をしている!?
*世代会計からみた受益格差 14
*世代間受益格差は、世代間投票率の違い!?
*だから、若い人は損している
*世代別政治リテラシーの格差は?

第2章 主役は、「有権者」のはずだけど……
* 「有権者」を政治学的に解釈すると……
* 国会議員と有権者の関係は、八百屋さんとお客さんの関係と同じ!
* 市場経済と違って競争が働いていない
* ここまでのポイントを整理すると
* 賢い人ほど選挙に行かない? 「合理的棄権仮説」
* 賢い人ほど、政治に無関心? 「合理的無知仮説」
* 政治リテラシーゼロの人は誰に投票すべきか?
解決策その1 「鉛筆を転がして決める」
解決策その2 候補者の「顔」で選ぶ
解決策その3 政党で選ぶ
解決策その4 小選挙区と比例代表を別々の政党の名前を書く
* 政治リテラシーが高い有権者はどうやって候補者を選ぶべきか?
章末特別講座
最近の政治学の研究から1遺伝子レベルで投票行動は決まっている?
最近の政治学の研究から2「五感と選挙」

第3章実は「国会議員」の力は弱い!?
* 国会議員とは何をする人か?
* 国会議員の権力は実は弱い
*「メジアン有権者の定理」
* 日本共産党が弱くなると、自民党も弱くなる?!
* マニフェストは読む価値があるのか?
* 国会議員の「派閥」
* 民主党の派閥
* いったい何人、総理大臣が交代するのか?
章末特別講座 国会議員のバックグランド
その1 2世、3世、4世議員問題
その2 国会議員の学歴
その3 国会議員の性差
その4 国会議員の前職

第4章 「特別利益団体」を知らずして政治は見えない
* 政治に絶大な影響力の特別利益団体
* 特別利益団体と有権者、国家意義委員の三角関係
* 切っても切れない? 特別利益団体と国会議員との関係
* パワーの源泉その1 政治献金
* パワーの源泉その2 組織票
* パワーの源泉その3 自民党員の影響力
*「特別利益団体」のことを知らないままでいていいのか?
章末特別講座国会議員とお金
その1 政治献金額
その2 議員別高収入ランキング
その3 「政党助成金」とは何か?

第5章「官僚組織」の「官僚組織」による「官僚組織」のための政治
* 官僚は何のために働いているのか?
* 官僚 ⇔ 有権者の関係は? 下僕ではなく、お上!
* 官僚 ⇔ 国会議員の関係は? 法律作成も官僚にお任せ?
問題その1 官僚が法律をつくっている
問題その2 「過去官僚」の弊害
* 官僚⇔特別利益団体の関係は? これぞまさしく「天下りシステム」
* 提言! 官僚組織のあるべき姿とは?
提言1 人事権を国務大臣に
提言2 各種法人の統廃合の促進と天下りの禁止
(目次を抜粋)
amazonから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・若者一人一人は国政に対して何が行えるのか?

◆本書を一言で表すと◆
・[日本]×[民主主義]がもたらす現状とその対策

◆概要&感想◆
最近ものすごい勢いのディスカヴァー・トゥエンティワンさん『若者は、選挙に行かないせいで4000万円も損してる!?』読者モニターに応募したところ当選しました。

ありがとうございます。
早速届いた本を読ませていただきましたので、概要と感想を。

そもそも本書の元となったのは、ディスカヴァー社長室blogの派生ブログとして、連載されていた「MAJIBIJI世代のための政治リテラシー講座」。
かくいう私も読ませていただいておりました。

このブログを書籍化したものが本書。
ただ、正直なところブログで読んでいた時よりも一冊の本として読んだ今回の方が理解は深かったように思います。
(1度読んでいる文章が多いこともその一因かもしれませんが)個人的には本という媒体のパワーを感じました。

さて、内容です。
過激なタイトルがついていますが、本書の内容を集約すると次の2点かと。
・[日本]×[民主主義]という前提における日本の政治の仕組み(プレイヤーとその役割の紹介)
・若者が今するべきこと = 何はなくとも『投票』に行くこと

その中でのポイントは「政治リテラシーを身につけるべし」としていないところだと思います。
もちろん新聞の政治、経済欄を読み、政治としてのトピックスについて考える、ということを第6章などで推奨されてはいるものの、いきなりそこまで、という話にしていません。

まずは、「投票に行くこと」それだけでも政治は変わってくるはず、という展開は敷居が低く、良いかと。
欲を言えば、投票率がどれくらい伸びることで、どのような効果が期待できそうだ、といった話が具体的に書かれていると一層よかったのかな、と思います。

ただ、誰に投票すれば良いのかとその選び方の根拠も含めてわかりやすいのは確か。
誰でも実践できます(ちなみに私は基本的には選挙には行く派、与党以外に投票というスタイルでした)。

その上で政治の仕組みについて、プレイヤー毎の実態や利権の構図などがわかりやすく描かれています。
複雑な政治制度への言及などを抑えている分内容にとっつきやすさが出ていてスラスラと読めます。

中高生の授業でぜひ取り上げていただきたい一冊。
社会の授業の何コマかを使用して本書を教科書に、投票することの意義、といった授業をぜひ展開していただきたいなぁ、と感じました。

そのために必要かも?と思ったのは次の2点。
・本書のターゲットは政治に興味の無い若者だと思いますが、それにしては政治の世界の言葉などを当たり前に用いているように感じました。
もっと本書の敷居を低くするためにもかみ砕くなり、用語の解説を入れるなりがあってもよいのかな、と感じました。
(最低限これくらいの理解は、という意図的なものかもしれませんが)
・「民主主義制度が根源的に持つ欠陥」という記載がありますが、それは世界の他国でも同様です。
 本書内にあるような問題は他国ではどうなのか、どのような対処をしているのか、そのあたりへの言及がさらに欲しい。

民主主義の限界と本書内でもうたわれていますが、とはいえそれであきらめてしまってもしょうがありません。
決められた制度の中で最大限できることを行う、という意味でも本書は非常に面白いと思います。

最後に、本書を読んで私が個人的にぜひ実現してほしいと思ったことを。
・内閣総理大臣(大統領でも良いのですが)の直接選挙による選出の制度と4年程度の任期制度
・国会議員の活動内容の開示と秘書の拡充(と不祥事発生時の厳罰化)
・大臣による担当省庁の人事権の付与
・マニフェストや公約の進捗と結果を追跡する仕組みづくり

基本的には民意が直接届く体制と、三権分立をハッキリさせる意味での立法と行政の相互牽制の確立、そして政治家の活動の見える化をベースに考えています。

最近発表された厚労省の舛添大臣による幹部人事など、その芽は出てきているようにも思えますのでぜひその流れが大きな流れになれば、と。

本書と対になる「どうする!依存大国ニッポン
(ディスカヴァー携書)
」という本も同時刊行されるようです。
政治への第一歩としてオススメの一冊です。
どうする!依存大国ニッポン (ディスカヴァー携書)
森川 友義
ディスカヴァー・トゥエンティワン
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◆気になったポイント◆
政党が政策という商品を売りたいがために競争している
というのが民主主義における選挙の原則です。
なので、商品を買う側の私たちは本来お店で買うように商品を比較して、どの商品を買うか検討する必要があるのですよね。
価格.comのように、各商品である政策の比較サイトのようなものができるといいのかもしれません…
2つの問題
代金の支払い(投票)から当選した国会議員が選挙公約を果たすまでに多くの時間がかかる(タイムラグが生じる)
わが国では政党間競争がほとんど機能していない
1つめのタイムラグの問題は、それをウォッチする仕組みがないことにも起因していると思います。
そのためにも追跡、検証する仕組みがあり、それをネットで公開となれば、少なくとも選挙前には大活躍するのではないか、と。

2つ目の政党間競争も政策がウォッチされ、その進み具合等が明らかになれば促進されるのではないか、とも思います。
だからといって、政治家を責めないでください。政治家が悪いのではありません。選挙に行かない有権者が悪いのです。
「政治家落ちればただの人」ということからも、わからないではないですが、少し悲しくもあります…
政治家自身が実現したい理想があって、その理想を実現するべく票を集められるかどうかではなく、自分の理想が受け入れられるかどうかで選挙に臨む政治家を求めるのは現実的ではないのでしょうか。
イメージですが、他国ではいるのではないでしょうか。

世襲政治家が批判されていますが、本来2世3世の政治家は金銭的にも恵まれているでしょうから理想を掲げて世論に問うことができる稀有な存在ではないかと思います。
(そういう意味では今思えば安倍元首相は「美しい国」という理想を掲げたという意味では良かったのかもしれません)

それができる立場をうまく活用し、ブレずに理想を追う政治家がいればこれほどまでに世襲政治家が批判されることもなかったのかな、などと思います。
ひとつの政党が、長い間、政権の座についているのは、決してわが国の民主主義のためによくありません。
これは全くの同意です。
米国の大統領選挙や英国の保守党と労働党の争いなどを見ていても政権交代は決して特殊なことではなく、各党がそれぞれ持ち味を活かして時代に合う政策を打ち出し、民意に選ばれている姿を見ると、現行の民主主義制度の中でのあるべき姿なのでは、とどうしても感じてしまいます。

◆これからやること◆
・「どうする!依存大国ニッポン (ディスカヴァー携書)」も読む
・選挙にこれまで通り行き、もう少し政策を見て投票する

◆オススメしたい方◆
・政治って何?という方
・選挙なんて面倒くさい、という方
・自分が政治に対してできることに興味がある方
・政治への入門本を読みたい方
・本書のタイトルを見てどういうこと?と思った方

■関連リンク■
森川先生の政治リテラシー講座『若者は、選挙に行かないせいで4000万円も損してる!?』読者モニター大募集!
●田中(ディスカヴァー社長室blog内)

総選挙間近! 若い人たちと日本の将来のために出版した本! モニターブログもアップされました!
●干場(ディスカヴァー社長室blog内)

「進化政治学」で選挙が見える(著者 森川友義氏連載ページ,日経ビジネスオンライン内)
MAJIBIJI世代のための政治リテラシー講座(著者
森川友義氏ブログ,ディスカヴァー・トゥエンティワン社HP内)

ディスカヴァー・トゥエンティワン社公式HP
ディスカヴァー社長室blog

■関連過去エントリ■
[Book]霞が関をぶっ壊せ!
[Book]霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」(文春新書635)




posted by Guinness好き at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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