2009年05月03日

[Book]世界一受けたいお金の授業

世界一受けたいお金の授業(三笠書房、著者:和仁達也)
世界一受けたいお金の授業
和仁達也
三笠書房
売り上げランキング: 666
おすすめ度の平均: 4.5
3 経済の入門書です。
5 お金の罪悪感がある人の入門書!
4 社会人になる前の学生さんにオススメの1冊
5 お金の動きを図を通してわかりやすく理解できました。
5 経済、会計を知らない人への入門書

目次
はじめに

一生使えるお金の超・常識
面白いほど「経済」「お金」に強い人になれる!
お金のこと、よく分からないまま
大人になってしまった人へおくる“マネーの教科書”

1限目
お金持ちのお金の考え方・貧乏人のお金の考え方
……「ここ」に注目するだけでいい!
●夢を叶えている人、成功者の共通点とは?
●少しの努力で大きなリターンを得るお金の「使い方」
●自分の価値をあげるお金の使い方・下げる使い方
●なぜ気がついたら、お金がなくなっているのか?
●なぜ「経済は難しい」と思ってしまうのか?

2限目
会計を学ぶ前に、家計を学ぼう
……「思考回路」を「お金持ち」に近づける
●あなたはどのタイプ? 黒字と赤字。その違いをもたらす4つの思考パターン
●5分でわかる!日本の国家財政
~お金の流れは、家計も会社も国家予算もすべて同じ~
●なぜ日本は突然、ここまで不景気になったのか?

3限目
会社の数字を読める人・読めない人
……10分でお金の流れのメカニズムをつかむ
● なぜ大人は決算書を勉強するのか? 数字を読める人と読めない人、その違いとは?
●決算書のルールに乗るな!勝手にこっちでルールをつくる方法
●なぜ決算書は、「千円」単位で表示するのか?
●お金の流れは給料から逆読みしなさい。
●「給料の3倍稼げ」の意味とは?

4限目
新聞から、10分で世の中の動きをつかめる
……どの情報なら信じられるのか?
● 「新聞ぐらい読んでいないと」恥ずかしい理由
●「景気が厳しい」という人は、実は何もわかっていない
● 目に見えないモノを見抜く専門家の思考術とは?

5限目
ランチタイム10分間の会話で人を見抜く!
……できる人・伸びる人・選ばれる人
●能力に差がないのに「儲ける人と貧乏な人」にわかれる理由
●仕組みは盗み、つくるもの
●できるビジネスパーソンは、一人でランチを食べない
●将来性を見抜く3つの質問
●なぜ外資系サラリーマンは儲かっているのか?
●スポーツ選手がなかなか引退できない事情

6限目
オーダー待ち10分で、お店の儲けを見抜く
……情報を正確に「見抜き」「分析」する方法
●入店後10分で、お店の儲けは見抜ける
●一人の客が一度にいくらのお金を使っているか?
●オーナーになったつもりで大胆に人件費をはじき出す
●「本当に儲け」が出るのは何年後か?
● 会社の数字も、まずは一杯のコーヒーの収支から
●夢をかなえている人・成功者の共通点とは?

おわりに
「お金」「経済」の流れがわかると、
「見えないもの」が見えてくる!?
amazonHPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・お金についての授業はどのように展開されるのか?

◆本書を一言で表すと◆
・お金と経済のはじめの一歩

◆概要&感想◆
とにかくわかりやすい!
本書のポイントは、1限目にあると思います。

経済にいきなり入るのではなく、個々の人がお金についてどう考え、どのように使うか、そこにターゲットを置いています。

この説明が秀逸でした。
曰く
お金を使うときの「自分基準」を持つ

「自分が何に価値を置いているのか」を自覚

「ケチ」かどうかは、相手があってのことなんです。
などなど。

お金をいかに使えばいいのか、その大原則が書いてあります。
そしてここで暗に、人も企業も国も実はそこは変わらない、ということを伝えたいのではないか、と。

さらに、以前エントリした「チーズの値段から未来が見える」にもあったとおり、その個々人が使ったお金が、「経済」になります。
そういう意味でも、まず個人から入るというアプローチは、話を身近に感じさせて敷居を低くさせるというだけでなく、様々な意図があってのことかな、と感じました。

2限目以降は、徐々に視点が個人から家、会社、国と広がっていきます。
会計の前段階の考え方として、本書にある図を使った考え方なども紹介されています。

若手のビジネスパーソンのとっかかりとして、また大学生や高校生、中学生などに読んで欲しい一冊。
絵や図も多いので敷居も非常に低く、本書を読むことで、経済やお金について考えるよいきっかけになると思います。

◆気になったポイント◆
その人がどれだけの「価値」を社会にもたらしたか、を評価する物差しのひとつが「給料」や「報酬」といった「お金」なのです。
働く者の一人として身が引き締まります。
いまの時代「人が価値を見出せるものがつくりにくくなった」んです。
なぜなら、必要なものはすでに行き渡っていて供給過剰だから。

お金は価値のあるほうに流れていきます。不景気というのは、そのお金が流れていない状態だから、「価値があるものがない(またはわからない)」状態でもあるわけです。
「不景気」の表現として非常に面白くわかりやすいと思います。
生活者としての日常感覚も「数字を読む」のには大切です。
チーズの値段から未来が見える」の著者上野さんも同じことを書かれていました。
ついつい忘れがちですが、大切なポイントだと思います。
どんどん発表する場をもって欲しいんです。つまり、自分の意見を世の中に対して表現するんです。
このあたりも若いビジネスパーソンや、これから世に出ようという方々に向けた言葉のように感じます。

◆これからやること◆
・ざっくりとお店に入って10分でお店の儲けを考えてみる

◆オススメしたい方◆
・若手のビジネスパーソン
・学生の方々
・お金や経済についてとにかく敷居の低い本で勉強してみたい方

■関連リンク■
本書紹介ページ(三笠書房HP内)
ワニ マネジメント コンサルティング(著者 和仁達也氏公式HP)

■関連過去エントリ■
[Book]チーズの値段から未来が見える
[Book]お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践
[Book]会計のルールはこの3つしかない (新書y)
[Book]勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月02日

[Book]HEALTH HACKS!

HEALTH HACKS! ビジネスパーソンのためのサバイバル健康投資術(ディスカヴァー・トゥエンティワン、著者:川田浩志)
HEALTH HACKS! ビジネスパーソンのためのサバイバル健康投資術
川田 浩志
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 1281
おすすめ度の平均: 4.0
3 大量の健康術に・・・食傷気味です
3 いい本ですが、章タイトルがわかりにくい
5 家庭の医学と共に一家に一冊
4 とてもいい本だが読み返すときには・・・
4 どこかで聞いたような。

目次
はじめに 健康維持も仕事のうち
第1章 健康の経済学:健康で「年収アップ」を実現しよう! 
 道は開ける
あなたの「生き方」は?
「金持ち父さん、貧乏父さん」の分かれ道
急にやせ始めるにはワケがある
健康で人を動かす
体はジムに預けるな
健康本はムチャを言う
まとめ

第2章 7つの健康習慣:健康になるには原則があった!
眉ツバ健康ビジネスは、なぜ潰れないのか?
第1の習慣 主体性を発揮して健康を目指す
第2の習慣 目的を持って健康習慣を始める
第3の習慣 健康の重要事項を優先する
第4の習慣 Win-Winを考えて健康を目指す
第5の習慣 健康法を理解してから健康の女神に理解される
第6の習慣 健康法で相乗効果を発揮する
第7の習慣 健康のために刃を研ぐ
ラテラル・シンキングで、さあ健康に目覚めよう!
まとめ

第3章 はじめての課長の健康教科書 :「目からウロコ」の健康学
健康になるための「発見力」養成講座
女性は「インディペンデントな生き方」をしたほうがよい?
長寿の方程式
夢をかなえる?すごい健康術
頭のいい段取りの食事
減量のチカラ
 〈心身を鍛える大人の健康ドリル@〉カロリー推定の練習問題
  ― 今日は安心してビールを飲めるか?ケーキも食べられるか?
健康は感情で動く
〈心身を鍛える大人の健康ドリルA〉性格にもあるA型とB型 ― あなたはどちら?
頭がいい人、悪い人の水分の摂り方
お酒はフレームワークで考える
サプリメント情報のフォーカス・リーディング
おまけのコラム1エビデンスについて/2私のサプリメント/3クワガタを巨大化させるサプリメント
〈心身を鍛える大人の健康ドリル@〉カロリー推定の練習問題の答え
まとめ

第4章 「仕組み」健康術:結局「仕組み」を作った人が続いている
健康力の武器@ 「1日30分」を続けなさい! 〈家庭用トレッドミル〉
健康力の武器A 効率が10倍アップする野菜摂取法 〈ジューサー〉
  健康力の武器B レバレッジ朝食術 〈ホームベーカリー〉
  健康力の武器C さあ、水に目覚めよう 〈浄水器〉
最大の成果を出す「仕組み」健康術@「よく眠れる」仕組みを作る
最大の成果を出す「仕組み」健康術A「よい油を摂る」仕組みを作る
最大の成果を出す「仕組み」健康術B「よいタンパク源を摂る」仕組みを作る
最大の成果を出す「仕組み」健康術C「老けない」仕組みを作る
〈心身を鍛える大人の健康ドリルB〉筋肉老化度判定法 30秒椅子立ちあがりテスト(CS-30テスト) 
「三欲追放」の仕組みを考える
まとめ

第5章 「脳を活かす」健康法:頭がよくなる健康法
最強の脳力維持術 〈知的刺激とウォーキング〉
非常識な健康法? 〈コーヒー〉
女性だけのスイートスポット 〈鉄〉
脳のための新しい戦略 〈DHA〉
脳を活かすサプリメント 〈イチョウ葉エキス〉
脳が教える1つの習慣 〈ポジティブであること〉
〈心身を鍛える大人の健康ドリルC〉やる気度テスト
まとめ

第6章 「モテる」健康法:「婚活」時代のブルーオーシャン戦略
「見た目」をよくする健康術@歯を白くする方法
「見た目」をよくする健康術A白髪の処理法
「見た目」をよくする健康術B顔を若く保つ方法
「見た目」をよくする健康術C「あぶらとり紙」活用法
「見た目」をよくする健康術D目ヂカラアップ法
においはどこへ消えた? 口臭・体臭・加齢臭を断つ方法
健康の「鏡の法則」
まとめ

おわりに
   健康オタクより、ビジネスパーソンのあなたへの1通の手紙
参考にさせていただいたビジネス関連書籍一覧
医学系参考資料
ディスカヴァー・トゥエンティワン社HPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・エビデンスのある健康知識を学ぶ

◆本書を一言で表すと◆
・ビジネスパーソンこそ取り入れるべき健康術

◆概要&感想◆
ビジネス関連書籍好きの医師による、ビジネスパーソンのための健康ハックス本。
本書の最大の利点は、全て科学的根拠(=科学的エビデンス)がハッキリしているものばかりを集めていること。
そして、ビジネスパーソン向けらしく、手軽にできるものが多い、ということ。

どれを選んでも間違いがないので、読んでみて、興味を持ったものを初めてみるだけでも効果があると思います。
最も、読んでみると知らない事実も非常に多く、個人的にはかなり青ざめました。
同時に巷に溢れている健康術にいかに根拠が無いものが含まれているのかもよくわかりました。

個人的に特に参考になったのは、以下の項目。
・頭のいい段取りの食事
・サプリメント情報のフォーカス・リーディング
・エピジェネティクス(後天的な原因による遺伝子発現の変化)
・よい油を摂る
・コーヒー
・よいタンパク源を摂る
・顔を若く保つ方法

どれも非常に参考になるとともに、すぐにできるものばかり。
敷居が低いのが非常にうれしいです。

蛇足ですが、本書内にはその科学的エビデンスの提示のためにデータが多数紹介されています。
本書の前に同じディスカヴァー社の不透明な時代を見抜く「統計思考力」を読んでいたため、データやグラフを見ながらこのデータは…などと考えてしまいました。

目次を見れば、ビジネス関連書籍好きの方であれば、笑みがこぼれること間違いなし。
逆にビジネス関連書籍に興味がないと、よくわからない目次になってしまうかもしれません。
ただ本書を手に取る方の層と本書のターゲットは非常に重なるとは思いますので、杞憂かもしれませんが。

少し残念だったのは、目次も含めて、一読後に後から読み返したい時に、探したいポイントがどこに書いてあったのかわかりづらいこと。
特に「HACKS」と銘打ってあり、かつ役に立つ健康術の集大成で、後からポイントを読み返すことも多そうな本書の性質を考えると、どこで何が紹介されているのかがまとめてあるとなお良かったのかな、と思います。

とはいえ、筆者の以下の主張は非常に共感できます。
自己責任時代の三大自己投資は、勉強、お金、そして健康だ!
そして筆者の言うとおり、自分も「健康」はかなり疎かになっていたな、と反省…

元トリンプ社長の吉越さんも書かれていましたが、まず資本となるのは「体力(=健康と文字通りの体力)」。
失って初めて気がつく大事さの代表格だけに、今のうちにしっかりと自己投資を行う必要があると改めて感じました。

ビジネスパーソンだけでなく、全てのパーソンにオススメの一冊です!
また、本書読後は、著者のブログ「Dr川田浩志のアンチエイジングワールド・リポート」に追加情報など更新されていますので、そちらも併せて読まれるとよいかと。

◆気になったポイント◆
健康についてのブレない考え方を身につけておくことが大切です。
そのブレない考え方に必要なのが、本書内で言うところの科学的エビデンス(根拠)なのだと思います。
孤独な健康生活は失敗する

周囲の人を巻き込むと良いということですね。
実際本書の内容は、ビジネスパーソンに限らず老若男女全ての人にとって有用だと思いますので、上下左右に展開すると良いのではないでしょうか。
コーヒーは健康の強い味方
コーヒー飲んでもいいのだと勇気づけられました!

◆これからやること◆
・油を変える
・コーヒーを意識して飲む(ただしフレッシュは絶対入れない)
・顔の若さを保つ
・食事の際の段取りを意識する

◆オススメしたい方◆
・全ての方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(ディスカヴァー・トゥエンティワン社HP内)
・Dr川田浩志のアンチエイジングワールド・リポート(著者 川田浩志氏ブログ)

■関連過去エントリ■
・[Book]ムダな仕事はもう、やめよう!
・[Book]夜中にラーメンを食べても太らない技術
・[BOOK]シャングリラ・ダイエット



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(1) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月01日

[Book]非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門

非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門(ディスカヴァー・トゥエンティワン、著者:飯間 浩明)
非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門 (ディスカヴァー携書)
飯間 浩明
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 1644
おすすめ度の平均: 4.5
5 クイズ文で 読者を迷わせない
5 これほどシンプルな論理的な文章作成の本はありません。
4 非常に解りやすい。
5 ディベートと論理的な文章をつなぐもの
3 論理構成の入門のみ

目次
第1章 伝えたい考えは「クイズ文」で書く
LESSON 1 言いたいことは伝わっているか
考えを伝え、理解してもらうためには?
よく見るエッセー、言いたいことは何?
汲み取ってくれるだろう、では伝わらない
伝える姿勢がとぼしい新聞のコラム

LESSON 2 クイズ文とはどういうものか
伝えるための文章はクイズにそっくり
「問題・結論・理由」の役割
数学の証明問題はクイズ形式だ
理科でも習うクイズ形式
昔の日本人もクイズ形式を使っていた
練習1 「問題・結論・理由」を備えた自己紹介をしてみる

LESSON 3 クイズ文の反対は「日記文」
ふつうに目にする文章は「日記文」
日記はどういう形式で書かれるか
報道記事も小説も日記文
「事実・感想」を定義すると
歌詞や和歌、俳句も日記文
事実と感想を分けると、発見がある
日記文とクイズ文、どちらが上でもない
練習2 新聞記事を日記文とクイズ文にしてみる
論理的に反論できるか、できないか

第2章 クイズ文の型を理解しよう
LESSON 1 クイズ文の四つの型
疑問文の形式で分類すると
練習3 文章から型を読み取ってみよう
練習4 表面上はクイズ文に見えない文章を明確なクイズ文にする

LESSON 2 ディベートはクイズ文を書くのに役立つ
ディベートの効用は絶大
ディベートを誤解していませんか?
ディベートの型はクイズ文の型

LESSON 3 ディベートを疑似体験しよう
ディベートを朗読するだけでも、けっこう身につく
1.立論
2.反論

LESSON 4 ディベートからクイズ文をつくってみる
クイズ文に移し替えるのはむずかしくない
ディベート形式は、考えを進展させる

第3章 実践! クイズ文を書いてみよう
LESSON 1 「問題・結論・理由」を用意する
パソコンに向かう前に考える
「問題」をどうつくるか
こういう問題設定をしてはいけない
当座の「結論」「理由」を用意する

LESSON 2 「問題」の述べ方、ここに注意
問題を文章の流れの中で提示する
問題が書かれていない 「問題」のよくない述べ方1
問題が複数ある 「問題」のよくない述べ方2
問題の範囲が不明確 「問題」のよくない述べ方3
問題を唐突に提示 「問題」のよくない述べ方4
問題提示までに回り道 「問題」のよくない述べ方5

LESSON 3 「結論」の述べ方、ここに注意
結論は問題のすぐ後に示す
結論が書かれていない 「結論」のよくない述べ方1
結論が弱い 「結論」のよくない述べ方2
問題と結論がかみ合わない 「結論」のよくない述べ方3
LESSON 4 「理由」の述べ方、ここに注意
すぐに反論されないような理由を用意
結論へ論理的につながらない 「理由」のよくない述べ方1
理由の範囲が不明確 「理由」のよくない述べ方2
理由が感想または推測 「理由」のよくない述べ方3
理由を整理せずに列挙 「理由」のよくない述べ方4
「理由を支える証拠」だけでも一章になる
反論を想定して書こう

LESSON 5 文章完成に向けてすべきこと
足りないところは何だろう
資料的な裏づけを取ろう
反論に備えよう
これが完成作品だ
優秀作品の紹介
ディスカヴァー・トゥエンティワン社HPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・論理的な文章は誰にでも書けるのか?

◆本書を一言で表すと◆
・シンプルな論理構の指南

◆概要&感想◆
これは知っておくと非常に便利かと。
書きたくてもなかなか書けない「論理的な文章」の書き方を方法論に落とし込んでいる本書。

本書では、論理的な文章を書くには、「問題・結論・理由」からなる形式で書けばよいとしています。
自分の考えたことを文章にして、読者に間違いなく伝えるには、どうすればいいか?
これに対する私自身の答えと、その理由はこうです。
「そのためには、クイズ文という、『問題・結論・理由』という形式に従った文章を書けばいい。なぜなら、この形式は、読者と一つの問題意識を共有し、かつ、読者を一つの結論に導くためのものだからだ」

この文章自体が、筆者が言うところのクイズ文になっています。
そして非常に論旨が明解でわかりやすい。

この「問題・結論・理由」という3点をはっきり意識することで、論点が明確になるのはそのとおりだと思います。
後は、この問題・結論・理由の間に論理的な飛躍が無ければ、論理的な文章になるのかと。

例えば、
問題:クイズ文のポイントは何か?
結論:問題の設定と問題・結論・理由間の流れの2つ
理由:そもそも問題の設定に主観が入っていたり、漠然としている場合には、結論が事実ではなく、
   思いなどになってしまうため。
   また、問題・結論・理由間の流れが論理的に飛躍してしまうと理由にならないため。
といった具合でしょうか。

ただし、この私が考えたクイズ文自体が、このポイントを外しています。
問題自体が非常に漠然としていて曖昧です。

これを「問題:クイズ文のポイントの一つは問題の設定にあるか?」であればYes,No式となって曖昧さが排除されて、問題と成立しやすくなります。

こういった考え方でトレーニングを行うと、徐々に自然と論理的な考え方が身につくんだろうなぁ、と深く感じた次第。
そういう意味でも文章の書き方入門でもありますが、同時に、論理トレーニングの本でもあると思います。

もちろん、本書内で言うところの日記文とクイズ文を意識して書き分けられるようになればそれも十分武器だと思いますし、いろいろな使い方ができる一冊だと思います。

◆気になったポイント◆
考えの伝わる文章を書くということと、読みやすい文章を書くということは別物です。
読みやすい文章だからといって、筆者の考えを読者が間違いなく受け止めてくれるかというと、必ずしもそうはなりません。

「伝わる」と「読みやすい」は別モノだということ、肝に銘じる必要がありますね。。
反論が出るのは、筆者の導き出した結論が、きちんと読者に伝わっているからです。

伝わったからこそ、それに対する反論が出てくる、ということですね。
説得力のある文章とは、始めからしまいまでまったく読者に反論を思いつかせない文章ということではありません。
むしろ、いくつもの反論を呼び起こします。
そして、それを一つずつ論破していきます。

反論に対して論破できるだけの根拠があり、それが伝わる文章が「説得力のある文章」ということかと。
「問題」は読み手が思わず考えてしまうようなものにする。

不適切な問題設定は
@漠然とした問いかけのもの
A主観的なことばを伴っているもの
B仮定を伴うもの
C明らかな事実で、議論の余地のないもの

クイズ文を書く際のポイントかと。
「思う」は、自分の感想を述べるときに使う動詞です。
感想とは、日記文の中で述べるものであり、クイズ文に入れてはいけません。

これもクイズ文を書く際に心に留めておきたいポイント。
文章に説得力を持たせるには、
@資料的な裏づけを取る
A反論に備える

クイズ文に限らず、参考になります。

◆これからやること◆
・クイズ文を実際に書いてみる

◆オススメしたい方◆
・論理的に文章を書いてみたい方
・文章で相手を説得してみたい方
・論理トレーニングを文章を書きながら行いたい方
・ディベートの練習をしたい方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(ディスカヴァー・トゥエンティワン社HP内)
・飯間浩明のことばのページ(著者 飯間 浩明氏公式サイト)

■関連過去エントリ■
・[BOOK]ロジカル・シンキング
・[Book]調べる技術・書く技術



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月30日

[Book]不透明な時代を見抜く「統計思考力」

不透明な時代を見抜く「統計思考力」(ディスカヴァー・トゥエンティワン、著者:神永 正博)
不透明な時代を見抜く「統計思考力」
神永 正博
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 26
おすすめ度の平均: 5.0
5 数式が苦手な方も大丈夫!ビジネスマン必須の「力}!

目次
第1章 基礎編 ●データを見る
それ、ほんとう? まず元データに当たる習慣をつけよう!
1 生データを入手する
  *それホント? まず、生データに当たれ!
  *数学ができる=年収が高い?
  *自分にとって重要な数字を頭に入れておく
  *アメリカ・ベンチャービジネスの幻想

2 データを図にする
  *データを時系列のグラフにするとよくわかる

・検証 若者の読書離れはほんとうか?
  *本はほんとうに売れなくなっているのか?
  *インターネットは本の敵?
  *読書離れしていない若者とは?
  *昔と今の大学生はイコールではない
  *結局、読書離れしているのはだれか?
  *それでも本は読まれている

・検証 小泉改革は格差を拡大したのか?
  *格差を測るものさし ジニ係数とローレンツ曲線
  *公式統計を見る1 日本のジニ係数からの検証
  *公式統計を見る2 完全失業率からの検証
  *公式統計を見る3 非正規雇用のデータからの検証
  *データ集めのむずかしさ1 新しすぎる概念〈ワーキングプア〉
  *データ集めのむずかしさ2 データの信頼性という問題〈生活保護〉
  *データ集めのむずかしさ3 数えきれない数〈ホームレスとネットカフェ難民〉
  *国の豊かさを測る1 平均給与
  *国の豊かさを測る2 1人当たり実質GDP
  *国の豊かさを測る3 貯蓄ゼロの世帯
  *検証結果をまとめる
  *ジニ係数は万能ではない
  *私見─右肩下がりの時代に

・検証 連続する事件や事故に関係があるのか?
  *似たようなニュースが続く理由
  *航空機事故は流行るのか?
  *地震は続く−ポアソン分布の怪
  *すべての事件に物語があるわけではない

3 専門外のデータはこうして読もう
  *バイオ燃料が地球を救う?
  *木を見て森も見る


第2章 中級編 ●データを読む
統計の基本を知って、正しく読もう
1 基本をおさえる─平均と分散
  *「平均」値が実感と合わないのはなぜ?
  *庶民とお金持ちはここが違う
  *株価の動きは読めるのか
  *株価の動きに規則性はあるのか、ないのか?
  *中学数学でわかる標準偏差
  *標準偏差はなぜ2乗してルートを取るのか

2 足したら出てくる―正規分布
  *ゆがみにご注意−ワイブル分布

3 一を聞いて十を知る―大数の法則
  *なぜ、開票率数%で、「当確」が出るのか?
  *アンケートは偏ることもある

4 分けて考えるべき分布
  *奇跡の公式−ブラック・ショールズ評価式
  *分けて考えるべき分布
  *平均・分散が存在しない世界
  *安全な資産運用は幻想である

5 因果関係と間違えるな―相関
  *勉強が好きなら成績もいい?
  *勉強時間が増えれば成績が上がる?
  *「相関が高い」と言えるとき、言えないとき
  *相関係数は曲がったことが嫌い
  *関係ないのに相関係数が高い話


第3章 上級編 ●データを利用する
過去データから未来を予測する
1 未来を予測する
  *経済予測はなぜプロでもむずかしいのか?
  *ブラック・スワン
  *人口はわたしたちに未来を語りかけている
  *失業率のニュースをどうとらえるか?
  *日本の出生率は上がるのか?
  *人口ピラミッドで日本のこれからを読む
  *中国の繁栄はいつまで続くのか

2 思考を練磨する オープンコラボレーション
  *ロジカルな議論の実践−共産党の国会質問

3 自力で考えることの最大の敵
ディスカヴァー・トゥエンティワン社HPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・統計思考をどのように使いこなせばよいのか

◆本書を一言で表すと◆
・統計思考に親しむための指南本

◆概要&感想◆
統計的に物事を見て、考える。
そんな統計思考の世界へと続く玄関のドアのような本です。

とにかくわかりやすく、丁寧にデータと統計について書かれています。
本書の特徴として、著者もブログなど様々なところで書かれていますがとにかく数式が出てきません。

統計というとどうしても数式と切り離せないところを、あえていかに数式を使わずにその考え方やアプローチを伝えるか、が本書のテーマ。
そういう意味では、過去に類を見ない統計の本だと言うことができると思います。
そしてこの数式が出ないことで、グッと読む側のハードルが下がっています。

第1章では、「データを見る」ことでいかに普段なんとなく考えていることが曖昧かがわかるようになっています。
馴染みの深い事象をいくつも取り上げて、それを「データ」という事実から検証されており、心地よさすらあります。

検証という実例の中で、データの見方を解説されているので、どのような場面で、どのようにデータを見るべきかがわかるようになっています。

そして個人的に良かったのは第2章。
「データを読む」と題して、具体的にデータをどのように読む(= 捉える)のか、統計手法の解説と併せて書かれています。

統計手法として余りにも有名な、平均や分散、正規分布とべき分布、そして相関というよく名前は聞くけれども実際に使いこなせているとは言い難い基本的なものにだけ焦点を当てています。

特に分散と相関についての説明は非常にわかりやすかったです。
事例を踏まえつつ、細かい疑問に思う点も解き明かしてくれているため、スッキリとしながら読めます。

本書を読むことでわかること。
それは、まず「データを見る」ことでいろいろと見えていなかったことが見えるようになる、ということ。

次に、「データを読む」のに必要なツール(平均や分散、分布、相関)を使うにあたっての考え方が整理され、抵抗感が無くなります。

何より、データを使ってみよう、とか見てみよう、と思うようになると思います。
そのとっかかりに最適な一冊かと。

仕事をするなどの中で、データを見たり、読んだり、使うことの利点は、自分の主観を抜きにして客観的に物事を見れることだと思います。
そしてその客観的な見方というのは、本書の冒頭にあるとおり、
データは、議論のための共通言語

になるのだと思います。

統計思考をどのように使いこなせばよいのか、ということに対しては、

@データの見方を身につける(=見るための型をいくつか用意する)
Aデータを読むためのツールが自然と選択肢として出てくるようにする
B常にデータとして読むクセを身につける

ということではないか、と。

本書内でも引用されている「ブログ論壇の誕生」にあった
きちんと議論をオープンにし、すべてを可視化させ、真摯に対応していくしかないのだ。

の可視化の部分のためにも今後データはますます必要となっていくはず。
その入門編として最適な一冊かと。

個人的には、中級編を抜き出して、実際のトレーニングをやりたいなぁ、と感じました。
各章それぞれを独立させた一冊の本にしても良いとも思います。
よりクローズアップした次の一冊にもぜひ期待したいところです。

◆気になったポイント◆
@データを先に見る
Aだれかが解釈する前のデータを見る
B自分の仮説に反するデータも集める

ものごとを見るためのポイントとして覚えておきます。
まずは、データを見て、数字をざっくり頭に入れておく

そう言われてみると、自分の頭の中には驚くほど数字が入っていないですね…
意識しなければ…
データを見る際に陥りがちな間違いは、一部だけを見て判断を下してしまうことです。

やりがちです。
自分の都合の良い一部に目がいってしまうことを自覚する必要があるということかと。
専門外だからと敬遠せず、いつもと違った分野のデータをのぞいてみませんか?
何か興味深いことが見つかるかもしれません。


データの特徴を表すうえで、平均値を使うのが適切かどうか

平均って便利なのでよく使われますし、ついつい使ってしまいますが、そもそもまず前段で適切かどうかを考える必要がある、と。
「相関」というのは、あくまで「対応関係」を示したものであって、「因果関係」ではない

これも混同しがちですね。。
「なんでもグラフにしてみる」精神

統計思考力を鍛える第一歩として持っておこうかと。
現在は、さまざまな統計情報がオープンになっています。
それらのデータを活用して、エビデンス・ベーストな(証拠に基づいた)議論をすること、これこそが民主主義、ではないでしょうか。

「ブログ論壇の誕生」と通じることですね。
日本人が苦手な部分であり、これからより一層必要とされるポイントだと思います。
おそらく、自力で考えることの最大の敵は、自分にはわかっているという過信です。
いちばんむずかしいのは、正気を保つことなのです。
正気を保つために、データ分析ほど強力な薬はほかにないでしょう。

自力で考える+データ分析で裏付ける、という両輪で考えるクセをつけなければなりませんね。

◆これからやること◆
・まずデータから見てみる
・元データが何かを意識してデータを見る
・データを扱う時にはなんでもグラフにしてみる
・常日頃からデータを見る癖をつけて、ざっくりと頭に入れておく
・「平均」や「分散」、「相関」についてどのように使われているのかを意識して見る

◆オススメしたい方◆
・「統計」「分析」って何?という方
・統計って大事そうだけど難しそう…という方
・データの取り扱いの基本を学びたい方
・データとうまく付き合いたい方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(ディスカヴァー・トゥエンティワン社HP内)
・「統計思考力」キャンペーンサイト(ディスカヴァー・トゥエンティワン社HP内)
・Masahiro KAMINAGA Japanese Page(著者 神永正博氏公式HP)
・Masahiro
Kaminaga's Weblog(著者 神永正博氏公式ブログ)


■関連過去エントリ■
・[Book]ブログ論壇の誕生 (文春新書)


posted by Guinness好き at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月26日

[Book]毒笑小説 (集英社文庫)

毒笑小説(集英社文庫、著者:東野圭吾)
毒笑小説 (集英社文庫)
東野 圭吾
集英社
売り上げランキング: 12326
おすすめ度の平均: 4.5
4 幅の広い笑いが楽しめる
3 毒のない「つぐない」が特にお奨め
2 あのー
4 笑いたいとき、手にとってみては
4 著者の毒のこもった笑いが満載

目次
誘拐天国
エンジェル
手作りマダム
マニュアル警察
ホームアローンじいさん
花婿人形
女流作家
殺意取扱説明書
つぐない
栄光の証言
本格推理関連グッズ鑑定ショー
誘拐電話網
amazonから引用させていただきました)

◆概要&感想◆
東野さんの著作としては異質な「笑い」をテーマにした短編集という本書。
とはいえ、東野さんだけあってさすがの筆の冴えです。

ただ、笑いといっても単純に笑えるというよりは、タイトルどおり毒を含んだクスリと、とかニヤっと笑える類のお話が多いです。
オチは示唆する形でハッキリとは書かれていないものが多い印象です。

個人的には、「誘拐天国」「つぐない」の2編が特に秀逸でした。

ただ、読後気がついたのですが、本書は位置付けとしては「怪笑小説」の第二弾なのですね。

読む順番を間違えました…
短編なのでそれほど影響ないとは思いますが何となく気持ち的には。。

本書の巻末に収録されている京極夏彦さんとの対談でも、怪笑小説内の作品について話が出てきますし、次はこちらを攻めようと思います。

一風変わった東野さん作品として、オススメです!

■関連リンク■
・本書紹介ページ(集英社HP内)

■関連過去エントリ■
・[Book]虹を操る少年 (講談社文庫)
・[Book]天使の耳
・[Book]ガリレオの苦悩
・[Book]夜明けの街で
・[Book]流星の絆



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月22日

[Book]「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)

「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)(日本経済新聞出版社、著者:藤井 大輔)
「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)
藤井 大輔
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 1023
おすすめ度の平均: 4.0
5 リアルタイムで進行するプロジェクト成功教本
1 作者が未熟すぎて、参考にならない
5 イタコ化
5 ユーザー視点に立つとはこういうこと
4 街に溢れる多くのフリーペーパーの中で「R25」が成功した秘密がわか

まえがき

第1章 少人数の組織で「業界常識」に立ち向かう
第2章 M1層はホンネを語ってくれない
第3章 M1層に合わせた記事づくり&配布作戦
第4章 世の中のちょっとだけ先を行く発想術
第5章 M1世代とM1商材を結びつける
第6章 さらにビジネスを広げるために

あとがき
日本経済新聞出版社から引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・R25プロジェクト成功の秘訣は?

◆本書を一言で表すと◆
・R25の編集者でかつ産みの親による立ち上げの記録

◆概要&感想◆
首都圏で配布されているリクルートのフリーペーパー「R25」。
本書はそのプロジェクトの立ち上げから発刊とその後までを主に編集面から見た一冊。

なぜ「R25」が成功したのか、それはひとえに「ブランディングの勝利」だったことがよくわかります。

著者の藤井さんはターゲットであるM1層(20歳〜34歳の男性)がどのような考えを持っているのか、調べに調べ、200人以上に直に会って肌で感じます。
そうしてM1層はどのようなものを求めているのか、そもそも求めているのか、というところから考えています。

その結果出た、M1層の見立てはお見事の一言。
私自身、M1層にひっかかっていますが、個人的には大部分が当てはまっていると思います。

そのM1層への理解という面で突出し、読まれる環境まで想定して絞った結果、

プロジェクトが立ち上がってから、R25としてGO!が出るまで、猛烈な忙しさと大変さだったと思いますが、文体からはそれを感じません。
淡々と書いている印象。
実際は嵐だったとしても、文体がそのような感じのため読む側としては冷静に、静かに読むことができました。

この文体がなぜか非常に印象に残りました。
編集者さんなので言葉に対して敏感なのでしょうか…
このあたりは、同じ編集を経験されている方同士のせいか「クラウドコンピューティング入門」を書かれたHeartLogicの小林さんに近いものを感じます。

あと気になったのは、どのようにしてM1層に対して「イタコ化」までできるほど理解できたのか。
本書の内容とは離れるのでそれほど詳しくは書かれていませんが、本書内で書かれている「インサイトを理解」がなぜ成功したのかについてもっと知りたいところです。

本書内で著者が書いているとおり、プロジェクト自体というよりは、R25というメディアを編集の観点でどのように立ち上げ、形にしていったのかが本書のテーマです。
そのような構成にしたところに編集者としての著者のスタイルや考え方が伺えます。

その一方で、R25を新規事業として立ち上げた2人(現ライブドアの田端信太郎氏と小林大輔氏とどのように役割分担をし、協働していったのかにも非常に興味があります。
そのあたりもいつか伺えれば、と。

とはいえ、荒野のように何もなかった場所を開拓するヒントが多数盛り込まれており、面白い一冊でした。

◆気になったポイント◆
新聞より親近感があって、インターネットよりも信頼感がある。そんな独特のボジションを、R25は獲得することができたのかもしれません

つまり、そういうブランディングに成功したのであり、フリーだから、という理由だけではないということですね。
同時にそのポジションのメディアが求められていた、ということでもあると思います。
クロスメディアプロモーション

R25というブランドを使い、まだまだこれから様々な形でこのクロスメディアプロモーションを仕掛けてくるのだと思います。
今後の展開が楽しみです。
コンテンツを軸とした成功モデルはあるはずです。
おそらく答えはWebやモバイルの世界にあるのではなく、リアルとの接続にあるのではないかと思っています。

今後のR25の方向性を示唆しているかと。
「合気道っぽい」スタイル、感覚

「制約を逆手にとって面白いことをしていたりする」ということの例えとして使われていました。
著者はこの例えが上手な方だな、という印象がありました。

◆オススメしたい方◆
・R25のファンの方
・R25に興味がある方
・新しいものを作り出すことに興味がある方
・編集の仕事に興味がある方
・メディアに興味がある方
・プロジェクトの立ち上げに興味がある方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(日本経済新聞出版社HP内)
・R25.jp
・TABLOG(田端信太郎氏ブログ)

■関連過去エントリ■
・[Book]タクシー王子、東京を往く。―日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」
・[Book]P&G式 世界が欲しがる人材の育て方
・[Book]祖母力 うばぢから オシムが心酔した男の行動哲学




posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月20日

[Book]黒猫館の殺人

黒猫館の殺人 (講談社文庫)(講談社、著者:綾辻行人)
黒猫館の殺人 (講談社文庫)
綾辻 行人
講談社
売り上げランキング: 226607
おすすめ度の平均: 3.0
2 う〜ん・・・・
4 最後に「してやられた!」
3 黒猫館には猫はいる?
3 ちまちまとした間違い探し
4 館シリーズのターニングポイント

◆概要&感想◆
毎度毎度のことですが、よくもまぁこんな仕掛けを思いつくものです。
今回もまんまとやられてしまいました。
多くを書けないのが辛い…

次作は第7弾「暗黒館の殺人」です。

■関連過去エントリ■
・[Book]時計館の殺人
・[Book]人形館の殺人
・[Book]迷路館の殺人
・[Book]水車館の殺人
・[Book]十角館の殺人



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月19日

[Book]敗者復活

敗者復活(幻冬舎、著者:サンドウィッッチマン)
敗者復活
敗者復活
posted with amazlet at 09.04.16
サンドウィッチマン
幻冬舎
売り上げランキング: 145075
おすすめ度の平均: 5.0
5 非常に面白く、感動的です!
4 若者たちが夢をかなえる道程を読むのはやはり楽しい
5 面白かった!
5 不器用だけど男らしい二人の青春記
5 死が二人を分つまで

目次
プロローグ 敗者って何だ?
伊達少年、富澤少年。
出会った。
高校卒業、僕たちは別々の道を歩き出した。
ついにコンビ結成。
家賃6万8000円、男ふたりの同棲生活。
サンドウィッチマン、最大のピンチ。
ついに、かすかな光。
まさかの敗者復活。
夢の決勝の晴れ舞台。
M‐1直後の嵐。
これから。
あとがきいかえて―みー君への約束!!
amazonから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・M-1王者はどのように考えて戴冠にたどり着いたのか?

◆本書を一言で表すと◆
・サンドウィッチマンの2人それぞれが描くこれまでとM-1とこれから

◆概要&感想◆
面白かったです。
本書のスタイルは、サンドウィッッチマンの伊達さんと富澤さんがそれぞれ「これまで」、「M-1」、「M-1優勝後」で感じたことを綴っています。

読んだ感じでは恐らくお互いの原稿をある程度見せ合いつつも独立して書いていたようで、1つの出来事について2人の視点で書かれています。
2人のお笑いや人生に対するスタンス、考え方といったものが表れていています。

下積み時代の話もよいですが、やはり面白いのはM-1についての箇所。
M-1に準決勝で2年連続散ったところから、一気に2007年敗者復活して決勝でも優勝への下りのスピード感は素晴らしいです。

やはりこの箇所ではお二人も筆に熱がこもっている感じがします。
同時に、特に富澤さんの冷静さには舌を巻きます。

特に、自分達を漫才コントのコンビと認識した上で、M-1でいかに勝つのかを非常に冷静に、かつ緻密に分析して戦略を練っています。
本当に計算し尽くされているという感じで、まるで軍師のようです。

微は細部に宿る、と言いますが1本のネタ、決められた尺の中でどれだけムダを省き、どこでお客さんの心(耳)を掴み、笑いを取るのか。
詳細までは明かされていませんが、存分に考え、練りに練っていることが十分伝わってきます。
恐るべし、です。

そして相方である伊達さんがそれを表現する、と。
2人のバランス、相性がいいことも非常に伝わってきます。

基本微笑ましい本なのですが、ところどころにキレや凄みのようなものが伝わってきます。
そのキレや凄みの部分がたまらない一冊でした。

◆気になったポイント◆
大事なのは、小さな積み重ね。

伊達さんの思うこと。
でも最も必要なのは、”気持ち”だ。

富澤さんの思うこと。
お二人がたどり着いたものは、決して特別なものではありませんが、経験を経ているだけに重みがあります。
最後の「これから」のパートを読んでもお二人はこれからも変わらないんだろうなぁ、と思います。

◆オススメしたい方◆
・お笑い好きの方
・M-1好きの方
・真っ正直な文章が読みたい方
・お笑いがどこまで考えられているのかに興味がある方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(幻冬舎HP内)
・サンドウィッチマン公式サイト
・名前だけでも覚えて帰ってください(サンドウィッチマン 富澤たけしオフィシャルブログ)
・もういいぜ!(サンドウィッチマン 伊達みきおオフィシャルブログ)
・サンドウィッチマンがM-1でしたこと(サンキュータツオ教授の優雅な生活)

■関連過去エントリ■
・[TV]R-1グランプリ2009
・[TV]M-1グランプリ2008



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月18日

[Book]葡萄酒か、さもなくば銃弾を

葡萄酒か、さもなくば銃弾を(講談社、著者:手嶋 龍一)
葡萄酒か、さもなくば銃弾を
手嶋 龍一
講談社
売り上げランキング: 95648
おすすめ度の平均: 3.0
3 鋭さにかける
4 孤影に対しても時に矢を放つ必要があるということ
4 政治の世界での隠された側面を絡めた人物評として印象的
3 大げさなタイトル
2 拍子抜け

目次
プロローグ 二人の晩餐
1 遥かなりホワイトハウス
2 政治のなかの生と死
3 姿なき交渉者たち
4 外交という戦場
5 日米同盟の光と影
6 超大国に抗いし者
エピローグ 月下美人―若泉敬

◆この本に登場する主な人物
大統領への永い道……バラク・フセイン・オバマ
二人のファーストレディ……ヒラリー・ローダム・クリントン
ベトナムから還ってきた男……ジョン・マケイン
敗れざる者……ビル・ブラッドレー
赤い曳光弾……ヘルムート・コール
手術室のジョーク……ロナルド・レーガン
ハイアニス・ポートの孤高……ジョン・F・ケネディ
三十年の平和……ヘンリー・キッシンジャー
帰りなんいざ……戴秉国
昼行灯のひと……谷内正太郎
冷たい戦争の意志……ジョン・フォスター・ダレス
冷や飯のひと……麻生太郎
裏切りの季節……コンドリーザ・ライス
プレスリー同盟……小泉純一郎
矜持なき者の挫折……クリストファー・ヒル
イラクへの道……ドナルド・ラムズフェルド
隠れゴーリスト……小沢一郎
昨日の理念……安倍晋三
日米同盟の遠心力……福田康夫
月下美人……若泉敬 ほか
amazonから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・政治に関わる人々についての見立てが一般とどのように違うのか?

◆本書を一言で表すと◆
・インテリジェンスの専門家が描く政治の世界に生きる(た)29人

◆概要&感想◆
本書は、「ウルトラ・ダラー」の筆者である手嶋氏が、政(まつりごと)の世界に生きている(た)29人について、自身の見立てや、これまでに得た情報を元に綴った一冊。

率直に言って知らないことだらけでした。
同時に自分が知っていると思ったことは本当に物事の一面でしかなく、見えている場面が全てではないことを改めて感じました。

同時に、伝達のされ方やイメージによってものの見方は制限されること、見る人によって同じものを見てもまるで解釈は変わることもわかりました。

その最たる例が、麻生首相(2009年4月時点)の例でしょうか。
正直、本書にあるような麻生首相の外相時代の動きは全く知りませんでした。
知っていたとしてもその動きの持つ意味を分かっていたかは別ですが。。

自分は見ているようで、それは特定のマスコミというフィルターを通していたこと、そしてそれが全てではないことがよくわかりました。

もう1点読んでいて興味深かったのは、本書内での日ロ関係に関わる点。
領土問題は、光に満ちているべき日ロの将来に暗い影を落とし、日ロ関係を隘路に追い込んでいる。両国はこうした現状に甘んじるのか、それとも互譲の精神で日ロの喉元に刺さった棘を抜く勇気を持つのか。それがいまこそ問われている。

上記主張ですが、以前エントリした「ロシア・ショック」内の主張と非常に似通っています。
少なくとも大前氏と手嶋氏のお二人が今日本が外交の世界でやるべきこととして考えていることは似通っているのだな、ということがわかります。

とかく日本国内での話題に目を奪われがちではありますが、同時に世界のレベルで考えてみると、U本をとりまく現在の情勢は非常に際どいところにあり、大きな岐路に立っていることがわかります。

そういう意味でも本書にあるような「政」や「外交」といった視点を持つことも大切ですね…

もっともそれとは別に本書に出てくる29人についての描写は非常にそそられます。
いずれも自分の立場だけでなく、国というものを背負った人物であり、それぞれの理を持っていることが伝わってきます。

インテリジェンスに絡む記載が多いあたりはさすがですが、話が話だけにやはり冷戦時代や90年代が多い印象。
私の勉強不足もあって、正直知らない方もいますが、それでもワクワクしながら読んでしまいました。

惜しむらくは、一編あたりが短めなこと。
個人的には、ヘルムート・コールやロナルド・レーガン、ジョン・F・ケネディらの話はもっと読みたいと感じました。

同時に、どの話も複眼的に書かれていますが、手嶋氏の見立てのようなものがもっとみられるとなお良かったかもしれません。

ただ、なかなか自分では持てない視点であることは間違いのない話ばかり。
歴史や外交についてもっと勉強しなければ、と思わせられた一冊でもありました。

◆気になったポイント◆
政治の世界は結果責任なのである。
どれほど純粋な動機で取り組んでも、結果として国益を損なってしまえば、一国の指導者はその責めを負わなければならない。

…そのとおりだと思います。
歴史に立派に刻まれたいと願う戦略家たちの野心を軽く見てはならない

政治家の統治のスタイルを知りたければ、彼が尊敬する歴史上の人物を尋ねればいい、といわれる。

選挙で有権者から政治権力を委ねられた者は、ひとたびは選挙民の意向を離れても、自らの良心と信条に従って政治決断を敢然と行わなければならない。
その結果は次の選挙で有権者の審判を仰ぐ。

「政」に関わる話として、いずれも非常に興味深い指摘だと思います。

◆オススメしたい方◆
・インテリジェンス、外交、安全保障に興味がある方
・第二次世界大戦後の近代史に興味がある方
・「政治」の世界に興味がある方
・政治家や外交官に興味がある方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(講談社HP内)
・『葡萄酒か、さもなくば銃弾を』(手嶋龍一オフィシャルサイト)
・手嶋龍一オフィシャルサイト(著者公式HP)

■関連過去エントリ■
・[Book]ウルトラ・ダラー
・[Book]インテリジェンス 武器なき戦争
・[Book]ロシア・ショック



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月17日

[Book]チーズの値段から未来が見える

チーズの値段から未来が見える(祥伝社、著者:上野 泰也)
チーズの値段から未来が見える
上野 泰也
祥伝社
売り上げランキング: 111167
おすすめ度の平均: 4.0
4 経済予測のプロが未来予測の方法を教えてくれる
5 読むべき価値は大いにあり
4 「速い」「安い(コンパクト)」「上手い」!
5 経済の見方に関するフレームワーク
5 正攻法の経済予測を勧める

目次
第1章 経済は誰が動かしているのか?
・経済の「主役」は自分である
・「経済を見る眼」を養う
・庶民の実感が、プロをしのぐ――チーズの値段と日本経済の関係
・軸となる考え方を身につけることの重要性

第2章 経済を見ていく基礎知識
・経済シナリオ構築に必要な4つのポイントとは?
・日本経済「3つの特徴」
・経済を見ていく基礎1 景気――経済の「牽引役」はなにか
・経済を見ていく基礎2 物価――根強いデフレ圧力と「悪い」物価上昇
・経済を見ていく基礎3 財政政策――拡張か? 緊縮か?
・経済を見ていく基礎4 日銀の金融政策――その特徴と金利のメカニズム
・経済指標をどう読むか――予測の基礎ツールを使いこなす

第3章 チーズの値段から未来が見える――日常生活からわかる経済
1 消費者の目線で経済をみる
2 なぜ地域によってタクシーの初乗り運賃が違うのか?
3 チーズの値段から未来が見える
4 ハンバーガーの値段比較にみる通貨の強弱
5 1円玉は必要ない?――日本人の「金銭感覚」と消費税のゆくえ
6 企業トップの「年頭所感」で読む日本の景気
7 勝率8割! ドル/円相場を予測する「1月効果説」
8 ゴールデンウィーク・お正月の人出と景気・株価の関係
9 「団塊の世代引退で消費急増」説は本当か?
10 公務員志望者数と景気の関係
11 揺らぐ日本経済の「土台」――景気回復を感じられない中小企業の実態
12 マーケットの核心を突く「小泉語録」と歴代内閣の「成績」
13 コメと小麦の価格動向から読みとく物価の動き
14 七五三で考える企業の「価値創造」

第4章 エコノミストが教える「予測」の技術
・予測力を鍛える「3つのステップ」
・ステップ1「情報収集」――いかに効率よく材料を集めるか
・「裏ネタ」を知る必要はない
・ステップ2「フィルタリング」――本当に必要な情報を見極める
・情報整理はテーマ別より時系列で
・データ入力は必ず自分の手でする
・ステップ3「シナリオ構築」――集めた情報をいかに組み立てるか
・4つのポイントの組み合わせとシナリオ構築の「コツ」
・日本経済シナリオの骨格をどうつくるか

第5章 実践!「予想」の練習問題
【初級編】
Q1 お盆や年末年始の宿泊料金が高い理由は?
Q2 高級ホテルの休日宿泊料が直前に安くなるのはなぜ?
Q3 インターネット上の価格情報は物価にどう影響するか?
Q4 原油上昇でクリーニングの値段を上げるべきか?
Q5 イベントの経済効果は本当か?
Q6 企業が儲かれば株価は必ず上がる?
【応用編】
Q7 日本株の「出遅れ感」は正しいか?
Q8 米雇用統計の強弱を「星取表」から予想する
Q9 米同時テロ事件の経済的影響はどの程度だったか
Q10 中国の「米国債・ドル大量売却」説は本当?
amazonから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・エコノミストはどのような切り口で世の中を見ているのか

◆本書を一言で表すと◆
・日々の生活の中から世の中と経済を見るための指南

◆概要&感想◆
気鋭のエコノミスト(エコミストランキング6年間連続1位だそうです)による、世の中と経済の見方を指南する一冊。
エコノミストとしてどのように世の中を「予測」しているのか、その技術についてと実際の見方について書かれています。

このように書くと難しい本のように見えますが、本書の視点は特別なことではなく、一貫して生活の中から世の中や経済を見ることの重要性とその方法について。

そのあたりのお話が、具体的な話として第1章と第3章に特に集約されています。
第1章で、一人一人が経済的な感覚、自覚を持つことの重要性と、普段の実感の意外な(?)正確性に触れています。

考えてみれば、私たち一人一人の経済活動の集大成が経済全体になるわけで、普段忘れがちではありますが、その私たちの実感というのは思っている以上に経済の先行きに影響を及ぼしているのかもしれません。

まして、これだけクチコミなどの人の思いが伝わりやすい世の中。
発言力が強い人が、ごくごく普通に生活しています。
ムードの伝播力というのは侮れないことを考えても、私たち自身が経済を一部の世界の話として見るのではなく、私たちが動かせる対象として見る必要があるのだと思います。

第3章では、エコノミストが教える「日常から経済を感じる」具体例。
表題にあるチーズの値段、ビックマックの価格比較、公務員の志望者数、GWやお正月の人出などと経済の関係をわかりやすく解説しています。

この難しいことをわかりやすく説明している点とその語り口、先日のエントリ「[Book]クラウドコンピューティング入門 (できるポケット+)」の小林さんに通ずるものがある気がします。

ともかくアレルギーが出やすい経済絡みの内容をこれだけ平易に書かれていることに驚きです。

第2章と第4章では具体的なエコノミストの技術についての紹介。
いずれも覚えておくことでニュースに接したり、新聞を読む際に考える糸口になる点ばかり。

経済について考えるとっかかりとしても良いと思います。
予測に必要な4つのポイント
景気 経済の「牽引役」はなにか
物価 根強いデフレ圧力と「悪い」物価上昇
財政政策 拡張か? 緊縮か?
日銀の金融政策 その特徴と金利のメカニズム

特にこの予測に必要な4つのポイントについて着目していると大きな経済の流れが掴めると思います。
一種のフレームワークとも言えるかもしれません。

この4つのポイントをフレームワークとして持つことで、経済ニュースに触れた折にもそれぞれの要素にどのような影響を及ぼすのか、などの考えるためのモノサシができるかと。

日々の経済の動きについて考えられるようになるための土台作りに一役買う一冊だと思います。

◆気になったポイント◆
庶民の実感が、プロをしのぐ

決して遠い世界の話でなく、身近な話なのだということですね。
日本経済の「3つの特徴」
輸出主導
根強いデフレ圧力
格差型景気

日本経済を把握する上でカギとなる3つの特徴。
それぞれわかりやすく解説されています。
経済指標を見る上での3つの注意点
(1)矛盾する指標の読み方
(2)時系列による指標の読み方
(3)ミクロとマクロの違い

「予測」3つのステップ
情報収集
フィルタリング
シナリオ構築

本書では3つのステップ、特徴、4つのポイントとうまく焦点を絞って示した上で、それぞれについて説明がなされる、というスタイルを取っています。
このあたりもわかりやすく、すんなり入ってくるポイントの一つかと。
経済は「素直」であり、「ひっかけ」はない。

何度か出てくる表現。
著者の信念の一つなのかな、とも思いました。

見る側が様々な見方をするので、結果的に「ひっかけ」られることはあっても、経済自体がひっかけようとしているわけではない、ということですね。
データ入力は必ず自分の手でする

手で入力したデータは忘れにくく、印象に残る、とのこと。
手を動かすことで得られるものがあるという点は覚えておきたいな、と。
景気に関連する事象には上振れ・下振れが常につきまとうことを念頭に置いて、物事を見るようにしている。人間のやることなのだから、好調なときには楽観論の行き過ぎが、不調なときには悲観論の行き過ぎが起こりやすい。

人の心理と経済(景気)は無関係ではなく、むしろ作用し易いことを示唆しています。
このあたりは大前研一氏が良く言っている心理経済学に通じるものがありそうです。

◆オススメしたい方◆
・経済の見方についてわかりやすく書かれた本を読みたい方
・エコノミストに興味がある方
・日常と経済の関係に興味がある方
・トップエコノミストの著者上野氏に興味がある方
・経済を見るためのフレームワークを身につけたい方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(祥伝社HP内)

■関連過去エントリ■
・[Book]すべての経済はバブルに通じる
・[Book]投資銀行青春白書



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月16日

[Book]クラウドコンピューティング入門 (できるポケット+)

できるポケット+ クラウドコンピューティング入門 (できるポケット+)(インプレスジャパン、著者:小林 祐一郎)
できるポケット+ クラウドコンピューティング入門 (できるポケット+)
小林 祐一郎 できるシリーズ編集部
インプレスジャパン
売り上げランキング: 25115
おすすめ度の平均: 3.5
4 ユーザの視点からクラウドを知る
3 クラウドが図解つきで解説されている初心者向けの書
3 実用的で悪くない。今から使える「クラウド」って感じでしょうか。

まえがき
目次

第1章 「クラウドコンピューティング」とは何か
1 「パソコン&ソフト」から「サーバー&サービス」へ <クラウドコンピューティングとは1>
2 サーバーが巨大で実体の見えにくい「雲」になる <クラウドコンピューティングとは2>
3 多彩なデバイスがクラウドコンピューティングを加速する <クラウドコンピューティングとは3>
4 クラウドコンピューティングを提供するさまざまなサービス <クラウドコンピューティングの事例>
5 クラウドコンピューティングを体験するには <クラウドコンピューティングの準備>
Column サーバーとデバイスは「ニワトリと卵」

第2章 Googleで体験できるクラウドサービス
6 Googleの主要サービスと対応デバイス <Googleのサービスでできること>
7 進化するメールサービス「Gmail」を使うには <Gmailの新規登録と基本機能>
8 Gmailとメールソフトを複数のデバイスで活用するには <アカウントの追加とPOP/IMAPの設定>
9 文書の共有機能に優れた「Googleドキュメント」を使うには <Googleドキュメントの基本機能>
10 常に最新の予定を共有できる「Googleカレンダー」を使うには <Googleカレンダーの基本機能>
11 自由にカスタマイズできるページ「iGoogle」を使うには <iGoogleの基本機能>
12 携帯電話やiPhoneからGoogleのサービスを利用するには <モバイル版の基本機能>
13 新しいパソコンを「1分」でセットアップする方法 <Webサービス利用環境のセットアップ>
Column 「情報」中心のコンピューティングへ

第3章 Windows Azureとマイクロソフトのクラウド戦略
14 「ソフトウェア+サービス」と3つのキープロダクト <マイクロソフトの主要サービス>
15 Microsoft Office Liveと次世代Officeの展望 <マイクロソフトのビジネス向けサービス>
16 総合オンラインサービス「Windows Live」を始めるには <Windows Liveの新規登録と利用準備>
17 「Windows Live」で写真を友達と共有するには <Windows Liveフォトギャラリーの基本機能>
Column マイクロソフト VS. Google クラウド対決のシナリオ

第4章 アップル、ソニーと海外Webサービスのアプローチ
18 「ワイヤレスで同期」するアップルのシンプルな提案 <アップルの主要サービス>
19 デバイスメーカー、ソニーが打つクラウド時代への布石 <ソニーの主要サービス>
20 フリーソフトにも波及するクラウド化の流れ <海外の主要サービス>
Column デバイスを使うことの「価値」はどこへ?

第5章 セールスフォースとヴイエムウェアの企業向けクラウド
21 クラウドでコスト削減・スピード向上が実現する理由 <ビジネス分野での主要サービス>
22 業務ソフト市場を席巻するセールスフォースの「凄さ」 <セールスフォースの主要サービス>
23 「Salesforce CRM」を無料で試すには <Salesforce CRMの基本機能>
24 サーバーを「仮想化」する仕組みとメリット <仮想化とは>
25 仮想化ソフトウェアの先駆者 ヴイエムウェアの強み <ヴイエムウェアの主要サービス>
Column 馬車から自動車へ、自社サーバーからクラウドへ

第6章 クラウド時代のセキュリティと今後の展望
26 「手軽さ」と「情報の重要性」のバランスを意識 <個人利用での危険性と対策>
27 セキュリティとコンプライアンスの両面が重要 <企業利用での危険性と対策>
28 普及のカギを握るビジネスモデルと意識の変化 <クラウドコンピューティングの展望>
Column すべてが「クラウド化」するわけじゃない!?

付録 覚えておきたい類語・関連語
ミニ用語集
索引
Impress Japanから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・専門家が見るクラウドコンピューティングとは?
・難しいことをわかりやすくシンプルに説明するには?

◆本書を一言で表すと◆


◆概要&感想◆
[N]X[S]ブログデザイン勉強会でご一緒させていただいている小林さん(Heartlogic)から著書である「できるポケット+ クラウドコンピューティング入門」をいただきました!
ありがとうございます。

いただいたからにはエントリしないわけにはいかない、ということで書かせていただきます。

一読して、自分が何となくわかっていたつもりだった「クラウド(コンピューティング)」についてピシッとパズルのピースがきっちりハマった感じとでもいいましょうか。
色々抜け落ちていたクラウドについてがよくわかりました。
特に第3章と第5章あたりは完全に置いていかれていることがよくわかり、不勉強を猛省…

本書のメインターゲットは、「クラウドってよく聞くけど何?」とか「クラウドについて勉強してみたいんだけど」といった方々だと思いますが、「クラウドわかっているけど人にキチンと教えられるかと言われると…」といった方にもぜひ、という感じです。

何よりネタフルのコグレさんもエントリで書かれていますが、ホントわかりやすい文章です。

以前にも書いた記憶がありますが、難しいことをわかりやすく説明することほど難しいことはないわけで…
ましてクラウドのような形ある物ではなく、概念的な話であればなおさら。
ポイントの絞り方とまとめ方、出し方が的確でムダなく、ムリもないからなんでしょうか。

文章自体も語りかけるような文章とでも言うのでしょうか。
穏やかに理解しながら読み進めることができます。
私もこんな風に書けるようになりたい…

また、本書は実践を進める書でもありますので、実際にクラウドコンピューティングの世界への扉を開く助けとするにも良いかと。
抵抗なく扉を開けることができると思います。

さらに個人的に良かったのは各章終りに書かれている6つのColumn。
サーバーとデバイスは「ニワトリと卵」の関係でいたちごっこで進化してきた、とかマイクロソフトvs.Googleの対決4ステージの展望だとか、「情報」が中心となることでデバイスなどに与える影響だとかがわかりやすく書かれています。

どれもが小林さんの語りかけで優しくポイントを絞って書かれているので読んでいて心地良いです。
クラウドについてすんなり溶け込める一冊でした。

◆気になったポイント◆
世界規模の「超巨大な1台」と見なすことができるサーバー群の処理能力を、あなたのビジネスに合わせて 「切り売り」します――。これがクラウドコンピューティングの発想です。

「切り売り」とう表現が絶妙です。
新しいデバイスの登場は、新しい使い方も生みます。
クラウドコンピューティングはデバイスの進化が求めた、とも考えられるわけです。

頷きながら読んだ箇所。
すべてがクラウド化することはないし、する必要もありません。
その線引きは、個人や周囲の事情によって変わります。
まずは興味のあるところ、「不便だなぁ」と感じているところから試してみましょう。

クラウドへのアプローチの言葉として、ピッタリはまっていると思います。

◆オススメしたい方◆
・クラウドってよく聞くけど何?という方
・クラウドについて勉強してみたいという方
・Google、Microsoft、Apple、セールスフォースって今何をやっているの?という方
・最近のIT業界のトレンド、今後の展望をわかりやすく知りたい、という方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(インプレスジャパンHP内)
・Heartlogic(著者 小林祐一郎さんブログ)
・小林祐一郎「できるポケット+ クラウドコンピューティング入門」(ネタフル)
・[review] できるポケットプラス クラウドコンピューティング入門(creazy photograph)

■関連過去エントリ■
・[Book]情報力
・[Book]プラネット・グーグル



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月14日

[Book]PLUTO 7 (ビッグコミックス)

PLUTO 7 (ビッグコミックス)
PLUTO 7 (ビッグコミックス)
浦沢 直樹
小学館
おすすめ度の平均: 4.5
4 面白いね
5 地球が壊れる・・・手塚先生の心の奥底
5 浦沢直樹の漫画ならではの表現力
3 アトム世界の未来には、希望に伴う危険性とか犠牲が無いと…
5 プルートウの悲しみ、天馬博士の悲しみ

◆概要&感想◆
現在連載中の中では「GIANT KILLING」と並んで楽しみにしているPLUTOの第7巻。

主に悲しみという人の感情が非常に丁寧に描かれています。
そしてやっぱりストーリーに引き込まれます。

連載では読んでいなかったので知らなかったのですがそしてあと1巻で終わりなのですね…
この至福の時が終わるかと思うと少し寂しい。。

原作鉄腕アトムの1エピソードですから、8冊になれば十分スゴイのですが。
未読の方は6月下旬に出る8巻で完結してから読むのが良いかと!

個人的には何というか読むと心が静かになるようなそんなマンガです。
ヨーロッパ(イングランド地方)の田舎にある霧に包まれた湖のような感じ。
特にこの7巻は。

ちなみに全然関係ありませんが、個人的に浦沢直樹作品の中では、「MASTERキートン」がぶっちぎりです。
未読の方はこちらもぜひ!!
MASTERキートン (18) (ビッグコミックス)
勝鹿 北星 浦沢 直樹
小学館
おすすめ度の平均: 5.0
5 感動的ラスト
5 とても完成度の高い作品だけど、僕は4.5点で。
5 本棚に揃えたい一品
5 夢を掘る人
5 国民的必読書!

◆オススメしたい方◆
・まだPLUTOを読んでいない方
・浦沢直樹作品のファンの方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(ビッグコミックHP内)

■関連過去エントリ■
・[Book]GIANT KILLING 9 (モーニングKC)



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[Book](プルーフ版)天才! 成功する人々の法則

(プルーフ版)天才! 成功する人々の法則(講談社、著者:マルコム・グラッドウェル、訳:勝間和代)
天才!  成功する人々の法則
マルコム・グラッドウェル
講談社

◆概要&感想◆
少し前ですが、マインドマップ的読書感想文さんのブログを拝見していると「【速報】勝間さんの翻訳するマルコム・グラッドウェルの新刊のプルーフ(見本)がもらえる件【ブロガー対象】」というエントリが。

応募条件はただひとつ、「本書の発売日(現時点では5月12日ごろを予定)ころまでに、書評。感想をブログに載せる」とのこと。
早速応募してみたところ、届きました、新刊のプルーフ!
というわけで以下にプルーフを読んだ時点での感想を。

まず、恥ずかしながら私、マルコム・グラッドウェル氏の著書をまだ読んだことがありません。
急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則
第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい
ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか
など読んでみようとは思っているのですが、まだ未読状態。

なのでちょうど良い機会かな、と思ったのがこのプルーフに応募してみようと思ったきっかけ。
もう1つは、たまには明確な目的があるエントリもいいかな、と。

プルーフ自体は、本書から「序章」「第1章」「第2章」を抜粋したもの。
プルーフを見る限りでは、内容を説明するためのデータなども多用されているようで読みやすかったです。

本書の内容ですが、プルーフについてきたチラシから抜粋させていただくと、以下のとおり。
その内容を一言で言えば「成功」の要素を"個人の資質"だけでなく、周囲の環境や文化的な側面から考察した、いわば、「21世紀の新・成功論」です。

本書は勝間和代さんによる翻訳で、原題は「Outliers」。
Outliers(アウトライアー)についての説明も、チラシから抜粋。
アウトライアーとは……統計用語の「外れ値」。中心やその近くの集団から、著しくかけ離れた地点や、まったく異なる分類に位置する存在のこと。本書では、「ある時代、ある人々の中に突然現れる、傑出した天才や成功者」を指している。

原題にもあるとおり、本書はこのアウトライアーが内容の中心になってきます。
といってもアウトライアー自身に目を向けるのではなく、アウトライアーをアウトライアーたらしめたのには、本人とは別に何か要因があるのではないか、ということに着目している本です。

アウトライアーにはもちろん才能があり、努力もしているのは間違いのないところですが、それだけではない、というのが本書の主張(のようです)。

まず、チャンスが訪れるようなバックグラウンドがあり、そのチャンスにうまく乗っかることができたことによって、成功することができた。
アウトライアーとなるための素地が本人の意思や存在とは別のレベルで整っていた、ということ。

必ずしも努力すれば報われる、というわけではなく、それも環境があってこそ、というのがこのプルーフ版の内容でした。

となるとこの先、本書がどのように展開されていくのかも気になるところ。
いくつか予想してみると以下のような感じでしょうか。
・一心不乱にただただ努力をするのではなく、チャンスを見極めることが重要
・チャンスが訪れるような行動をしたり、環境を整えることを怠ってはいけない
・自分がチャンスを得ることができる分野、フィールドに場を移して努力すべし

少なくともただ努力しても無駄、といったような帰結の仕方はしないと思いますが…
個人的には、漫画の「はじめの一歩」で、トレーナーの鴨川会長が主人公である幕之内一歩愛弟子の鷹村(一歩と書いていましたが、私の勘違いでした。ご指摘いただきましたsmoothさんありがとうございました!)に贈った次の言葉につながるような内容かな、などと勝手に考えています。
努力した者が全て報われるとは限らん。 しかし、成功した者は皆すべからく努力しておる!!


人によって本書の内容の真偽の是非はあるかと思いますが、ものの見方としてこういった見方があるというのを抑えておくだけでも十分に意義があると思います。

私自信にとって本書の内容がどうなのかはまだわかりませんが、視点としてちょっと変わっていると思いますし、結論も気になるので発売後読んでみたい本です。

原著はコチラ。
Outliers
Outliers
posted with amazlet at 09.04.10
Malcolm Gladwell
Little, Brown and Company
売り上げランキング: 367
おすすめ度の平均: 4.0
4 やや単純な帰結という印象。でもとにかく面白い!!
5 成功要因=成功者自身の周辺環境や時代背景が幾つか重なった結果....
4 新鮮な切り口
4 社会現象に好奇心を抱く人に向いている本

その他のマルコム・グラッドウェル氏の著書。
急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫 ク 2-1)
マルコム・グラッドウェル
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 247
おすすめ度の平均: 5.0
5 《マーケティング》の聖典。
5 話の筋が通っていると思います。マインドマップに落とすことがおすすめかも、です。
5 繰り返しが粘りになる
5 「バイラルマーケティング」の原理・原則本。ぶっちゃけマストバイです!
5 予想に反して科学的

第1感  「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい (翻訳)
M・グラッドウェル
光文社
売り上げランキング: 1519
おすすめ度の平均: 4.0
4 読んで、直感のすごさを納得しました。
4 ちょっと中途半端な印象の本だった。
4 内容は素晴らしいが翻訳が残念
4 少ない情報で判断することを説明
4 いい加減の本のような題名のしっかりした本

ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか
マルコム グラッドウェル
飛鳥新社
売り上げランキング: 4685
おすすめ度の平均: 4.0
4 A little book, a big idea
4 知見まで昇華している”爆発的拡大”の力
3 バタフライ効果
4 Kind of a Take Like Freakonomics
5 The Hard Part Is Choosing What To Do First

◆オススメしたい方◆
・成功への法則を知りたい方
・変わった視点を身につけたい方
・マルコム・グラッドウェル氏のファンの方
・勝間和代さんのファンの方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(祥伝社HP内)
・天才!成功する人々の法則 プルーフプレゼント(講談社BOOK倶楽部内)
・【速報】勝間さんの翻訳するマルコム・グラッドウェルの新刊のプルーフ(見本)がもらえる件【ブロガー対象】(マインドマップ的読書感想文)
・私的なことがらを記録しよう!!(著者勝間和代氏公式ブログ)
はじめの一歩(講談社BOOK倶楽部内)

■関連過去エントリ■
・[Book]私をつくった名著 人生を変えた1冊 黄金のブックガイド
・[Book]10年後あなたの本棚に残るビジネス書100
・[Book]史上最強の人生戦略マニュアル



posted by Guinness好き at 08:00| Comment(2) | TrackBack(1) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月12日

[Book]虹を操る少年 (講談社文庫)

虹を操る少年 (講談社文庫)(講談社、著者:東野圭吾)
虹を操る少年 (講談社文庫)
東野 圭吾
講談社
売り上げランキング: 52783
おすすめ度の平均: 4.0
3 東野圭吾が描くSFもの
3 革新と旧弊、少年と大人の終わることなき戦い!?
3 リズムの違い
5 面白い
4 光と共に

◆概要&感想◆
東野圭吾さんの本ですが、本書はちょっと実験的な(?)一冊かと。
ミステリーというよりはSF色が強いですね。

一風変わった感じですが、その筆の冴えはさすが。
そもそものコンセプトがなぜそこに着眼?!というもの。

ホント、色々考えますね…

ストーリー物なので、犯人がどう、という作品ではなく、メッセージ性の強い作品かと。
東野さんの場合はどんな作品でも面白く読めてしまうのがスゴイところです。

ちなみにあとがきは、今個人的に注目している井上夢人氏。
2人は興味の方向性が似ているのだとか。
これはますます井上夢人さんの作品も読まなければ…

■関連過去エントリ■
・[Book]天使の耳
・[Book]ガリレオの苦悩
・[Book]夜明けの街で
・[Book]流星の絆



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月08日

[Book]クラインの壺 (講談社文庫)

クラインの壺 (講談社文庫)(講談社、著者:岡嶋 二人)
クラインの壺 (講談社文庫)
岡嶋 二人
講談社
売り上げランキング: 101574
おすすめ度の平均: 4.0
5 仮想現実の世界を体験するというゲームのおもしろさに惹き込まれた
3 時間の流れ
4 じわじわと現実を侵食するような感覚!
5 空想と現実
5 Moebius’s trip

◆概要&感想◆
「岡嶋 二人」さんという名前をよく目にしていたので、読んでみたいと思っていました。
代表作は「クラインの壺」らしいので手に取ってみましたが…

なんとこれが最終作なのですね。。
元々コンビ(なので岡嶋「二人」)で執筆をされていて、コンビ解消後の現在は「井上夢人」さんのみが執筆活動を続けているとか。

最初に読んだ作品が、最終作というのもなんですが…
それ以上に驚いたのは本作が書かれたのが1989年だったということ。

非常に斬新かつ新しい…
当時リアルタイムで読んでいれば間違いなく絵空事としてしか考えられないのでは、と。

もちろん今でも実現していまに世界の話ですが、当時と比べれば遙かに実現に近いと思います。
この話を1989年に考えついたというのがまず凄いことだと。

そしてストーリーも素晴らしく、気がつけば読了。
いろいろと考えてしまいました。

これは別の作品も読みたい…
ただ、コンビ解消直前の作品ということもあって、本作は井上夢人さんがほぼ書いた作品とのこと。
そして、聞くところによると、井上夢人さんの「プラスティック」がまた面白い、とのこと。

岡嶋二人さんの別の作品に行くか、プラスティックに行くか、非常に悩むところです…

■関連過去エントリ■
・[Book]天使の耳 (講談社文庫)
・[Book]カラスの親指 by rule of CROW’s thumb



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月05日

[Book][Travel]日本人の「旅」大解明 (週刊 東洋経済)

日本人の「旅」大解明 (週刊 東洋経済) 2009年 3/28号

COVER STORY
日本人の「旅」大解明
鉄道、旅館・温泉 名物に格安ツアー
図解
P.46 図解1 | 旅行の風景が大きく変わっている
P.48 図解2 | 3000人アンケート 日本人のリアルな旅
P.50 8割は旅行好き。今の若者の旅のカタチ

P.52 PARTI【業界編】 そのココロは「旅離れ」に非ず!
P.52 JRと地元がタッグ組む、全国から新潟に客を呼べ
P.58 全国各地でブームの兆し、「観光列車」は春爛漫♪
P.62 広がるネット旅行サービス、クチコミ情報がカギに
P.64 じゃらん新人営業マン イマイチ?旅館テコ入れ繁盛記
P.66 イベントを盛り上げろ! 集客のカギは知恵と熱意
P.68 大放談会 旅行業界で働く人々のホンネ

P.70 現地ルポ 韓 国│円高で日本人殺到、買い物の次は「医療観光」
P.72 現地ルポ 沖 縄│次なる観光の目玉「リゾートエンディング」
P.74 現地ルポ 北海道│唯一好調を持続する十勝、スイーツ王国を売り込め

P.78 PART II【地方編】 自ら変わらなきゃ客は来ない
P.78 「1泊2食」はもう古い、高級旅館も“禁じ手”に挑戦
P.83 温泉旅館「再生」で急成長、新興3大グループの素顔と戦略
P.88 兵庫・浜坂 女将さんたちも猛勉強、「カニソムリエ」が大活躍
P.90 和歌山・白浜 客を旅館に閉じ込めない、町が丸ごと観光地
P.92 衰退の危機から復活、観光名所を作り出せ
大分・豊後高田/千葉・佐原/兵庫・豊岡/奈良・吉野/山梨・甲府/神奈川・川崎

P.97 知る人ぞ知る「仙仁温泉 岩の湯」、
「唯一無二」と呼ばれる理由
P.99 INTERVIEW│金井辰巳 /「仙仁温泉 岩の湯」主人
東洋経済新報社HPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・日本人の旅の現状はいかに?

◆本書を一言で表すと◆
・「旅」に関わる方々は今、何を考えているのか

◆概要&感想◆
見出しで『日本人の「旅」大解明』とあれば読まないわけにはいきません。
読んでみると日本国内の「旅」がメインテーマだったので若干イメージとは違っていましたが、面白い特集でした。

一番興味があったのは最初のパートにある「日本人の旅行への意識は今どうなっているのか」という点と「旅行"代理店"離れ」について。

昨今、「若者の旅行離れ」が至るところで指摘されて話題となっています。
実際、数字を見てみると確かに旅行者の絶対数という意味では減っているのは間違いないようです。

ですが、前々から思っていましたが「少子化」「大学全入時代」と言われるように若者の絶対数自体も減っているはずです。

そしてそもそも「若者」という言葉の定義自体非常に曖昧でもあると思います。
ものによって「若者」が20代までなのか、もっと上なのか、などなど様々なのでは、とも思います。

そのあたりは、本書内でも触れられていて、言葉の踊らされるのではなく、しっかりと何が起きているのかに注目すべき、とのこと。

さて、今回特に気になったのは、HISの方が仰っていた以下のこと。
うちの顧客にとって「どこに行くのか」はさほど重要ではない。最も関心を引くのは、「何をするのか」という内容だ

場所ではなく、そこで何ができるのか、ということですね。
よく旅行離れの原因はネットだ、と言われますが目に見えるかどうか、ということであればGoogleマップやストリートビューもあるこのご時世。

昔のように「行くこと」がではなく、「すること」が目的となる人が増えるのもわかります。
(とはいえ、私自信は「行かなければわからないこと」があると思っているので、「行くこと」も大切だと思っていますが)

そこで旅行会社としては様々な工夫をこらした企画を立てることになりますが、その考え方がまた驚きました。
「日曜日に行くなら映画か旅行か」という視点で企画を考えなければ勝てない

私が旅行というと長い旅行をイメージしているせいもあると思いますが、ここまで来ているとは…
本特集内にも日帰りバス旅行が人気、など確かに考えてみれば映画と競合しますよね。。

よく競合は同じ業界内にあるのではなく、別の業界にあると言います。
(フェラーリの競合相手は、ポルシェなどではなく、クルーザーであったりといった富裕層の余暇に関わる相手)

このあたりは先日読んだ、「ブランディング22の法則」にも通じますね。
そんな旅行代理店ですが、取り巻く環境は厳しく…
旅行離れではなく、旅行"代理店"離れ、といえるかもしれない。

旅行代理店のメリットは以下の
@旅行(日程や現地での行動、移動手段の確保等)について考える手間を省く(アウトソースする)
A旅行に関する情報を一元的に収集できる
B旅行についての安心、保障を得る
Cケースによっては安価

かくいう私自身旅行代理店はほとんど使いません。
その理由を考えてみると…
@については、そもそもパック旅行を使わないのが一番の理由だと思います。
自分で旅行について考え、計画を立てるのが何よりも好きなので、その部分を旅行代理店に任せてしまうのは余りにももったいない、と考えてしまいます。

Aについては、ところがネットの普及で、クチコミが豊富に溢れ、オンライン上で相談できる場所も多数存在します。
こうなると代理店のメリットであった情報の一元的収集やプロとの相談というものが一気に薄れてしまいます。
私自身、旅行代理店にわざわざ行って相談しようとは思いません。
クチコミサイトなどでたいていは欲しい情報に行きつけるので…

Bについては、そもそも旅行は自己責任であり、何かあってもそれが楽しいのだと考えています。
そのため、そこまで安心や保障を重視していないことが挙げられるかと。

Cについては、ケースbyケースだと思います。
行き先ややりたいことなどケース毎に変わってくると思いますので、ここでは割愛します。

上記は私個人の場合です。
が、まずAについては特にネットを使いこなす層にとっては当たり前になりつつある話だと思います。
そしてAが崩れることによって、どうしても全てをカバーできない旅行代理店としては@の部分のメリットも薄くなってしまう、という流れになってきているのではないでしょうか。

逆に、自分であればどんな旅行代理店であれば使ってみたいと思うか…
・旅行代理店の力が無ければ行けない場所、ツアーに行きたい場合
とかは使ってみたい!と思う気が。
(使わざるを得ない、ともいいますが…)

さらに妄想を進めて、自分が旅行代理店をやるとすると…
・テーマ特化型(雑貨買い付け、カフェ巡り、スーパー巡り、著名人ガイドなど)
・完全オーダーメイド型(旅のしおり作りなども一からお手伝い)
・外国人専用の旅行代理店

…小学生レベルの発想ですね(涙)
ただ、考えているといろいろ面白いので今後も考えていきたいかも。
旅とはその土地の空気に触れ、人の心に触れるもの。

個人的には、本書内のこの言葉が旅だと思っているので、それを伝えられるような旅行代理店が望まれているのではないかと思います。

そして「ブランディング22の法則」にあるとおり、もっととんがった旅行代理店が出てくるといいなぁと思うのは事実。
ブランディングってホント大事だと思います。
完全に変遷の時期に来ている旅行代理店。
大手も中小も含めて今後の展開が楽しみになった特集でした。

個人的にこのテーマ非常に興味があるので、また考えていつか似たような内容で続ける…かも?です。

◆気になったポイント◆
今の若者にとって旅行とは、身の回りにあふれる数々の娯楽のうちの一つにすぎない。

旅行にも「ハレ」の旅行と「ケ」の旅行があると思いますが、「ケ」の旅行は明らかにそのとおりですね。
新婚旅行や卒業旅行の需要が衰えないのはそれが「ハレ」の旅行だからなのだと思います。
旅行には、友達に誘われれば行くけど、自分からは行かない

行こうと思えばいつでも行ける環境のせいで、きっかけを見つけにくいのは確かだ

一人旅とかは、本当に好きな人しかやらないんでしょうかね…
このあたりからも「旅行」自体が目的にはなっていないことを感じます。
評価点が高い施設のほうが顕著にリピート率が高い。とりわけ若い人は広告を信用せず、クチコミや評価点を重視する傾向が強い

これはもう避けられない流れだと思います。
TripAdvisor(トリップアドバイザー)
http://www.tripadvisor.com/
などの質の高いクチコミを見ているとなおさらそう思います。

◆オススメしたい方◆
・「旅」に興味がある方
・旅行関連業界にお勤めの方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(東洋経済新報社HP内)
・TripAdvisor(トリップアドバイザー)
・若者は旅行の何から離れているのか?(シロクマ日報)

■関連過去エントリ■
・[Travel]Tripadvisor!!
・[TRAVEL]エクスペディア・ベストツーリスト2008
・[Travel][Book]Travel Community Magazine 4travelを読んでみた
・[Travel]2009年版地球の歩き方エアラインランキング発表!
・[Book][デザイン]ブランディング22の法則



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月04日

[Book]ロシア・ショック

ロシア・ショック(講談社、著者:大前 研一)
ロシア・ショック
ロシア・ショック
posted with amazlet at 09.03.30
大前 研一
講談社
売り上げランキング: 6814
おすすめ度の平均: 4.0
4 安価で視点・フレームをインストール!
4 次世代の経済大国ロシアの驚くべき可能性が今ここに明かされる
1 ロシア、経済危機になっちゃいましたけど・・・。
3 ロシアにビジネスチャンスがあるとは思いましたが・・・
5 とても参考になりました。

目次
激変する世界の潮流
第1部 変貌するロシア(プーチンの奇跡、拡大する市場)
第2部 ロシアン・ビジネス・チャンス(愛される日本、出遅れる日本、二一世紀のIT大国・ロシア)
第3部 世界の潮流とロシア(内政・外交の光と影、ロシアとEU)
日ロ関係の未来図
amazonから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・あらためてロシアを知る

◆本書を一言で表すと◆
・見えづらいロシアの実情とこれからを描く

◆概要&感想◆
大前氏がロシアについて、実情とご自身の考えを記した本書。
大前氏は以前にも「チャイナ・インパクト」や「東欧チャンス」といった、新しいエリアの本を書かれています。

都度ご自身で見て、世界の中でその対象がどのような位置づけにあり、これからどのようになっていくのかを先物買いのように書かれていて、その感覚はすごいなぁ、と毎回感じます。

今回の対象はロシア。
本書が書かれたのは2008年の春〜夏ごろだと思いますので、そのころからすると経済危機や原油価格の下落の影響もあってだいぶ勢いは衰えていますが、本書の内容はまだまだ有効だと思います。

・短期的なスパンではなく、長期的なスパンで物事を見る
・局所的に見るのではなく、広い視点で物事を見る
・一般に言われていることは事実なのか、正しいのか

といった観点はさすがです。

本書内で、大前氏は日本人のロシアに対する偏った見方について何度も言及されています。
第二次世界大戦や北方領土問題やメディアが報じるプーチンという指導者に対する見方を変えることが、引いてはロシアとの関係、あり方についてこれまでとは違った角度で考えることができるのではないか、繰り返し書かれています。

国同士ですし、様々な利害関係が絡むのは当然と言えば当然です。
日本の場合は、とかく感情論が優先され(メディアが煽っているのも一因だと思いますが)、理(利)の部分は後回しにされがちな傾向がある気がします。

全てに理(利)を優先させる必要もないとは思いますが、そろそろ折り合いをうまくつけることを学んでもいいのではないか、と読後思いました。

少なくとも現状を冷静に見て、知っておく必要はあるのではないか、と思います。
とはいえ感情のコントロールは難しいですし、まして他の人の心が絡むとなれば一層のことですが…

「冷静に見る目」を養う意味でも本書はオススメです。
個人的にはロシアについて非常に勉強になりました。

2000年の2月に一度モスクワ&サンクトペテルブルグに行ったことがあります。
当時はミレニアム直後で丁度ロシアが復興しつつある時。

モスクワだと有名なグム百貨店きらびやかさと、地下鉄の深さと豪華さ、宿泊したイズマイロヴォホテルの大きさ、そしてホテル近くのマーケットの素朴な感じが印象に残っています。
あ、シェレメーチエヴォ国際空港の異常な暗さも印象に残っています。
どうもあの暗さは未だに変わっていないようですが。。

本書を読んで、もう一度ロシアに行って、どのように印象が変わったのか見てみたくなりました。

◆気になったポイント◆
ロシア進出の十大心得
1.ロシア人と共に、ロシアのために働く
2.ロシアのルールを尊重しつつも、自分の流儀を忘れない
3.政府な各種行政機関との関係構築、人脈作りに励む
4.核心に対しては断固たる態度で、枝葉末節には柔軟に対応する
5.窮地に活路を見いだす術を学べ
6.腐敗は生活の一部。うまく対処する術を身につけよ
7.権威主義ではなく、本物のリーダーシップを発揮すべき
8.権限移譲は難しいが重要。それゆえ段階的に実施すべし
9.海外企業の個性が強調されたワンカンパニーを確立すべし
10.早期警戒管理態勢を敷く
(インシアード大学スタニスラフ・シェクシューニア教授による提言)

6番あたりは対応に困るところですが…
大前氏も書かれていますが、国際的なビジネスを行うにあたって特別なことではありませんが、7番目などはロシア独特の気風を表しているようで興味深いです。
冷戦の遺産

良くも悪くも、どれだけその影響が大きかったのかよくわかりました。
ロシアの資源は「国土」「資源」「人材」

切り口が明確でわかりやすいです。
優秀な科学技術者

問題解決のためのアプローチの方法ひとつとっても、欧米人や日本人とはまるで違います。

ロシアならではの「人材」の特徴。
所変われば人が変わり、考え方も変わります。
ダイバーシティが求められる一因だと思います。
ロシアは二十一世紀のIT大国となり得る人材の質と量を秘めている。そして日本を含めて海外企業が進出や地元企業との連携を図るときには、これらの旧ソ連圏も含めて視野に入れるべきである。

それぞれの国同士の関係も含め、それらの国の歴史等も考慮して様々な可能性を考える必要があるということだと思います。

◆オススメしたい方◆
・ロシア(旧ソ連圏)に興味がある方
・大前研一氏に興味がある方
・国際感覚を身につけたい方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(講談社HP内)
・大前研一「ニュースの視点」Blog
・大前・アンド・アソシエーツ グループ

■関連過去エントリ■
・[Book]サラリーマン「再起動」マニュアル



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月01日

[Book]グーグル・ジャパンで働く11人の英語勉強法

グーグル・ジャパンで働く11人の英語勉強法(中経出版、著者:English Zone編集部 取材班)
グーグル・ジャパンで働く11人の英語勉強法
English Zone編集部 取材班
中経出版
売り上げランキング: 24684
おすすめ度の平均: 2.0
3 中身が薄い
1 コストパフォーマンスが悪い
2 ”劇的”さに欠けます

目次
インタビュー1:30代からの英語チャレンジ
インタビュー2:英語は度胸!
インタビュー3:グーグルは最高の英語教室
インタビュー4:英語力を伸ばすカギは「努力」×「環境」
インタビュー5:「コミュニケーション力」こそ全ての土台
インタビュー6:英語「口」になるための秘策
インタビュー7:「英語がmust」の環境にもまれて
インタビュー8:今こそ、自分を「開国」させよう
インタビュー9:英語は「文脈」の中で学べ
インタビュー10:英語力は「プレッシャー」の中でこそ伸びる
インタビュー11:自ら「安全地帯」を脱出しよう
中経出版HPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
グーグル・ジャパン社員による英語勉強法は何が違うのか??

◆本書を一言で表すと◆
グーグル・ジャパン社員の英語学習法と仕事流儀の紹介

◆概要&感想◆
以前エントリした「村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける」のグーグル・ジャパン社員版といった感じ。

ただ、本書の中心は英語学習に対するアプローチ方法。
個々の具体的な学習方法などは本書の対象外。
むしろ英語に取り組む姿勢を学ぶための本です。

最初の村上氏のパートは「村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける」のとおり。

以降、グーグル・ジャパン社員による英語学習に対する考え方が10人分並びます。
実際読んでみると10人それぞれでありながらも、英語を上達させるための共通項があるように感じます。
それは、以下の3つかと。

@英語を使わざるを得ない環境に身を委ねる
A受験英語(特に文法)は英語学習をする上で重要
B英語を積極的に使う姿勢

@英語を使わざるを得ない環境に身を委ねる
英語を使わないとそもそも仕事にならない!など英語を学習せざるを得ない環境にならないと人は英語学習のモチベーションも上がらないし、危機感も感じない。
そういった環境になれば自ずと勉強するし、身につくスピードもまるで違う、とのこと。

当たり前と言えば当たり前ですが、ここで言いたいことは、「英語を完璧にしてから英語を使う環境に行く」のではない、ということ。
そもそも英語を完璧にするには膨大な努力と時間が必要であり、それから英語を使う、となるといつになるかわからない、と。

それよりも英語を使う環境に入ってしまうことで英語学習と英語による仕事を同時に行うべし、とのこと。
もちろんその環境に入って本気で取り組むことが条件だとは思いますが、そのとおりだと思います。

日本ではそもそも英語を使う機会がどうしても限られる上に、いつ使うことになるかわからない時を目標に英語学習するのは、よほど意思が強くないと難しいと思います。。

意思が強くても、実務をしながらであれば一日中英語を使わざるを得ないわけで、仕事と仕事以外に関わらず英語と接することができれば、上達のスピードは飛躍的に上がるのではないかと。

A受験英語(特に文法)は英語学習をする上で重要
皆さんが同じ用意仰っていたのが、受験英語、特に文法が非常に役立った、ということ。
文法という大まかなルールを学んでいたことで、英語を理解するにあたって大きな助けになったという方が多かったのが印象的です。

もちろん実際のビジネスの場で議論になった際などは、文法無視で会話されている方がほとんどのようですが(笑)、それでも土台として勉強しておいて損はない、という意見が多かったです。

また、議論など会話ではなく、ライティングの際にはとりわけ文法を意識されることが多いとか。
文法的に正しくないと、ライティングの内容自体疑わしくなってしまいますし、ビジネス文書としてもふさわしくない、と見られてしまうそうです。

B英語を積極的に使う姿勢
最後はよく言われることですが、とにかく積極的に!ということ。
失敗を恐れず、ガンガン聞いて、無理にでも話す。
そうした姿勢が無いと、英語の世界(特にビジネスにおいては)認められないし、上達もしない、と。

日本国内で海外から旅行に来ている方々から、つたない英語で聞かれても「下手な日本語で聞いているなぁ」とは普通思わないと思います。
それと同じで、明らかに非ネイティブと思われる私たちが話す英語が間違っていたとしても、それは特別問題にされないのではないか、と思います(ビジネスの場では多少話が変わってくるかもしれませんが)。

それよりも話そう、伝えようとする姿勢の方が大事だということだと思います。


3つどれも英語を学習するにあたり、いずれも胸に留めておきたいポイントでした。

本書は英語学習と同時にそれぞれの方のビジネスに対する考え方も透けて見えます。
そしてどちらの考え方、アプローチ方法も皆さん似通っている点が多いことにも気が付きました。
環境を自ら変える勇気、好奇心、努力の姿勢などなど。
英語学習を中心に、グーグル・ジャパン社員の方々がどんな人なのかを知ることができる一冊でした。

◆気になったポイント◆
母国への理解を深めよう。

英語力は日本語力に比例する。

心に刺さったポイントでした。
英語ができるようになるのはいいのですが、その英語で何を話すのか、話せるのかも大きなポイントだと思います。

日本人なのに、日本について語れない、というのは非常に悲しいこと。
海外に目を向けるだけでなく、自分のバックグラウンドである日本自体にも目を向けていく必要がありそうです。

◆オススメしたい方◆
・グーグル・ジャパンの社員の方々に興味がある方
・外資系企業の社員の英語勉強法に興味がある方
・グーグル・ジャパンの仕事に興味がある方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(中経出版HP内)

■関連過去エントリ■
・[Book]英語は逆から学べ!実践トレーニング編
・[セミナー](アドバンスド編)発音矯正から始める英語学習講座
・[Book]英語嫌いの東大卒が教える私の英語学習法
・[Book]英会話ヒトリゴト学習法
・[Book]村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける
・[Book]英語は逆から学べ!
・[Book]レバレッジ英語勉強法



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月31日

[Book]チャンピオンズリーグ特集 攻撃者の美学(Sports Graphic Number)

チャンピオンズリーグ特集 攻撃者の美学 Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2009年 3/5号(文藝春秋)

SPECIAL FEATURES
◆集中現地レポート◆
文◎豊福 晋
メッシ×エトー×アンリ「超攻撃集団の誕生」

◆最強チームの構造分析◆
文◎横井伸幸
FCバルセロナ「完璧な連係を生む中盤」

◆5冠達成のキーマン◆
文◎デイブ・ハリソン
ベルバトフ「待ち望まれたカントナの再来」

◆孤高のエースが語る◆
文◎アルフィオ・ムスマッラ
イブラヒモビッチ「俺は俺らしくプレーするだけ」

◆クローズアップ◆
文◎ローラン・カンピストロン
ベンゼマ「リヨンの可能性を探りたい」

◆インサイド・レポート◆
文◎クリス・ヘザラル
ドログバ「ビッグクラブの中の軋み」

◆スペシャルインタビュー◆
文◎セルヒオ・レビンスキー
アグエロ「突破するには賢くなくちゃ」

◆最新チーム事情◆
文◎横井伸幸
A・マドリー「攻撃力偏重の功罪」

◆リバプールの組織進化論◆
文◎粕谷秀樹
ベニテス機関

◆決勝トーナメント徹底解説◆
解説◎川勝良一/原 博実
頂点への戦いを読む
マンU vs.インテル/バルセロナvs.リヨン/アーセナルvs.ローマ/チェルシーvs.ユベントス ほか

◆徹底論考◆
文◎西部謙司
個で勝つか、組織で勝つか

◆ビジャレアル探訪◆
文◎中嶋 亨
ジュゼッペ・ロッシ
「流浪のストライカー」

◆各国リーグの新鋭たち◆
来季のCLでは彼らが見たい
アグボンラホール/アーロン・レノン/ファン・マタ/
マウロ・サラテ/メスト・エジル/ベンアルファ ほか

第2特集 日本代表W杯アジア最終予選
◆マッチレポート◆
文◎戸塚 啓
vs.オーストラリア「目覚めよ、ニッポン」

◆クロスレビュー◆
文◎大住良之/後藤健生/田村修一/西部謙司/浅田真樹
岡田ジャパン中間考査

◆緊急提言◆
文◎二宮寿朗
トゥルシエ「何が欠けているのか」

◆独白連載第4回◆
構成◎佐藤 岳
中澤佑二 黙示録「シャットアウト」

◆新連載 非正規スポーツエッセイ◆
奥田英朗「どちらとも言えません」

◆現地レポート◆
文◎渡辺史敏
スーパーボウル「逆転劇の舞台裏」

◆ナンバー・ノンフィクション◆
文◎藤野眞功
金とルール「刑務所内のプロスポーツ」

COLUMNS
* 阿部珠樹「リバースアングル120」
* 芦部 聡「三食見学ツアー(5)」
* 小川 勝 Number on Number
「全豪テニスの死闘」

NUMBER EYES
* フィギュア「浅田真央vs.キム・ヨナ」
* 格闘技「追悼エリオ・グレイシー」
* プロ野球「ベテランたちの春季キャンプ」

FACE
* 国定周央(高校ラグビー)

SCORE CARD
* BASEBALL 永谷 脩
* MLB 津川晋一
* NBA 宮地陽子
* SOCCER 木崎伸也
* TENNIS 秋山英宏
* KAKUTOGI 布施鋼治
* FORMULA ONE 今宮 純
* RUGBY 大友信彦
* BOXING 前田 衷
* BASKETBALL 増田晶文

OTHERS
* メディアウオッチング
* スポーツMONO語り
* FROM READERS & FROM EDITORS
* Catch the News
* 年間定期購読案内 次号予告
文藝春秋HPから引用させていただきました)

◆概要&感想◆
今更ですが、NumberのCL特集を読みました。
とっくにこの特集テーマである決勝トーナメント1回戦の試合は終わっていますが…

今号では特に、スカパーでの解説者として好きな粕谷秀樹さんによるリバプールの記事が掲載。
これはリバプールファンとしては嬉しい限り。

他に記事として良かったのは次の4本。
・◆各国リーグの新鋭たち◆ 来季のCLでは彼らが見たい
・◆スペシャルインタビュー◆ アグエロ「突破するには賢くなくちゃ」
・◆新連載 非正規スポーツエッセイ◆ 奥田英朗「どちらとも言えません」
・◆現地レポート◆ スーパーボウル「逆転劇の舞台裏」

「各国リーグの新鋭たち」はNumberお得意の記事。
普段プレミアリーグばかりの自分としては、他のリーグの情報までは手が回らず…
まして新鋭ともなるとビッグクラブ以外が多いため情報量は自ずと限られます。
そんな中、リーガやセリエだけでなく、ブンデスやリーグアンまでカバーしてもらえるのは嬉しい限り。

そして、アグエロの記事ですがこちらはついついアトレティコを応援したくなる記事。
CLで敗退してしまったのが非常に残念です…
ユナイテッドの相手がアトレティコであればまだ可能性があったのでは?とも思いますので…

3本目の奥田英朗さんのエッセイは笑えます。
奥田英朗さんがスポーツエッセイというのも意外…と言いたいところですが奥田さんの著書を読んだことがないため何とも言えないのが正直なところ。
面白い方だということはよくわかりました。
今度著書を読んでみたいと思わせる記事でした。

最後のスーパーボウルの記事は、臨場感がありました。
録画で見たスーパーボウルを改めて脳内再生しながら読みました。
日本では活字でなかなか読めないだけに貴重な記事かと。

相変わらずの写真のキレイさとワクワク感はさすがです。
ここ数年ちょっとテーマが偏り気味ではありますが、出版不況と呼ばれる昨今では仕方がないことかと。

以前エントリした「言葉力。2009年の監督論」のような変化球系の企画に期待したいところです。

◆オススメしたい方◆
・チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦を振り返りたい方。
・欧州サッカーに興味がある方
・今年のスーパーボウルを見た方
・奥田英朗さんのファンの方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(文藝春秋HP内)
・NumberWeb

■関連過去エントリ■
・[Book]言葉力。2009年の監督論(Sports Graphic Number)
・[Book]攻撃進化論-'08-'09 Mode of Football ATTACKING EUROPE(Sports Graphic Number)
・[Book]日本シリーズ完全詳報・常勝軍団、復活!BASEBALL FINAL 2008(Sports Graphic Number)



posted by Guinness好き at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月30日

[Book]私をつくった名著 人生を変えた1冊 黄金のブックガイド

私をつくった名著 人生を変えた1冊 黄金のブックガイド
私をつくった名著 人生を変えた1冊 黄金のブックガイド
Chabo!を応援する著者の会
東洋経済新報社
売り上げランキング: 28869
おすすめ度の平均: 5.0
5 本選びに役立ち!+気軽な国際協力
5 雑の妙味
5 一流の考え方の持ち主の読書法が興味深い

目次
〈プロローグ〉"学び本"ブームはなぜ起こっているのか
〈Section1〉「底流型の本」と「適用型の本」との"組み合わせ読書"(勝間和代)
〈Section2〉「運命の本」との「偶然の出会い」を大切にする読書術(神田昌典)
〈Section3〉"速読、通読、熟読、重読"読み方は4段階を使い分ける(小宮一慶)
〈Section4〉ビジネス書よりビジネスに役立つ人文系の本の読み方(酒井穣)
〈Section5〉"リッツ・カールトン流"感性を磨く読書案内(高野登)
〈Section6〉個人投資家が資産形成のために読むべき本(竹川美奈子)
〈Section7〉読後のアウトプットに有効な"図読"のすすめ(久恒啓一)
〈Section8〉自分の強みや専門性を発見し、究める読書法(山口一男)
〈Section9〉幅広い読書で、異分野の事柄を自分の分野に応用しよう(山田昌弘)
〈Section10〉顧客の心をつかみ、部下を動かす"勉強読書"(和田裕美)
〈Section11〉カリスマBOOKブロガーの「時速10冊」読書術(小飼弾)
〈プロ書店員さんの目利き座談会〉うちの書店のロングセラー、読み続けられる定番はこれだ!
amazonから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・読書の達人はいかに、そしてどんな本を読んでいるのか?

◆本書を一言で表すと◆
・本の読み方選び方のヒント

◆概要&感想◆
勝間和代氏が発起人となったChabo!(チャボ)に賛同する方々による読書感の紹介兼ブックガイドという一冊。

以前エントリした「10年後あなたの本棚に残るビジネス書100」と一見よく似ていますが、個人的にはこちらのほうがツボでした。

良かったのは、読書の達人であり、かつ本の著者でもある11人の方々の「本に対する考え方「と「読書についての考え方」が読めたこと。

同じChabo!という試みに賛同したという共通項があっても、本や読書に対するスタンス、アプローチはそれぞれ違います。
むしろ本や読書に対して様々な角度からの意見が集められていて、その多様さが面白かったです。

唯一共通しているのは、皆さん本が人生にとって必要不可欠で、大好きであるということ。
後は、いかように本を読んでも当人が納得していればそれでいいのではないかなぁ、と思った次第。

本書では、本の読み方やオススメの本が多数紹介されています。
が、全部を取り込むのではなく、ピンときたところをヒントとするなり、ピックアップすればそれで十分だと思います。

本書がツボだったのは、そのピックアップの対象が多種多様であること、ここに尽きます。
ジャンルも様々。
ビジネス書はもとより、ノンフィクション、小説や漫画などジャンルを問わない深さがお見事でした。

かくいう私も読みたい本が一気に増えてしまい、大変なことに…

気がついた点としては、読書後のディスカッションなどを薦めている方が多かったこと。
ディスカッションというとハードルが高そうですが、本を読んでその内容について語る場、というのは確かにあった方がいいと思います。

私も現在このブログでしかアウトプットしていませんが、もったいないかも、と思うこともしばしば。
お互い読んだ視点を話し合って共有したり、思うところを議論することで理解も一層深まるでしょうし。
読みっぱなしにしないためにも何らかの仕組み作りが私にも必要そうですね…

その他では、勝手に尊敬している酒井穣さんのパートはやっぱり響くものが。
特に以下のポイント。
人はなぜ、本を読むべきなのでしょうか?
本にはできるのに、テレビにはできない重要なこと−それは、文字情報に圧縮された情報を解凍するためのすぐれたトレーニングを提供することに他なりません。

本を読む際には、ただ字面を追うのではなく、何らかのイメージを頭に浮かべながら本を読んでいる方が多いと思います。

特に小説などではそれが顕著だと思いますが、文字からイメージをし、それを広げるという作業を無意識に行っている、という意味で酒井穣さんは「すぐれたトレーニング」と表現されているのだと思います。

実際、小説を読んだ後、ドラマ化や映画化された同作品を見てみると、なぜか過去に見た作品のように感じてしまう、といったことがあるかと思います。
(最近だと、東野圭吾さんのガリレオシリーズなどでしょうか)

また、ドラマ化や映画化された作品よりもその原作の方が優れている!と言われるのは、
@酒井さんが仰るところの圧縮された文字情報を(時間的、映像的制約などからも)解凍しきれないため
A原作を読んだ際にイメージした世界を理想としてしまうため、その世界との乖離が目についてしまう
という点に起因するのではないでしょうか。
(もちろんBとしてそもそも原作の優れた世界を表現しきれなかった、というケースもあると思いますが)

現在のところ、文字からイメージを掘り起こすというトレーニングを最も効率よくできるのが本である以上、やはり本は読むべき、という酒井穣さんのご意見には非常に納得です。
(私自身本が好きなので読書肯定寄りにバイアスがかかっている面も若干あるかもしれませんが…)

(このあたりについては、以前酒井穣さんがご自身のブログNED-WLT「テレビがダメで、読書がアリな本当の理由」というエントリでより詳しく書かれています。)

本書を読むことで、本を読むということについて色々な知見が得られるかと。
ブックガイドと思っていましたが、深い一冊でした。

◆気になったポイント◆
そもそも本には、コーチング的な意味がないといけないと私は思っています。
コーチングとは、良質な質問を投げかけてもらい、それについて答えていくことです。
対話による成長と言えるかもしれません。
ですから私にとって良書とは、「質問がいいもの」であると言えます。

私にとっての良書とは?、と考えてしまいました。
答えは出ていませんが…
新しい視点を与えてくれるもの、というものはありますが、それだけではないですし。。
人は事実ではなく感情で動きます。
だからまず、すぐれた営業パーソンである前に、「感動できる人」であることが大切です。

「感動できる人」でありたいです。
私は今でも本を読むときは、いつも「これは誰に伝えよう」という目的で読んでいます。

本ブログを始めてからは、どのようにアウトプットしよう、という目的が加わりましたが。
が、さらに一歩進めると「これは誰に伝えよう」となるのかな、と。

◆オススメしたい方◆
・本でも読んでみようかなぁ、という方
・Chabo!( チャボ )に興味がある方
・本書内の11人の方々に興味がある方
・読書術に興味がある方
・オススメの本を知りたい!という方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(東洋経済オンライン内)
・Chabo!( チャボ )- 本で、もっと、世界にいいこと。
・JEN - 特定非営利活動法人 ジェン
・NED-WLT(酒井穣さんブログ)

■関連過去エントリ■
・[Book]10年後あなたの本棚に残るビジネス書100
・[Book]PRESIDENT (プレジデント) 2009年 2/2号 09年版「役職・課目・場面別」厳選600冊!-勝ち残る人が読む本・落ちる人の本



posted by Guinness好き at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする