2009年03月29日

[Book]「信用偏差値」―あなたを格付けする

「信用偏差値」―あなたを格付けする (文春新書)(文藝春秋、著者:岩田 昭男)
「信用偏差値」―あなたを格付けする (文春新書)
岩田 昭男
文藝春秋
売り上げランキング: 133556
おすすめ度の平均: 3.0
4 題名とは異なるが、なかなか面白い内容
2 クレジットカード業界を取り巻く環境を知りたい人に
2 内容のほとんどが、ゴシップ
4 クレジットカード社会がやってくる?

目次
第1章 個人に「信用偏差値」を持ち込め!
第2章 電子マネー隆盛の時代
第3章 クレジットカードVS電子マネー 知られざる闘争
第4章 クレジットカード陣営の総反撃が始まった
第5章 信用社会 日米の違い
第6章 信用格差社会を生き抜くカードの使い方
amazonから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・信用偏差値について学ぶ

◆本書を一言で表すと◆
・信用偏差値導入が対電子マネー対決におけるクレジットカードにとっての追い風となる

◆概要&感想◆
本書のポイントは3つ。
・信用偏差値についてとその導入がもたらすもの
・電子マネーについての解説
・クレジットカード業界が牽引するであろう今後の信用社会について

第1章で著者が言いたいことの大部分は整理され、コンパクトにまとまっています。
時間がなければ第1章だけでも著者の主張は十分にわかるかと。
その詳細説明が第2章〜第5章で行われている、という構図。

本書で著者が説く「信用偏差値に左右される社会」というのは確かに問題。
詳細は本書をお読みいただきたいのですが、かいつまんで言うと「クレジットカードなどの利用結果としてはじき出された信用偏差値によって、その人の金融面での価値が決まり、それが金融サービスを受ける際の判断基準となる社会」という社会。

米国では以前からスタンダードとなっているこの仕組み。
いろいろと軋轢があることも聞こえてきます。
そのあたりが詳しく書いてある第5章はなかなか興味深いです。

クレジットカードが隅々まで普及しているとは言い難い(使う側も使われる側両面で)日本には特に馴染みづらい考え方だと思います。
この信用偏差値が米国のように導入された暁にはかなり抵抗が予想されるのは事実だと思います。

著者曰くこの信用偏差値の(どこまで基準となるかの程度の差はともあれ)導入が間近だと。
そしてその利用についてどこまで認めるか、というのは大いに注視しなければいけないと書いています。

それは仰る通りなのですが、気になったのは次の点。
最終的にクレジットカード会社側の意向を汲んで、信用偏差値を考慮したクレジットカードの利用が必要不可欠となる、と第5章の終りで結んでいる点。

本当にそうなるのだろうか?ということ。
余りにも利用者目線が欠けているのでは、と感じた次第。

確かにクレジットカードは便利ですし、マイラーである自分にとっては無くてはならないものではありますが…
そうクレジットカード業界の思惑通りに進むかというと、大いに疑問が。

元々クレジットカードの利用率が世界各国と比べて非常に低い日本。
徐々に利用率が上がっているとは思いますが、それでも抵抗感が根強く残っていると思われます。

そんな日本で、制度的に動き出しているとはいえ、そのような信用偏差値を基準とした社会になるでしょうか。
万が一その方向に大きく舵を切るとなると、かなりの利用者側からの反発が予想されます。

クジレットカード会社は一丸となって推し進めるのでしょうが、受け入れられるだけの土壌が日本には無い気がします。
それでも導入となった時に、「利用者はクレジットカードを利用しない」という選択が日本であればできるのではないでしょうか。

本書はそんな信用社会に傾かないように利用者側を啓蒙するための一冊、という見方もできると思います。
次は、米国以外の世界の国々の状況についても知りたいですね。
少なくとも本書では米国の事例を後追いする日本、という構図でしか描かれていないので。。

この動き、他人事ではありませんし、今後も注目して見ていきたいと思います。

ちなみに、電子マネーについての解説、かなりコンパクトにまとまっていてわかりやすかったです。
これから電子マネーについて一通り勉強しておきたい、という方は第2章あたりを読むと短時間で一通りの理解ができるかと思います。

あと第6章ですが、著者がお薦めするクレジットカード2枚の組み合わせの紹介まであります。
まるで日経TRENDYかと思わせる内容(笑)

第1章〜第5章までと毛色が全然違います。
そして第6章の最後はまたトーンが元に戻る…というその落差が面白くもありました。

◆オススメしたい方◆
・信用偏差値って何?という方
・電子マネーについて知りたい方
・クレジットカードに興味がある方
・日本の決済シーンに興味がある方
・米国の信用社会に興味がある方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(文藝春秋社HP内)
・岩田 昭男公式Blog(著者公式ブログ)
・岩田 昭男のカード道場(著者公式HP)
・岩田 昭男のクレジットカード(著者連載ページ(All About内))

■関連過去エントリ■
・[Book]ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層 (新潮新書)
・[Book]ルポ 貧困大国アメリカ



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2009年03月28日

[Book][デザイン]ブランディング22の法則

ブランディング22の法則(東急エージェンシー出版部、著者:アル・ライズ、ローラ・ライズ)
ブランディング22の法則
アル ライズ ローラ ライズ
東急エージェンシー出版部
売り上げランキング: 76515
おすすめ度の平均: 4.0
2 ブランディングの古典的書籍
4 わかりやすく書かれた本
4 徹底的に顧客視点で単純化
5 ブランディングって何?と思っている人が読む本
4 カテゴリーで1番が1番印象的

目次
拡張の法則
収縮の法則
パブリシティの法則
広告の法則
言葉の法則
信用力の法則
品質の法則
カテゴリーの法則
名前の法則
ライン延長の法則
強調の法則
ジェネリックの法則
企業の法則
サブブランドの法則
兄弟の法則
形状の法則
色調の法則
国境の法則
一貫性の法則
変更の法則
寿命の法則
特異性の法則
amazonから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・ブログのブランディングを行うにあたり何が肝なのか?

◆本書を一言で表すと◆
・一般に考えられているブランディングの常識を覆す22の法則

◆概要&感想◆
「視覚マーケティングのススメ」「クチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング」と同じく、[N]X[S]ブログデザイン勉強会の課題図書でした。

これは驚きの一冊。
これまで自分が、「ブランディング」と聞いて考える方法を尽く覆されました。
読みながら様々なブランドを思い浮かべていたのですが、数多くのブランドが本書とは違うことをやっているという現実。

本書に関しては色々と反論はあるんだろうなぁ、と思いつつも個人的には大納得。
基本的に、顧客から見るとブランドはどのように見られているのか、その視点から見ていくと本書の22の法則につながるのだと思います。
ブランディングする側の論理ではなく、一歩引いた目線で冷静に見てみると本書の考え方に行きつくのかな、と。

特に今はブログのブランディングを考えているだけに(だから読んだわけですが)、非常に思うところがありました。

まず飛び込んできたのが次の2つの法則。
拡張の法則
ブランドの力はその広がりに反比例する

収縮の法則
フォーカス(焦点を絞り込む)する時、ブランドは強力になる

両方を要約すると、あれこれ手を広げすぎず、焦点を絞り込め、と。

フィルタリングせずに何でもノージャンルで、というのはマズイ、と。
コンセプトを決める際にフォーカスすべし、ということかと。

このブログの場合は、タイトルにあるとおり「旅」「本」「ギネス」+「フットボール」+「Web関連」少々。
…多すぎ?!

ただ、半分凍結気味ではありますが、讃岐うどん巡礼ブログであったり、香港旅行ブログなどは、完全に単独で作成しました。
対象によってそのあたりのサジ加減は微妙に変える、という方向で行ければいいのかな、と勝手に解釈することにします。。
一番手になること
もし一番手になれなかったら、自分だけのカテゴリーを作りなさい
新しいカテゴリーにおける一番手のブランドになることだ

あと上も非常に気になったポイント。
何が何でもカテゴリーリーダーになりなさい、と。

ジャック・ウェルチがGEでやった、1番ないし2番でない分野からは撤退、というのもこれに近いですね。

これ、ブログに限らずビジネスにおける自分の立ち位置などでもぜひ考えなければいけないポイントだと思います(それがパーソナルブランディングですね)。

例えば、会社に勤めているのであれば会社内で、自分が一番手になれるポジションを探す、など何をするにしても応用可能なことかと。

もちろん自分に相応の実力があることが前提なだけに自分をコツコツと高めていくことと、こうした適切なブランディングを行うことの両輪が回ることで初めて成り立つものなのだと思います。

ブランディングとは、かくも険しき道のりなのですね。。

それにしても刺激的な一冊でした。
これからはブランドを見たり聞いたりする際に、いろいろと考えてしまいそうです。
自分がこれから何かをやる時も肝に銘じておきたい22の法則です。

◆気になったポイント◆
品質の法則
品質は重要だけれど、ブランドは品質だけで築かれるものではない。

品質がよければ、それが=ブランドとして優れている、にはなりません。
コカ・コーラの例で、コカ・コーラとペプシ、商品名がわからないとペプシの方が美味しいと答える人の方が多いとか。
でも、コーラのブランドとして考えると…というのは分かりやすい例でした。
カテゴリーの法則
リーディング・ブランドはブランドではなく、カテゴリーを売り込むべきだ。

パイの大きさを固定して、その比率を争うのではなく、パイの大きさ自体を大きくすべきだ、ということ。
確かに直径10cmのパイの半分握っているところ、3/4握るよりも、パイの大きさを直径20cmにしてその半分を握っている方が将来的な広がり、という意味でも大きいのは自明の理ですね。
ライン延長の法則
ブランドを破壊する最も簡単な方法は、あらゆる商品にそのブランド名をつけることである。

ついついやりがちですよね…
あそこにもここにもそんな例が溢れている気が。。
協調の法則
カテゴリーを築くには既存ブランドが他の競合ブランドの参入を歓迎する必要がある。

カテゴリーの法則に通じるものがあります。
活気のあるカテゴリーは注目を集めますし、お互い高め合ったり競い合うことのメリットが大きい、ということですね。
色調の法則
ブランドは競合とは反対の色を使うべきである。

競合の存在を喚起させるような色調はご法度。
一貫性の法則
ブランドは一夜では築かれない。成功は何年単位ではなく、何十年単位で測定される。

逆に言えば、一度作られたブランドイメージはなかなか拭えない、と。

◆オススメしたい方◆
・ブランディングに興味がある方
・マーケティングに興味がある方
・新しいものを作ろうとしている方
・ブランドの栄枯盛衰に興味がある方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(東急エージェンシー出版部HP内)

■関連過去エントリ■
・[デザイン][N]X[S]第2回ブログデザイン勉強会
・[Book][デザイン]クチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング
・[デザイン][N]X[S]ブログデザイン勉強会
・[Book][デザイン]視覚マーケティングのススメ
・[デザイン][N]X[S]ブログデザイン勉強会に参加してきました!



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2009年03月26日

[Book]言葉力。2009年の監督論(Sports Graphic Number)

言葉力。2009年の監督論 Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2009年 2/19号(文藝春秋)
Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2009年 2/19号 [雑誌]

文藝春秋
おすすめ度の平均: 3.5
4 マネージャーの方へ
4 監督という職業
2 ふつうのこと

SPECIAL FEATURES
◆新連載第1回◆
文◎田村修一
オシム「監督を語る」

◆通訳が明かす◆
文◎木村元彦
間瀬秀一「オシム語録とは何だったのか」

◆元千葉GMが語る◆
文◎木崎伸也
祖母井秀隆「オシムはなぜ愛されたのか」

◆ロングインタビュー◆
文◎生島 淳
野村克也「人を見て法を説け」

◆私を変えた一言◆
文◎永谷 脩
野村再生工場の秘密
江本孟紀「お前、ワシが受けたら10勝するな」
小早川毅彦「ワンスリーになったら、斎藤のカーブを打ってくれ」
田畑一也「誰も期待なんかしてないんだ」
遠山奬志「サイドスローにしてみないか」
山崎武司「お前は態度が悪そうに見える。俺も昔はそうだった」

◆名言の宝石箱や〜◆
文◎松原孝臣
読まずにすませる野村本

◆名将判定会議◆
二宮清純×金子達仁「これでいいのか、日本の監督選び」

◆大アンケート◆
心に染みた監督の言葉ベストセレクション
仰木 彬/西本幸雄/大西鐵之祐/宿澤広朗
井村雅代/栄 和人/ヒディンク/トーリ/ロンバルディ ほか

◆独占インタビュー◆
文◎木崎伸也
フォルカー・フィンケ「“ドイツのオシム”は浦和をどう変えるのか」

◆誌上討論会◆
文◎クリスティアーノ・ルイウ
リッピ(イタリア代表監督)vs.カペッロ(イングランド代表監督)
「こんな時、あなたはどうする?シチュエーション別 勝利の方程式」

◆カリスマの根源◆
文◎宮崎隆司
ジョゼ・モウリーニョ「支配のメソッド」

◆青年監督の葛藤◆
文◎時見宗和
中竹竜二「信は力なり」

キャプテンから見た監督
文◎鷲田 康/佐藤 俊/城島 充
宮本慎也 中村順司/長嶋茂雄/星野仙一 ほか
宮本恒靖 トゥルシエ/ジーコ/西野 朗 ほか
吉原知子 山田重雄/セリンジャー/柳本晶一 ほか

第2特集
サッカー日本代表
オーストラリア戦プレビュー

◆ロングインタビュー◆
文◎戸塚 啓
岡田武史「ようやく真剣勝負ができる」

◆岡田ジャパンを斬る◆
文◎猪狩真一
セルジオ越後「2位通過なんてぬるすぎる」

◆日本代表進化論◆
文◎佐藤 俊
生命線はサイドハーフ

◆緊急レポート◆
文◎戸塚 啓
アジアカップ予選 vs.バーレーン「敗戦の“重たさ”」

◆7年目の決意◆
文◎鷲田 康
松井秀喜「危機感は常に持っている」

◆独白インタビュー◆
文◎宇都宮直子
浅田真央に足りないもの

◆13年ぶりの四大大会◆
文◎秋山英宏
伊達公子「笑顔の求道者」

◆ナンバー・ノンフィクション◆
文◎松原孝臣
空の向こう。山田いずみと日本女子ジャンプ

COLUMNS
* 阿部珠樹「リバースアングル119」
* 吉崎エイジーニョ「日本サッカー研究所(5)」
* 小川 勝 Number on Number
「平野早矢香の精神力」

NUMBER EYES
* 大相撲「朝青龍に引導を渡すのは誰か」
* ゴルフ「石川 遼でマスターズもCHANGE」
* モーグル「金メダリスト里谷多英の復活」

FACE
* 竹内智香(スノーボード)

SCORE CARD
* BASEBALL 永谷 脩
* MLB 津川晋一
* NBA 宮地陽子
* SOCCER 浅田真樹
* GOLF 三田村昌鳳
* PRO-WRESTLING 門馬忠雄
* MOTORCYCLE 遠藤 智
* OLYMPIC ROAD 松原孝臣
* SUMO 服部祐兒
* HORSE RACING 片山良三

OTHERS
* メディアウオッチング
* スポーツMONO語り
* FROM READERS & FROM EDITORS
* Catch the News
* 年間定期購読案内 次号予告

文藝春秋HPから引用させていただきました)

◆概要&感想◆
「言葉力」と称して、監督のあり方とその影響力について特集した一冊。
選手を扱い、指導し、時にコントロールすることもある「監督」というポジションに焦点を当てているためスポーツに限らず、ビジネスでも参考になるかと。

特に今回は監督から発せられる「言葉」の影響がテーマ。
一流の指導者達が何をどのように考え、どんな言葉を発しているのかがよくわかります。

監督による名語録集といった趣もあり、非常に面白かったです。

人の上に立っている方、これから上に立とうという方、上司がいる方、人を監督、指導する立場の方、人とかかわる方、いずれの方にとっても何かしら響く言葉があるかと。

正直、監督論としては、特別新しいものがあるわけではありません。
自分の信念を貫く一方で、選手を大事にし、選手との対話も大事にする。
バランス感覚と、人に動いてもらうコントロールの力。
それらが大事なことに改めて気がつくかと。

サブタイトルにもあるとおり、特にフィーチャーしているのは、前日本代表監督のオシム氏と楽天イーグルス監督の野村氏の2人。

ですが、個人的には、浦和の新監督フィンケ氏と、早稲田大ラグビー部監督の中竹氏のインタビューが良かったです。
試合後のインタビューも含めて、今季のお二人の動きには注目したいと思います。

また、「こんな時、あなたはどうする?シチュエーション別 勝利の方程式」、「心に染みた監督の言葉ベストセレクション」、「これでいいのか、日本の監督選び」も興味深いところでした。

特に前2つの記事は、監督といえどももちろん人間、そんな人間くささが垣間見える記事。
それが勝負のあやにつながったり、ドラマになったりするのだと感じた次第。

監督という仕事の難しさ、報われなさについて、突っ込んだ記事と、それと真逆の監督の楽しさ、素晴らしさ、両面にとことん突っ込んだ記事があれば、さらに読んでみたい、と読後感じました。
できれば様々なスポーツ毎に。

その対比がまた監督という仕事を浮き上がらせるかな、と思ったり。
Numberにはいつかそんな記事にも期待したいと思います。

◆気になったポイント◆
監督は極論すると教育者系と勝負師系に分けられる
(「これでいいのか、日本の監督選び」より)

なるほど一理ある、と納得してしまったポイント。
監督に必要なのは、解決力、神秘性、人徳力
(「これでいいのか、日本の監督選び」より)

監督 = 上に立つ人と読み替えてよいかと。
戦術とか哲学とか話術とかの前に、監督が人格者でないと選手はついていかない。監督は、言葉の前に人間力がないとダメということです。
(「キャプテンから見た監督 宮本恒靖 トゥルシエ/ジーコ/西野 朗 ほか」より)

ライターという外部から見ても、選手という内部から見ても同じことを言っているのが興味深いです。
当たり前といえば当たり前のことですが、わざわざ言葉に出される、ということはそうでない方もいる、ということで…

◆オススメしたい方◆
・監督という仕事に興味がある方
・スポーツにおける「言葉」に興味がある方
・上に立つ方
・将来上に立ちたい、立つであろう方
・指導する(している)方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(文藝春秋HP内)
・NumberWeb

■関連過去エントリ■
・[Book]攻撃進化論-'08-'09 Mode of Football ATTACKING EUROPE(Sports Graphic Number)
・[Book]日本シリーズ完全詳報・常勝軍団、復活!BASEBALL FINAL 2008(Sports Graphic Number)
・[Book]4-2-3-1―サッカーを戦術から理解する



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2009年03月25日

[Book]英語は逆から学べ!実践トレーニング編

英語は逆から学べ!実践トレーニング編(フォレスト出版、著者:苫米地 英人)
英語は逆から学べ!実践トレーニング編 ~聴くだけで英語脳ができるバイノーラルCD付~
苫米地 英人
フォレスト出版
売り上げランキング: 705
おすすめ度の平均: 4.0
1 英文とCDの単語が違う?
3 確かにCDはいい
5 中学生、高校生向き
5 このバイノーラルCDだとなぜか耳が開けた。海外ニュースなどが聞き取りやすい。
4 バイノーラルCDは結構、面白いです。

目次
1 50倍速英語脳プログラム 理論編(日本人が英語が苦手な2つの理由とは?―最新の脳科学が解明した!脳の仕組みに沿った英語勉強法!50倍速英語脳プログラムの理論―ベストセラーとなった『英語は逆から学べ!』の勉強法とは?)
2 50倍速英語脳プログラム トレーニング編(実践トレーニング英文を確認してみよう!会話の日本語訳)
amazonから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・脳科学に沿った英語トレーニングとは何が違うのか?

◆本書を一言で表すと◆
・変わった音源による王道の英語トレーニングのススメ

◆概要&感想◆
以前エントリした「英語は逆から学べ!」の続編となる本書。

前作は理論編で、具体的な学習本ではありませんでした。
本書は前作の理論を元に、実際にトレーニング用の音源と英文等を収録した一冊。

冒頭に書かれている理論部分は前著と同じ。
非常にコンパクトにまとまっていますので、本書だけでも要点は掴めるかと…

本書の肝は付属のCD。
なんでも「バイノーラルCD」というらしく、特別なマイクを使って臨場感を醸しだすことで、聞くだけで脳の活性化を図るのだとか。

実際に聞いてみると…なんだか両耳から音が聞こえてくる印象。
これが臨場感?なのかはわかりませんが、不思議な感じです。
聞こえがいいというか、耳が音を無視できない感じ。
耳が勝手に音の方を向いて集中してしまうというか…

本書の理論編の主張通り、CD内に日本語はナシ。
英語のスピードは早くもなく、遅くもなく普通、といったところ。

本書内でも慣れてきたらシャドーイングを、とありますがちょうど良いスピードかと。
それほど難しいことも言っていないようなので(まだ全部は聞いていませんが)、本のスクリプトや和訳が無くても聞きとれますし、大意は掴めるかと。

ということで、音の不思議さを一度体験してみると面白いかと。
個人的にはシャドーイングの教材として使うと良いのではないかと思います。
本当に英語脳ができるのかどうかはわかりませんが…

上級編の英語は逆から学べ!~上級トレーニング編~超バイノーラル&超デュアルインダクションCD付も発売になっていますので、慣れてきたらそちらにシフトするのもいいかもしれません。

◆オススメしたい方◆
・バイノーラルCDを試してみたい方
・冒頭の理論部分に共感できる方
・シャドーイングの教材を探している方

■関連リンク■
・本書特設ページ(フォレスト出版HP内)
・本書紹介ページ(フォレスト出版HP内)
・ライフハックス心理学(著者 苫米地 英人氏ブログ)

■関連過去エントリ■
・[セミナー](アドバンスド編)発音矯正から始める英語学習講座
・[Book]英語嫌いの東大卒が教える私の英語学習法
・[Book]英会話ヒトリゴト学習法
・[Book]村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける
・[Book]英語は逆から学べ!
・[Book]レバレッジ英語勉強法



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2009年03月24日

[Book]楽しく、ラクに、シンプルに! 英語ハックス

楽しく、ラクに、シンプルに! 英語ハックス(日本実業出版社、著者:佐々木 正悟、堀 E. 正岳 )
楽しく、ラクに、シンプルに! 英語ハックス
佐々木 正悟 堀 E. 正岳
日本実業出版社
売り上げランキング: 2321
おすすめ度の平均: 5.0
5 「脳とツールを使いこなす『快的』英語勉強法」

目次
第1章 一番簡単に覚えられる「英単語記憶」術
 1-1 1日1語、「超頻出」単語だけを100日で覚える 16
 1-2 脳にやさしい「連想的に」覚える方法 20
 1-3 「記録」すれば、続けられるようになる!? 24
 1-4 「日にちをあけて」再テストしてみる 27
 1-5 強い記憶をつくるための「分散学習」 30
 1-6 単語の暗記は「語呂合わせ」で? 33
 1-7 「海外輸入ゲーム」で遊びながら記憶 36
 1-8 『iKnow!』の「BrainSpeed」を試してみる 39
 column 1 私の英語ハック 語呂合わせで覚える、文章の中で覚える 42

第2章 とにかく口に出してみる「スピーキング」術
 2-1 「日本人の耳」は気にしないと決める 44
 2-2 「カタカナ英語」で発音してみる 47
 2-3 英語で「九九」を言えますか? 51
 2-4  「朝起きてから夜寝るまで」の英語表現 54
 2-5 “独り言”も英語で言うなら効果がある? 57
 2-6 一人で英会話を始められる便利ツール 61
 2-7 英会話の練習に最適『えいご漬け バリンガシステム』 64
 2-8 時には「発音矯正ソフト」も活用しよう 67
 column 2 私の英語ハック 「受け手」を意識して話す 70

第3章 いつどこでも耳を浸らせる「リスニング」術
 3-1 通勤時間にただ「聞いているだけ」でもいい!? 72
 3-2 「自分で使えるフレーズ」と「対話」を身につける 76
 3-3 毎晩、英語で夢を見るための方法 80
 3-4 「NHK英語講座」に家族と一緒に取り組む 84
 3-5 AFNを聞くなら「天気予報」だけにする 87
 3-6 「英文法」もリスニングで学んでしまう 90
 column 3 私の英語ハック コミュニケーションを絶対にあきらめない 94

第4章 心地よくすらすら読める「リーディング」術
 4-1 まずは「英語マンガ」を100冊読む 96
 4-2 「翻訳+原著+オーディオ」の3点活用術 100
 4-3 1冊の原著を繰り返し読む理由 103
 4-4 英字新聞は『ジャパンタイムズ』で十分? 106
 4-5 「RSSリーダー」に英語の記事だけ登録 110
 4-6 使い勝手のよい「電子辞書」は? 113
 4-7 聞いて効く!「オバマ大統領演説」学習コース 116
 column 4 私の英語ハックス 興味のあるものしか読まない 120

第5章 迷わず一気に書き出せる「ライティング」術
 5-1 朝一番に思いついた英語をとにかく書いてみる 122
 5-2 「シソーラス」で、“喜怒哀楽”の表現を集める 126
 5-3 アメリカ人のブログにコメントをつける 129
 5-4 英語で「4行日記(ブログ)」を始めてみる 132
 5-5 英作文のスピードを10倍にした『三国志』の“速訳” 137
 column 5 私の英語ハック 「ペーパー」をくどく、くどく、たくさん書く 142

第6章 直前にスコアを引き上げる「TOEIC(R)テスト」術
 6-1 「TOEIC」は何のためのテスト? 144
 6-2 膨大な英語経験をたたき込む「写経メソッド」 148
 6-3 iPodの「ランダム再生」でリスニング力を鍛える 152
 6-4 リーディング問題は“4段階変速ギア”で切り抜ける 156
 6-5 長文問題の負担を軽くする「3つの力」 161
 6-6 語彙力が上がる「単語ダイエット法」 166
 6-7 最後の望みに必ず知っておきたい「マークシートハック」 170
 column 6 私の英語ハック 絶対に最後まで終わらせる 174

第7章 実践的な英語力を駆使する「TOEFL(R)テスト」術
 7-1 目標を決めれば「TOEFL」はむずかしくない? 176
 7-2 「流し読み力」が問われるリーディング問題 180
 7-3 リスニング問題のカギは「キャンパス英語」!? 185
 7-4 実は意外に点数稼ぎができるスピーキング問題 189
 7-5 ライティング問題は「5段×4文」の型に流し込む 194
 7-6 TOEFLテストを「ハック」しよう 199
 column 7 私の英語ハック 「出力」テストでスコアを稼ぐ 204

巻末付録 英語学習で意外に使える便利ツール集
 ▲ページを自動的にめくってくれる「デジタル暗記カード」 206
 ▲「フラッシュカード」を単語カード代わりにする 207
 ▲PCで使える「マインドマップ」で記憶力を高める 208
 ▲英語の声は「ICレコーダー」で再生、聞き取り 209
 ▲化粧より発音のチェックで「メイクミラー」を使う 210
 ▲NHKラジオ講座ファンにおすすめ「ラジオサーバー」 211
 ▲「防水オーディオ」でお風呂リスニング 212
 ▲聞きたい英文が必ず聞ける「英語読み上げソフト」 213
 ▲「ミニノートPC」を電子辞書代わりに持ち歩く 214
日本実業出版社HPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・英語学習のコツを

◆本書を一言で表すと◆
・英語学習を嫌にしないためのハックス集(1つはしっくりくるものがあるはず!)

◆概要&感想◆
先日エントリした「発音矯正から始める英語学習講座(アドバンスド編)」を受講した際、幸運なことに本書をいただくことができました!
(高島先生ありがとうございます!)

というわけで感想を。
本書は「英語学習ハック」をテーマとした心理学ジャーナリストの佐々木正悟さんと、Lifehacking.jpの管理者である堀 E. 正岳さんの共著。
第1章〜第5章までを佐々木正悟さんが、第6章、第7章を堀 E. 正岳さんが書かれています。

面白いのは、「英語ハックス」と言いつつもしっかり心理学的なアプローチなどの裏付けが細やかに描かれていること。
ハックスとはそういうもの、と言ってしまえばそれまでですが、実行するにあたって裏付けがあると実際にやる際にも気持ちが変わってくるかと。

それぞれのハックスは、気軽にできるものからちょっとハードルが高めのものまで様々。
全部やる!というのではなく、自分に合ったものをチョイスしてやってみる、というのが本書のスタイルだと思います。

個人的には、1-1、1-3、2-4、2-5、3-6、5-3あたりがかなり気になりました。
「5-3 アメリカ人のブログにコメントをつける」は、私の場合はブログではないですが、TripAdvisor(英語版)を活用しようかと。

これの海外から日本へ旅行に来る(来ている)方々からの質問コーナーがあります。
例えば、東京であればTokyo Forumsというところです。
こちらの英語の質問にレスをつけることで、ライティングする場にしてみようかな、と。
個人的には、海外からの日本への旅行の満足度を上げたいという思いもあったりするので一石二鳥かと(笑)

あと、6-7のマークシートハックは驚愕です。
先日受験したTOEICですが、受験前に読んでおきたかったかもです。。

巻末付録は、タメになるだけでなく、非常にそそられます。
本書の趣旨からは外れるかもしれませんが、ここだけ読むのもアリかもしれません。

手を抜いて英語をお手軽にマスターしよう、というのではなく、地味に着実に英語学習をする前提で少しでも表題の「楽しく、ラクに、シンプルに!」のとおりにやれないかを追求した本だと思います。

◆オススメしたい方◆
・「楽しく、ラクに、シンプルに!」に英語学習をしたい方
・英語学習をする初級者から上級者まで全ての方
・ハック好きの方
・TOEIC、TOEFL受験予定の方

■関連リンク■
・本書特設ページ(日本実業出版社HP内)
・本書紹介ページ(日本実業出版社HP内)
・ライフハックス心理学(著者 佐々木 正悟氏ブログ)
・メンタルハックス(著者 佐々木 正悟氏ブログ(あすなろblog内))
・Lifehacking.jp(著者 堀 E. 正岳氏ブログ)
・「必要な英語力」だけは身につける4つの英語ハックス(シゴタノ!内)

■関連過去エントリ■
・[セミナー](アドバンスド編)発音矯正から始める英語学習講座
・[Book]英語嫌いの東大卒が教える私の英語学習法
・[Book]英会話ヒトリゴト学習法
・[Book]村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける
・[Book]英語は逆から学べ!
・[Book]レバレッジ英語勉強法



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2009年03月23日

[Book]天使の耳 (講談社文庫)

天使の耳 (講談社文庫)(講談社、著者:東野圭吾)
天使の耳 (講談社文庫)
東野 圭吾
講談社
売り上げランキング: 27080
おすすめ度の平均: 4.5
5 交通事故が混じったオムニバス小説。
4 「鏡の中で」の落とし前のつけ方には不満…。
5 なるほどと
4 車って怖いです…。
4 特に「天使の耳」、「捨てないで」が良い

◆概要&感想◆
東野圭吾さんの交通警察を舞台にした短編集。
これまた一編一編練られていて…
面白かったです。

ミステリーでは交通警察が舞台になることは珍しいと思いますので、面白かったです。
なにより東野さん特有の結末が素晴らしい。
各編が同じ感じになっていないのもさすがです。
弘法筆を選ばず、といいますがその通りですね。。
3.5

■関連過去エントリ■
・[Book]ガリレオの苦悩
・[Book]夜明けの街で
・[Book]流星の絆



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2009年03月22日

[Book]情報革命バブルの崩壊

情報革命バブルの崩壊 (文春新書)(文藝春秋社、著者:山本 一郎)
情報革命バブルの崩壊 (文春新書)
山本 一郎
文藝春秋
売り上げランキング: 45655
おすすめ度の平均: 4.0
2 タイトルと内容がかけ離れているイメージをもった。読まなくても良かったかも。
2 話題豊富だが,ただ書き散らしているという印象
3 「新聞のあり方」が漠然としていて・・・
5 財務的視点の記述のところが面白い
3 いまさら、インフラ企業や新聞社を儲けさせろと言われても、時代錯誤もいいとこ♪

目次
まえがき 「無料文化」を支える過剰期待というバブル
第1章 本当に、新聞はネットに読者を奪われたのか?―ネット広告の媒体価値の実像が見えてきた
第2章 ネット空間はいつから貧民の楽園に成り下がってしまったのか?―「理想郷」ネット社会の荒れ放題
第3章 情報革命バブルとマネーゲームの甘い関係―一罰百戒の「一罰」はなぜ堀江氏だったのか
第4章 ソフトバンクモバイル(SBM)で考える時価総額経営の終焉―崖っぷちの天才・孫正義氏による「価格破壊」
第5章 「ネットの中位性」とネット「無料文化」の見直し―ネット界隈が一般社会の秩序の枠組みに取戻される時
あとがき リーマン破錠、そして宴は終わる
amazonから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・昨今のネット時代に対してどのように警鐘を鳴らしているのか?

◆本書を一言で表すと◆
・情報革命から一歩引いて見ている本

◆概要&感想◆
新鮮な一冊でした。
そしてうまく考えがまとまらない一冊でもありました。

自分も情報革命は続くものだと思ってた一人でしたが…

世の中ネットの時代が到来し、便利になり、この素晴らしさは当面の間続くという風潮が自然になりつつある昨今。
そんな風潮に対して、全く逆の視点から書かれている本書。
納得できる点も多々ありました。

個人的に面白かったのは、第1章、第2章、第5章。
特に、「ネットの中立性」「ネットの無料文化」のあたり。
無料文化というネットにカネを払わないユーザー優先の世界ができたはいいがそれを支えていたのは世界の金余りであって、ユーザーの誰もがお金を払わず、ただ安いインフラ代金程度で未来永劫ネットが成長していくわけがない。

この一文に非常に多くのことが集約されているかと。
情報に関わる事業者、そしてユーザーがいつかぶち当たるであろう大きな壁があることに気がつかされました。
ネット界隈が一般社会の価値観や秩序の枠組みに取り戻され、普通の社会の延長線上にネットがあるのであって、ネットが必ずしも「あちら側」の踏み進むべきフロンティアとは限らない、ということを、よく理解するべきだと考えるのである。

さらに、本書のキモはここかと。
ネットが登場し、普及することで、広く世の中に行きわたりましたが、それは新しい社会ができたことを意味するわけではない、と。

最終的にはこれまでの「普通の社会」にネットが組み込まれていくのであって、現在の状況はまさに「バブル」ということ。

バブルということであれば、いつかは弾けるのが道理。
日本が過去、経済では何度となく経験しているバブルですが、産業界におけるバブルとなると…
まして経済のバブル後の処理も心もとないなか、いかにバブルの処理を行うかが大事になってくると思います。

その情報革命バブルの処理 = ネットを普通の社会に組み込む、ということなのかな、と。
そうなってくると重要なのはネットを普通の社会に組み込む際のルール作り。
このルールをいかに作るか、そして世界の中で日本がいかにそのルール作りに関わるか。

日本はこのルール作りが上手ではない印象があります。
特に世界という舞台ではなおさら。

どうすればうまくソフトランディングできるのか…
ルールを作れるのか…
いろいろと考えてみたいポイントです。

◆気になったポイント◆
今回は個人的な備忘録的な意味も含めて挙げています。
情報など、元から大量にあるのだ。目を通しきれないほどに。情報革命の本質とは、情報そのものが増えたわけではない。情報へアクセスする方法の効率が良くなっただけである。

納得です。増加はしているでしょうが、元から全てを把握するのは土台不可能だったことも事実ですね。
情報化社会は国民の総専門家を促すものであり、一人の人間が持つ情報量に限りがある以上、社会にいる人間同士が価値観や考え方を共有したり相互理解することの妨げになりかねない。

アクセス効率がよくなったために、とび抜けるにはこれまで以上の情報が必要となり、結果専門的にならざるを得ないというロジックは面白かったです。
それが引いては、人と人とのあり方にまで影響を与えているという…
不当な利益を上げる刹那的な事業者に対して、インフラ事業はその公共性、公益性から考えてネットの普及に重点を置く意味で適正な利益を得ることができなかった。

覚えておきたい考え。
モデム時代を考えると、確かに4,000、5,000円であのスピードで使い放題って恐るべきコストパフォーマンスだと思っていましたが…
現在ではついにアメリカでネットの定額制を見直す動きまで出ている。

知りませんでした。
明確なのは、ネットは動画などの大容量通信をすべての利用者が同時に行うようなメディアに向いていないし、これを解決する方策自体が技術的に見当たらないということだ。

利用率を考えてみるとやっぱり80:20の法則あたりに落ち着くことになるんでしょうか…
それならいいのでしょうが。
無料文化とネットに対する設備投資の見返りが乏しいという現実の問題は、これからもっと先鋭化していくだろう。

見返りが乏しい分野をいつまでも支える慈善的な事業者がいるかというと…
そうなると自ずと進むべき道は限られますね、確かに。
特定の高収益なネットサービスをその創業から成長期において大いに拡大しながらも、その参入障壁の低さゆえに他者との決定的な差別化を図ることがついにできず、規模や機能の拡大のために市場からの調達に常に依存しなければならないことにある。

儲かる仕組みの陳腐化のスピードが速すぎて、そこで得た資金をより実業に近い事業の買収に充当して、規模の拡大を狙わなければ生き残ることができないのだ。

ネット時代の功罪の一つですね。
そう考えると必然の流れのような気もしてきます。

◆オススメしたい方◆
・情報革命の恩恵を一身に受けている方
・情報革命ってバブルなの?という方
・今のネットの状況はずっと続くと思う方
・情報の未来について考えてみたい方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(文藝春秋社HP内)
・切込隊長BLOG(ブログ) Lead‐off man's Blo(著者 山本 一郎氏ブログ)

■関連過去エントリ■
・[Book]すべての経済はバブルに通じる
・[Book]ジャーナリズム崩壊
・[Book]次世代マーケティングプラットフォーム



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2009年03月21日

[Book]ジャーナリズム崩壊

ジャーナリズム崩壊(幻冬舎、著者:上杉 隆)
ジャーナリズム崩壊 (幻冬舎新書)
上杉 隆
幻冬舎
売り上げランキング: 8108
おすすめ度の平均: 4.0
4 権威あるいは権力に寄り添わないジャーナリズム論
4 出羽守さまが斬る!記者クラブを中心とした日本のジャーナリズムのおかしさを
4 ここもおかしいよ、日本のマスコミって感じか。。。しかし、おかしすぎだろ
5 世界に名だたる日本の恥、“記者クラブ”が、新書でまとめられてます。
5 最近、秋篠宮殿下のご長男・悠仁さまがどうしてマスコミに出てこないのかもわかります

目次
第1章 日本にジャーナリズムは存在するか?(空想でしかない「客観報道」、メモ合わせ、自由な言論を許さないメディア、編集と経営、しばり、癒着)
第2章 お笑い記者クラブ(笑われる日本人記者、メディア界のアパルトヘイト)
第3章 ジャーナリストの誇りと責任(署名記事、実名報道、均一化したエリート記者たち)
第4章 記者クラブとは何か(記者クラブの誕生、日米メディアをめぐる誤解、英訳・キシャクラブ、都庁記者クラブの場合)
第5章 健全なジャーナリズムとは(アフガニスタン・ルール、過ちを認めない新聞、日本新聞協会の見解)
amazonから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・日本のジャーナリズムと日本以外のジャーナリズムの違うのか?

◆本書を一言で表すと◆
・悲しい日本のメディアの現実(著者から見た視点)

◆概要&感想◆
ここに書いてあることが事実なのであれば(かなりの部分が事実なのだと思いますが)、非常に悲しいというか情けないというか…

主に「記者クラブ」や、フリーランスを除く記者の方々のいかにも「日本的」な行動がつぶさに描かれています。
なかなか表に出てこない世界だけに、メディアというある種閉鎖的な世界から、広く世間に向けたリーク、と捉えることもできると思います。
本書を世に出すことで、さぞ組織所属の同業者からは疎まれるであろうこと間違いなしの一冊かと。

メディアの世界が舞台なので、報じる側のおひざ元ということもあり、最もメディアが報じない世界の話。
特に日本のメディア内では、お互いの足を引っ張る報道はご法度、極めて甘い対応をするという不文律があるようですのでなおさらなのかな、と。

そんな世界で、中からも外からも見ている筆者がこれまでの経験を元にした考えをオープンにぶつけていて、非常に面白いです。

例えば最近よく聞く「記者クラブ」の閉鎖性。
日本の報道における諸悪の根源のような言い方をよくされますが、筆者としては一定の効用は認めていて、廃止ではなく、解放がよいと考えている、など。

読後思ったことは、逆方向からの意見を聞きたい、ということ。

筆者は、議員秘書という政治の世界から、ニューヨークタイムズという媒体の記者を経てフリーランスとなっています。
議員秘書というメディアと付き合う立場、そしてニューヨークタイムズ記者及びフリーランスといういわゆる日本のメディア村からはやや外れた場所に位置するメディアとしての立場を経験されています。

第三者では無いので当然といえば当然ですが、視点がある方向に固定されている、と感じなくもありません。
とはいえ、恐らく本書に書かれていることがほぼそのまま日本におけるメディアの実態なのだと思いますが、それでも異なる立場の方(例えば日本のメディア所属一筋の方など)の意見を聞きたくもあります。
もちろん記名で(笑)

もう1点感じたこと。
個人的には、日本のメディアによる報道はほぼ皆が同じ方向、同じ姿勢で報道していると感じるため、ある方向に突き進んだ時の危うさを感じています。
煽りとか偏向報道ではないか、と感じることもありますし。

ニュースのソースとしてもちろん見ていますが、その反面皆が同じ記事を書くのではなく、著者が本書内に書かれているとおり、通信社としての仕事とその記事を深く掘り下げるような調査報道とに分かれていいと思っています。
というか、そうなってほしいと思っています。

そもそも日本の場合は、調査報道の部分は週刊誌や経済誌などが担っているから住み分けはできている、という声もあるかもしれませんが、海外では多様なメディアで調査報道をやっているわけで。

現在ネットで流通している情報もソースは従来メディアであることは承知しています。
しかし今の仕組みのままでは、発表報道発の情報ではあまり価値をつけられないとも思います。
少なくとも多くのメディアで、同じ発表報道を行っても共倒れになるのではないか、と。

情報に付加価値をつけて、価値のある情報を扱うことで、メディアとしての価値を上げるという意味で、日本のメディアでももっと調査報道が活発になってもいいのではないかな、と思ったりします。
それができれば、例えばネットで脅かされるメディアではなく、ネットを利用できるメディアといったように立ち位置の変換を行うための一つの方策になり得るのではないでしょうか。

現在の日本のメディアが抱える問題点を浮き彫りにしているという点で勉強になった一冊でした。

◆気になったポイント◆
アフガニスタン・ルール

ニューヨークタイムスとしての姿勢が垣間見られる話だと思います。
個人的には日本の各メディアにもこうしたこだわりがあると嬉しいなぁ、と思ったりもします。
これが一つの個性とも言えると思うので。

◆オススメしたい方◆
・海外メディアから見た日本のメディアに興味がある方
・記者クラブに興味がある方
・日本の報道の舞台裏に興味がある方
・メディアを目指している方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(幻冬舎HP内)
・週刊 上杉隆(著者 上杉隆氏連載(ダイヤモンドオンライン内))

■関連過去エントリ■
・[Book]ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層 (新潮新書)
・[Book]次世代マーケティングプラットフォーム



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2009年03月20日

[Book]アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)(文藝春秋社、著者:町山 智浩)
アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)
町山 智浩
文藝春秋
売り上げランキング: 1631
おすすめ度の平均: 4.5
5 通常、日本人が知りえない、多くのアメリカ人やアメリカ社会の現実を教えてくれる素晴らしい本です。
4 おもしろい!でも著者というより訳者。
3 面白いけれど。
4 町山氏が愛してやまないアメリカを上手に描写している
5 日本人よ、もっとしっかりしよう!

目次
●暴走する宗教
ブッシュが推進する絶対禁欲性教育のムチャクチャな正体
子どもにブッシュを拝ませる福音派洗脳キャンプ
キリスト教ディズニーランドの廃墟で泣く史上最大の宗教サギ師の息子
ドライブスルー教会にプロレス伝道師
大統領を決める男はテレタビーズが大嫌い
神様、兵隊さんを殺してくれてありがとう!
クリスマスを異教徒から守れ! 宗教右派が仕掛けたクリスマス文化戦争
ほか

●デタラメな戦争
「エラの谷」戦場の狂気がアメリカに帰還する
アメリカは拷問まで海外にアウトソーシング
ランボーの戦いは全部スカだった
政府がコントロールできない戦争株式会社
ソ連を倒してタリバンを育てた男
ほか

●バブル経済と格差社会
アメリカを食いつぶすウォルマート
ポラロイド倒産で社員が得たものは?
マリファナの売人はセレブな未亡人
年収360万円の若造に2億円の住宅ローン
メイド・イン・チャイナの星条旗を禁止せよ
アメリカのトウモロコシ畑は日本より広い
ミッキー・マウスを十字架にかける牧師
ほか

●腐った政治
ブッシュとブッシュマンをつなぐ男
実用化された電気自動車はなぜ消えた?
全米の歴史学者がブッシュを史上最低の大統領に認定
『ブッシュ暗殺』は「奴ら」の思うツボ
イラク空爆の導師も高級デートクラブの顧客
隠れゲイの反ゲイ政治家とヤったゲイ募集!
選挙に勝つなら何でもする「ブッシュの頭脳」
ブッシュの伝記映画の重大な事実誤認とは?
ほか

●ウソだらけのメディア
イラク戦争を操ったメディアの帝王ルパート・マードック
ブッシュと記者団に恥をかかせた勇気あるコメディアン
魔女狩り軍団と戦った三人の歌姫ディクシー・チックス
「オバマ候補はイスラムのスパイだ!」
「ザ・シンプソンズ」が親方FOXに反乱
老舗のお笑い番組がヒラリーを救った
ほか

●アメリカを救うのは誰か
「奴隷制度の賠償してくれる人に投票するよ」
「黒人が大統領候補になれるのは50年先だ!」
不死鳥マケインは拷問より親父が怖い
はぐれ牛マケイン、右も左も蹴っ飛ばせ
アメリカの時代は終わるのか
ほか
●終章 アメリカの時代は終わるのか
ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記から引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・日本にいると見えづらい、中から見たアメリカはどんな感じ?

◆本書を一言で表すと◆
・驚愕のアメリカの現実(の一面)とその未来がよくわかる一冊

◆概要&感想◆
「本書に書かれていることは全てフィクションです」
そんな一文を探したくなるくらい、衝撃的な内容。

読後、色々な思いが押し寄せます。
ざっと挙げてみても
・単純にエッセイとして面白かった
・というかこれって本当?
・本当ならものすごく怖い…
・アメリカの将来、大丈夫なんだろうか
・これまではアメリカの陰陽の陽の部分しか表に出てきていなかった?
・これだけのこと書いて著者の町山さんは大丈夫?
・日本っていい国なんだなぁー
・もしかして普段日本がイマイチと思ったりするのは、ひたすらアラさがししているからなのか?
 → マスコミに扇動されている??
・問題が無い国なんて無いんだろうなぁ
などなど。。

そもそもは週刊文春の連載エッセイとのこと。
普通に読むと映画ネタを多く含むコラムなのですが、冒頭の入りが映画ネタというだけで、そこからは様々な面からアメリカという国を生々しく切り取っています。

本書のテーマは2つあるかと。
一つは、とかくステレオタイプで伝われがちなアメリカという国の実態。
もう一つは、アメリカという国の実態を踏まえた、アメリカという国の行く末。

単純に字面を読むと、アメリカという国の抱える不安要素が多々描かれており、現実であればとてもアメリカという国は持たないと思ってしまいます。
目次にもありますが、信じられないような話のオンパレードなので。。

ただ、本書のメインはアメリカという国を面白おかしく紹介することではなく、実態を踏まえた上でアメリカという国の可能性について考えてみる、ということかと感じました。

そういう意味で「終章 アメリカの時代は終わるのか」が非常に効いてくるかと。

著者は現在もアメリカに住んでいます。
アメリカちへの愛着をもちろん感じますが、それだけでなく、これだけの現実を知りつつ、それでもアメリカに住むだけの理由がある。
そこにアメリカという国の将来のポイントがあるのだと思います。

著者も本書内で以下のように書いています。
それでもアメリカに希望がないわけじゃない。
どこの国よりも激しく、その血を入れ替え続けているからだ。

一元的なアメリカを守りたい人々には嫌だろうが、アメリカは世界と血管をつなげて新しい血を取り入れている。
それがアメリカを再生させるかもしれない。

進化論を教えない面があるかと思えば、今後何十年もないと思われていた黒人大統領を選出させる面もあるアメリカ。
懐が深いというか、何というか。
日本に普通にいる分にはある一面しか見えてこないのだと改めて感じさせられた一冊。
非常に面白かったです。

◆気になったポイント◆
アメリカの大学で博士号を取得する者の4割が海外出身者で、2010年にはなんと7割を超える!

以外でした。同様に2040年頃までには白人がマイノリティになるという話も。
会社の同僚のホーム・パーティに行けば、韓国、インド、ロシア、フィリピン、ドイツ、ブラジル…。
世界じゅうの家庭料理が持ち寄られ、いろんな訛りの英語が飛び交う。
マルチ・ナショナルで、マルチ・エスニックだ。
一生に一度も外国に行かず、外国について何も知らず、聖書以外の価値を否定する「ブッシュ的な」アメリカ人たちのいっぽうで、こんな虹色のアメリカもある。

多様な面を見せるアメリカが見てとれました。
将来世界の至るところでこうした光景が見られるようになる気もします。
問題はそれが日本でもそうなるのかどうか、ということかと。
母国同士が対立していても、ここではみんな隣人で、結婚したりもする。世界各国の事情は遠い外国のことではなく、常にご近所の問題として感じられる。ここに住むことは「世界」に住むことだ。

世界の縮図としてのアメリカ。
そんな場にいるのであれば、確かに動く必要はないですね。。

◆オススメしたい方◆
・アメリカの真の姿を知りたい方
・面白いエッセイ集を読みたい方
・アメリカの大統領選、メディアなどに興味がある方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(文藝春秋社HP内)
・ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記(著者 町山智浩氏ブログ)

■関連過去エントリ■
・[Book]ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層 (新潮新書)
・[Book]ルポ 貧困大国アメリカ



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2009年03月19日

[Book][デザイン]クチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング

クチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング(日経BP社、著者:コグレ マサト、いしたに まさき)
クチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング
コグレ マサト いしたに まさき
日経BP社
売り上げランキング: 30198
おすすめ度の平均:
4.0
3 blogの書き方が分かりました
4 ブログの活況とそのマーケティングへの活用について
4 サイト評価チェックシートというのは面白い!
5 体験に基づく良書
4 ブロガーのための本

目次
第1章ブログ・メディアの登場
 1-1 メディア化する個人ブログ
 1-2 クチコミの正体
 1-3 意外なコンテンツがアクセスを集める
 1-4 消費者はすでにWeb2.0の渦中にいる
 column ブロガーの本音 徳力基彦さん

第2章ブログのクチコミ・パワー
 2-1 クチコミの起こし方
 2-2 継続は力なり
 2-3 炎上とどう向き合うか
 2-4 ふつうのブログがメディア化する瞬間
 column ブロガーの本音 みらのさん

第3章クチコミの効果測定
 3-1 なぜサイトを評価する必要があるのか
 3-2 サイト評価の方法
 3-3 クチコミの効果を調べる
 column ブロガーの本音 永沢和義さん

第4章アフィリエイトとアドセンス
 4-1 影の主役アフィリエイト
 4-2 アドセンスという起爆剤
 column ブロガーの本音4 栗先生さん

第5章事例に学ぶクチコミのネタ
 5-1 試用レポートが話題になるワケ
 5-2 ソフトのクチコミはあの手この手
 column ブロガーの本音5 ジェット☆ダイスケさん

第6章開発者に聞いてみた
 6-1 Movable Type日本語化の舞台裏
 6-2 更新情報の収集とブログ検索
クチコミの技術
広告に頼らない共感型マーケティング公式BLOG
から引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・ブログによるクチコミはなぜ有効なのか?

◆本書を一言で表すと◆
・ブログマーケティングのススメ

◆概要&感想◆
「視覚マーケティングのススメ」と同じく、[N]X[S]ブログデザイン勉強会の課題図書として読みました。

基本的に、マーケティングの担当者をターゲットとする体裁で書かれていますが、実際にはブログのプロお二人による「地に足の着いたブログ論」のように感じました(偉そうな表現でスミマセン…)。

本書の特徴は何といっても、アルファブロガー コグレ マサトさんと、クチコミの伝道師 いしたに まさきさんというお二人のブログの経験が下地になっていることかと。

お二人のブログで実際にあったケースや、お二人から見た企業における成功例などが取り扱われているので、わかりやすいだけでなく、何より説得力があります。

私個人としては、ブログにこれ以上ないくらい精通されているお二人が改めて「ブログ」というメディアを丁寧に、かつわかりやすく解説されている点が印象的でした。

難しいことをやさしく説明するのが最も難しい、とよく言われますが本書はまさにこれを達成しているかと。
お二人はブログの伝道師なのかなぁ、などと思いながら読みました。

本書で書かれている内容は、現在さらに加速しているように感じます。
本書が発刊されたのは2年前ですが、ブログの存在感は増しており、「はてブ」に代表されるクチコミの仕組みや仕掛けのパワーはますます勢いを加速させている気がします。

ただ、本書に書かれているブログの基本の部分は全く変わっておらず、本書を読めば十分今の流れにもついていけるかと。

ビジネスとして、個人としてに関わらず、どちらのケースでもブログをやってみよう、いまさらだけどブログってどうなの?という方に最適ではないかと思います。

そういう私自身、第3章に書かれている効果測定が全くできていなことに改めて気がつきました。
本書についている「サイト評価チェックシート」、活用してみようと思います。
ブログの基本をあらためて抑えられた一冊でした。
個人ブログが影響力を持ち始めるとき
1.半年間以上にわたって毎日更新する → 「畑を耕す」
2.蓄積したエントリーの数が300を超える → 「種をまく」
3.一日のPVが500以上になる → 「作物を刈り取る」

とりあえず本書内に書かれていたこれが当面の目標です!
◆気になったポイント◆
ネットでは個人が運営するブログが企業のサイトと同じような影響力を持つということです。

影響力の観点から、マーケティングという戦略において、個人が運営するブログは無視できません。
その価値を認めるところから始まると思うのですが…
できていないように見受けられることも多々ありますね。
「生身の人間が書いている」ように感じられ、親しみがわいてくるのです。

この親しみ、親近感が旧来のマーケティングには欠けがちであったポイントだと思います。
そしてこの親しみや親近感が積み重なり、蓄積されていくと「信頼感」につながっていくのかな、と。
これらトータルの背景として、基盤として出てくるのが「ブランディング」になるのかな、などとも思いました。
ブログを読み続けることでブロガーが友人であるかのような感覚になるというのは、クチコミにおいて重要なことです。

これ、実際にありますね。
たとえ直に会ったことがなくても、そのような感覚になることはあると思います。
一度でも会えたりすればなおのこと。
反応のループが起こる

ブログ上でつながりが発生する際のキーワードの一つが「反応のループが起こる」だと思います。
クチコミのための7カ条
1.自分の言葉で語る
2.頻繁に更新する
3.コメントやトラックバックを受け付ける
4.ブログを通じて会話する
5.質の高い製品やサービスを扱う
6.ストーリーを提供する
7.ネタを提供する

このブログで肝に銘じておきたいこと。
これに「体験の共有」があればなお良しかと。
どれも難しいですが…
炎上とどう向き合うか
これはやってはいけない
1.嘘をつく
2.謝らない
3.対応のスピードが遅い
4.記事広告であることを隠す
5.ブロガーを対等に扱わない

炎上に限った話ではないですね、人としての対応のような気もします。
ただ、できていないケースが散見されますが。。
客観的な数字で「影響力」を測る
1.アクセス数が多い → アクセス数を調べる
2.検索エンジンの結果で上位に表示される → 検索結果を調べる
3.コンテンツの量が多い → コンテンツの量を調べる

客観的な指標として測るためにも、3つの切り口で定期的な観測を行う必要がある、と。

◆オススメしたい方◆
・ブログに興味がある方
・ブログマーケティングに興味がある方
・クチコミに興味がある方
・難しいことをやさしく書いた本に興味がある方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(日経BP社HP内)
・クチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング公式BLOG
・ネタフル(著者 コグレ マサトさんブログ)
・[mi]みたいもん!(著者 いしたに まさきさんブログ)
・【開催】ネタフル x シカマケ = ブログデザイン勉強会【募集】(ネタフル内)

■関連過去エントリ■
・[デザイン][N]X[S]ブログデザイン勉強会
・[Book][デザイン]視覚マーケティングのススメ
・[デザイン][N]X[S]ブログデザイン勉強会に参加してきました!


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2009年03月17日

[Book][デザイン]視覚マーケティングのススメ

視覚マーケティングのススメ(クロスメディア・パブリッシング、著者:ウジ トモコ)
視覚マーケティングのススメ (アスカビジネス)
ウジ トモコ
クロスメディア・パブリッシング
売り上げランキング: 2379
おすすめ度の平均: 4.5
5 デザインとマーケティングを融合させて語ったNO1本だ。
5 デザインの持つ威力を生かしてマーケティングを実践していこう
5 こういうのが欲しかった
5 デザインを「クラス」と「タイプ」で読み解く
3 文中の理論を表紙のデザインで体現してほしかった。。。

目次
はじめに

第一部 少ない投資で大きく儲けるデザイン戦略
・未来を見据えながらブランドを育てる
・大切なのは、デザインをどう活かすのか考えること
・クラスとタイプで市場価値を上げる
・デザインの持つ資産価値
・効果的な商品展開を考えよう

PART1 デザインで「商品・サービス」力を上げる
・ぱっと目で市場を拡大させるための技術
・マッチングの重要性
・良いものを知るということ
・良い料理をつくるには? = 良いデザインをつくるには?

PART2 デザインで「価格」を上げる
・クラスアップデザイン術
・ビジュアルアイデンティティとブランド化

PART3 デザインで「売上」を上げる
・ブランディングしない症候群
・プロモーションしないで、ただ待っていてはダメ
・「マス」と「ニッチ」のアドバタイジングデザイン
・本当に広告でモノは売れるの?
・売上アップデザイン術

PART4 デザインで「顧客満足度」を上げる
・デザインに託されたミッション
・あなたの商品・サービスにデザインを導入しよう
・顧客満足度アップデザイン術

PART5 デザインで「広告・宣伝」効果を上げる
・大原則! デザインは先に決めてしまう
・人が「見て」感じることはとてもシンプル
・"つかむ"デザインと"引く"デザイン
・デザインで心を動かすには
・中小企業は"感心する"デザインを使え
・"強さ"と同じく"美しさ"も心を動かす

PART6 デザインで「マネジメント」を変える
・類は類を呼ぶ
・「見せる」ことで、対象を引きよせる
・デザインで人材マッチング力を上げる
・デザインでモチベーションを上げる
・インテリアデザインで社風のバージョンアップ
・"見せて終わり"のビジュアルコミュニケーション
・デザインで社内教育
・デザインで行動規範を思い出させる
・デザインで階級を上げる
・デザインでチーム力を上げる
・デザインで経営戦略

第2部 デザイン・センスを磨く5つのポイント

Point1 文字・・・デザインの「人格」は9割「文字組」で決まる
・文字を知る
・文字を選ぶ
・文字を使う

Point2 レイアウト・・・機能を理解して、感覚的効果まで狙う
・レイアウトを知る
・レイアウトで視覚効果をアップ
・デザインやレイアウトをビジネスに使う

Point3 配色・・・可能性とモチベーションの切り札
・いろいろな話
・色を選ぶ
・色を使う

Point4 トーン&マナー・・・知られざる"プロフェッショナル"の世界
・自社に合ったトーン&マナーを採用する
・より多くの見込み客にアプローチする
・低コスト、高パフォーマンスの広告戦略
・オリジナルデザイン+トーン&マナー=最強ビジネスツールの原則

Point5 コピー・・・最強のパートナー
・大事なのは役割分担と情報伝達のしくみ
・コピーがダメだとデザインもダメという道連れの原則
・コピーとデザインは補完の関係
・飛躍の鍵はあなたとデザインの関係

おわりに

巻末付録
クロスメディア・パブリッシング社HPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・デザインの役割って?
・デザインは何をもたらすのか?

◆本書を一言で表すと◆
・「デザイン」の有用性がわかるはじめの一冊

◆概要&感想◆
前から興味がありながら読んでいなかったこの本。
[N]X[S]ブログデザイン勉強会の先生であるウジトモコさんの著書であり、勉強会の課題図書でもあったので、第1回目の前に読みました。

いかにデザインについて自分が誤解しているか、デザインに本腰を入れないことでもったいないことをしているのか非常によくわかりました。
デザインとは資産であり、消耗品ではありません。

デザインは365日、24時間休まずに働き続けます。

何といっても冒頭のこの2つにやられました。
考えるまでもなく、仰るとおりなのですが意識していなかったせいか、全く考えが及んでいませんでした。
本当にもったいない。

本書を読んで思ったのが、どうしてデザインって一部のプロの人のもの、という認識(少なくとも私の周囲では)になっているのか、ということ。
私もそうだったので大きなことは言えませんが…
教育なのか、そういう風潮なのか。。
デザインとは装飾(decoration)のことではありません。
デザイン(design)とは意図や意匠であり、配置や設計のことを意味しています。

私も誤って考えていましたが、上記のようなことだと思うのです。
ということは、一部のプロの人のものではなく、全てに関わってくる基本的な要件なのでは、と。
自分の意識の低さにただただ反省でした。

昔、仕事でWebサイトのデザインをお願いしたことがあります。
が、その時自分がどんな考えを持ち、どのようにお願いして、どのように思われていたか考えると…
今すぐにでもお詫びしたい気分です。。

第2部のデザイン・センスを磨く5つのポイントはお役立ちの部分。
文字、レイアウト、配色、トーン&マナー、コピー、どれも知らないことだらけでした。

個人的には特に、文字とトーン&マナー。
まずはこれらのポイントを意識だけでもするところからスタートです(汗)

表題は視覚マーケティングということで、見せるマーケティング = デザインに興味がある方が手に取りそうですが、
むしろデザインに興味が無い方に読んでいただきたい一冊。
著者のウジ先生のターゲットもその層だと思います。

ビジネスにおけるデザインについてのはじめの一冊としてぜひ。
個人的にはデザインについて学び、考えたくなる一冊でした。

◆気になったポイント◆
デザインとは、いわば市場の選択であり市場の拡大です。
言いかえれば、あなたの会社の商品が誰にとって価値があるかを伝える手段がデザインであり、これがブランディングなのです。

「ブランディング」ってそういうことだったんだ、と理解できたポイントでした。
トーン&マナーとはある企業や商品、あるいはサービスにただよう”世界観”や”雰囲気”と思っていただけるとわかりやすいでしょう。

この「トーン&マナー」と「クラスとタイプ」を意識し、ハッキリさせることで、デザインのゴールが決まるということかと。
良い素材、すなわち良い書体、良い写真、上質なコピーを選ぶことはとても重要です。

肝に銘じておきます。
”実用性”と”デザイン”を相反するものとして考えるのではなく、単一の軸に”実用性”と”デザイン”が同じベクトルを向いて存在していると考えてください。

前者のように誤った認識を持っていたポイント。自戒も込めて。
エンジニアとクリエイターとマーケッターの連携

昔の仕事で欠けていたもの。
はじめに○○ありきじゃないということですね。
デザインの「人格」は9割「文字組」で決まる

これも肝に銘じておきたいポイントでした。
あなたを助け、あなたの会社の利益を上げてくれないデザインは、あなたのビジュアルマネージャーではありません。
あなたの経営を助けることができるデザインこそが真のパートナーになり得るのです。

勉強会参加にあたり、
・会社の利益 = 本ブログへのアクセス
・経営 = ブログ
に読み替えて考えたい一節。

◆オススメしたい方◆
・視覚マーケティングやデザインって何?という方
・ブランディングに興味がある方
・デザインで何ができるのか知りたい方
・「良いデザイン」について考えてみたい方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(クロスメディア・パブリッシング社HP内)
・視覚マーケティングのススメ/公式BLOG
・使える「デザインセミナ-」(著者:ウジトモコさんブログ
・ウジパブリシティーHP

■関連過去エントリ■
・[デザイン][N]X[S]ブログデザイン勉強会に参加してきました!



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2009年03月15日

[Book]CREA TRAVELLER (クレア トラベラー) 2009年 03月号

CREA TRAVELLER (クレア トラベラー) 2009年 03月号 マリア・テレジアとエリザベートが愛した2つの古都のすべて・ウィーン&ブダペスト-ハプスブルク家・皇妃たちの物語(文藝春秋)
CREA TRAVELLER (クレア トラベラー) 2009年 03月号 [雑誌]

文藝春秋
おすすめ度の平均: 4.0
4 写真がきれい

目次
Special 1
マリア・テレジアとエリザベートが愛した
2つの古都のすべて
ウィーン&ブダペスト
ハプスブルク家、皇妃たちの物語。

Wien & Budapest, Habsburg Empresses
WIEN
千年帝国の古都に漂う
栄華とロマンの薫り。
マリア・テレジアとエリザベート
美しくも儚き王家の華。

Maria Theresia & Elisabeth
2人の皇妃の素顔を知るための20の逸話。
ベルヴェデーレ宮殿、シェーンブルン宮殿、王宮……2人の生と死をめぐる13の史跡を訪ねて。
美食の交差点ウィーンを
味わいつくす。 Gourmet
街角に佇むカフェという
オアシス。 Cafes
東京で食べられる
最高のオーストリア。
Meister's Restaurant

皇室御用達から最新モードまで
ウィーンで思い出の品に出会う。
Memorial Things
王侯気分を味わえる
最高のホテルはここです。
Luxury Stay

Column
没後200周年記念。
ハイドンを巡る小さな旅へ。

Intermission
中世の雰囲気が残る
もうひとつの王都インスブルック。
INNSBRUCK

ハプスブルク家のもう一つの首都、インスブルックの魅力をあますところなく紹介。

Column
ハプスブルクと音楽(1)
BUDAPEST
ブダペスト、王妃が愛した
心の故郷。
エリザベートが、ハンガリーで見つけたひとときの幸せ。

Elisabeth's BUDAPEST
国立オペラ歌劇場の美麗、ゲデレー城の安逸、乗馬の愉楽。
王妃を魅了した
豊かな文化の恵み。 Culture

荘厳なるマーチャーシュ教会、麗しきバレエ、輝ける名窯ヘレンド。
ブダペストで優雅なグルメ時間を。
Gourmet

モダンとレトロが融合する
美食の街を一挙に紹介。
この地の愉悦といえば、
やっぱり温泉スパ! Spas
ショッピングは、陶磁器&
アンティークをお目当てに。 Shops
厳選のハイクオリティホテルで、
極上の滞在を。 Hotels

Column
ハプスブルクと音楽(2)

Map
ウィーン&インスブルック&ブダペスト、詳細Map。

Special 2
ボラカイ島、セブ島、ボホール島
日本から最も近い
楽園アイランドへ。

Paradise Island
フィリピンの島々、そこは日本からいちばん近いパラダイス。ターコイズブルーの愉楽に浸る旅の提案。
Short Trip
クロアチア、アドリア海の
リゾート王国へ。

バルカン半島に位置し、豊かな自然と景観に恵まれたクロアチア。欧州セレブリティに愛される極上のリゾートエリアへ。
バリ 一期一会を探す旅。

別格のアジアンリゾート、バリ島。ここでしか体験できない癒しを求めて。
Fashion
静謐なるコントラスト。

in Style Cartier
ロイヤルジュエリー、至高の輝き。

in Style NEW LOOK
Short Trip

作家・蜂谷 涼さんが案内する
「小樽浪漫紀行」

明治以来、大陸との貿易の拠点として栄えた北の商都、小樽。古きよき時代の遺産からアップトゥデイトな多様性までを徹底案内!
Column

My best memory no.2
池谷裕二 「コスタリカ」

Around the World no.2
モナコとパリの新しい食の店

Cinema & Trip no.2
ウィーンが舞台の名画 文 山縣みどり
Regulars
忘れじの光景

イラスト 朝倉めぐみ
村治佳織のカラフルな日々

写真・文 村治佳織
人に旅あり、旅に人あり。

写真・文 福田和也
美しい宿、美しいクルマ

第13回 Hostellerie Avances Soiree × FIAT500
うまうま旅ごはん

第13回 秋田でほんわか 文 さとなお
旅支度の中身、拝見!

第2回 森井ユカさん
旅先で読みたい本&旅先で読んだ本

第2回 中江有里さん
ホテルブランド名鑑

第2回 マンダリン オリエンタル 東京
伊藤まさこ「信州おいしいもの探訪」

第1回 小布施
Information
* 今月のおすすめ&ショップリスト
* 今月号のプレゼント
* バックナンバーのお知らせ
* 次号予告&定期購読のお知らせ
CREA Traveller HPから引用させていただきました)

◆本書を一言で表すと◆
・ハプスブルグ家にとってのウィーン&ブダペスト with 美麗写真

◆概要&感想◆
たまには旅行雑誌を取り上げてみたいと思います。
元々CREA Travellerはキレイな写真満載の本なので好きで、できれば隔月刊行ではなく、毎月刊行にしてほしいと思っている雑誌の一つ。

今号の表紙は、荘厳なイメージのシェーンブルン宮殿。
書店で平積みになっているこの表紙に引き込まれました。

元々中欧は興味があるところ。
高校時代世界史で習ったハプスブルグ家が隆盛を誇った地というくらいの知識でしたが、純粋に街として美しいイメージがありヨーロッパでも行ってみたいところの一つ。

旅行雑誌らしく、見所の紹介をしつつも、ハプスブルグ家がウィーン&ブダペストにどのように関わっていたのか、など歴史の勉強にもなります。
そして特筆すべきは宮殿内や街並み、食事等の写真の美しさ。

そんな美しい写真がふんだんに盛り込まれている上に、紙もしっかりしたものを使っている印象。
その分、雑誌自体が重くなっていますが、これはどちらを取るかというところなので仕方がないかと。

いわゆる旅行のガイドブックを補完している雑誌、という感じでしょうか。
むしろターゲットが女性の雑誌でもあるので、コンセプトがわかりやすいのも利点かと。
情報も最新のものなので、中欧方面への旅行を計画している方であればぜひご一読を。

きっとウィーン&ブダペストを旅行の計画に加えたくなります。

ちなみに毛色がたいぶ変わりますが、Special 2の島もかなり魅力的です。

◆学び◆
・ウィーン&ブダペストは今でも名家の名残が息づいている街

◆オススメしたい方◆
・中欧に興味がある方
・ハプスブルグ家に興味がある方
・名家と街の関わりに興味がある方
・海外の島に行きたい方
・海外の美麗な写真を見たい方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(文藝春秋HP内)

■関連過去エントリ■
・[Travel][Book]Travel Community Magazine 4travelを読んでみた



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2009年03月05日

[Book]世界の動物園

世界の動物園(ランダムハウス講談社、著者:奥宮 誠次)
世界の動物園
世界の動物園
posted with amazlet at 09.02.27
奥宮 誠次
ランダムハウス講談社
売り上げランキング: 109903
おすすめ度の平均: 4.5
4 動物園に行った気分が、動物園へと誘う。
5 動物園がいっぱい

収録動物園:
バルセロナ動物園、ロンドン動物園、アントワープ動物園、ザルツブルグ動物園、ブダペスト動物園、
ベルリン動物園、 ロッテルダム動物園、アルティス動物園(アムステルダム)、 
プランケンデール動物園(ベルギー)、ハーゲンベック動物園(ドイツ)、シェーンブルン動物園、
パリ動物園、チューリッヒ動物園、フランクフルト動物園、モスクワ動物園、リスボン動物園(ポルトガル)、
ロロパーク(スペイン)、ローマ動物園、東ベルリン動物園、ガルダ動物公園(イタリア)、 旭川市旭山動物園、
北京動物園、東京都恩賜上野動物園、到津の森公園(北九州市)、シンガポール動物園、よこはま動物園 ズーラシア、
子供の大公園(ソウル)、上海動物園、愛媛県立とべ動物園、名古屋市東山動植物園、ドゥシット動物園(バンコク)、
広島市安佐動物公園、ブロンクス動物園(ニューヨーク)、トロント動物園、セントラルパーク動物園、
ジャージー動物園(イギリス)、 サンディエゴ動物園
ランダムハウス講談社HPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・ビジュアルで世界の動物園を感じる

◆本書を一言で表すと◆
・「今、世界中で動物園がおもしろいワケ」のビジュアル版

◆概要&感想◆
本書は、先日エントリした「今、世界中で動物園がおもしろいワケ」のビジュアル版。
元々、どちらもANAの機内誌「翼の王国」で連載されていた「世界の動物園」を書籍化したもの。
最近動物園に興味が沸いていて手に取ってみた次第。

本書は全部で国内外37の動物園を紹介しています。
とにかく写真が多く、美麗です。
見るだけで世界の動物園と、そこに来る人が感じられます。
見ていると旅先で動物園に行きたくなります…

あと、チケットの写真がところどころ出ているのも良いです。
色とりどり、チケットにも特色が表れるようで面白いです。

◆学び◆
・どの動物園でもその起源を活かしたりといった様々方法で独自の色を出している

◆オススメしたい方◆
・最近動物園に行っていないなぁ、という方
・ビジュアルで世界の動物園を見てみたい方
・世界の動物園はどうなっているのか興味がある方
・近々動物園に行こう、と考えている方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(ランダムハウス講談社HP内)
・旭山動物園公式HP
・東京ズーネット(上野動物園など公式HP)
・シンガポール ナイトサファリ公式HP(日本語)

■関連過去エントリ■
・[Book]今、世界中で動物園がおもしろいワケ



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2009年03月02日

[Book]時計館の殺人

時計館の殺人 (講談社文庫)(講談社、著者:綾辻行人)
迷路館の殺人 (講談社文庫)
綾辻 行人
講談社
売り上げランキング: 136337
おすすめ度の平均: 4.0
5 迷路...更に迷路...そして迷路...
4 作中作
4 作中作、という試み。
4 二重の驚き
4 ラビリンスのその向こう

◆概要&感想◆
大作ですね。
これまでの4作の倍近いボリュームがあります
第45回日本推理作家協会賞を受賞したとのこと。

それに恥じない結末でした。
相変わらず一筋縄ではいかないですね、綾辻さんの作品は。
驚きました。
面白かったです。

次の館シリーズ第6弾は「黒猫館の殺人」ですね。
また期待大です。

3.5

■関連過去エントリ■
・[Book]人形館の殺人
・[Book]迷路館の殺人
・[Book]水車館の殺人
・[Book]十角館の殺人



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2009年03月01日

[Book]10年後あなたの本棚に残るビジネス書100

10年後あなたの本棚に残るビジネス書100(ダイヤモンド社、著者:神田 昌典、勝間 和代)
10年後あなたの本棚に残るビジネス書100
神田 昌典 勝間 和代
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 2292
おすすめ度の平均: 3.0
5 いいんじゃん、ビジネス書ランキング、勝間版と、神田版。
1 この方々は・・
1 ダメ本
3 もう少し構成等に工夫が欲しかった
3 雑誌の記事のような感じ?

目次
巻頭対談 神田昌典・勝間和代
いかにして、10年後あなたの本棚に残る本を選んだのか?

巻頭インタビュー 神田昌典
ビジネス書を読む意義と“スピード情報編集法”としてのフォトリーディングの実践

巻頭インタビュー 勝間和代
1か月に100冊読む勝間式読書投資法

神田昌典が初公開!
この本だけは絶対読もう! 究極の10冊

勝間和代が厳選!
この本だけは絶対読もう! 至高の10冊

神田昌典が語る
「10年後あなたの本棚に残る40冊」はこれだ!
大ヒットを飛ばしたいときに読む9冊
経営マネジメントに強くなる8冊
未来を見通す力をつける6冊
1%の本質を見抜く力をつける7冊
壁にぶつかったときに読む10冊

勝間和代が語る
「10年後あなたの本棚に残る40冊」はこれだ!
壁を乗り越えたいときに読む8冊
あなたの潜在能力を開花させる6冊
大ヒットを飛ばしたいときに読む5冊
経営戦略のプロフェッショナルになる8冊
未来を見通す力をつける4冊
人間・歴史を知る9冊

巻末付録(1)
全国カリスマ書店員9名が語る! 私の思い入れのある1冊

巻末付録(2)
神田昌典・勝間和代が明かす「年齢別」読書年表

巻末付録(3)
神田昌典・勝間和代の厳選オーディオブック37+DVD3選

ダイヤモンド社HPから引用させていただきました)
◆本書を読む視点◆
・成功者2人はどのような視点でビジネス書の名著を読んだのか

◆本書を一言で表すと◆
・ビジネス書を読む観点の例

◆概要&感想◆
神田さんと勝間さんというビジネス書出版界の大家お二人によるビジネス書の紹介本。
普遍的なビジネス書の名著をそれぞれ50冊ずつ紹介されています。

ただ、本書の意義は単に名著を紹介する、というわけではないと思います。
神田さんと勝間さんという押しも押されぬお二人は、名著をどのような角度で読み説き、どのようにその後活かしたのか、それを紹介する本かと。
なのでお二人それぞれの見方を垣間見る為の1冊だと思います。

もちろん膨大な量の本を読んでいらっしゃるお二人なので紹介されている本は基本的には間違いないのだと思います。
ただ、それもお二人の意見でしかないわけで。

本書に紹介されている本について、お二人のコメントはあえて読まずに書名だけメモし、書店orオンラインで買って読んでみる。
その読後の感想や思いと本書内のお二人のコメントを比較してみる、といった読み方もいいかと思います。

人によって名著を50冊選べと言われれればその人なりの50冊がありますし、それでいいのだと思います。
本書冒頭にも、「一番良くないのは本書に紹介されている本を片っ端から順に読んでいくこと」とありますがそのとおりかと。

あくまで本選びの引き出しを増やすくらいのつもりで読むとちょうど良い一冊かと思います。

3.0

◆学び◆
・可能であれば洋書にチャレンジしてみる
・オーディオブックで洋書にチャレンジしてみるのも手

◆オススメしたい方◆
・神田さん、勝間さんがどのようなビジネス書をこれまで読んできたのか興味がある方
・神田さん、勝間さんがビジネス書から何を得てきたのか興味がある方
・神田さん、勝間さんがビジネス書をどのように評価しているのか興味がある方
・オーディオブックに興味がある方
・プレジデントの読書特集が好きな方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(ダイヤモンド社HP内)
・神田昌典公式サイト(著者神田昌典氏公式HP)
・私的なことがらを記録しよう!!(著者勝間和代氏公式ブログ)

■関連過去エントリ■
・[Book]PRESIDENT (プレジデント) 2009年 2/2号 09年版「役職・課目・場面別」厳選600冊!-勝ち残る人が読む本・落ちる人の本
・[Book]お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践
・[Book]読書進化論
・[Book]史上最強の人生戦略マニュアル
・[Book]勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan
・[Book]無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法
・[Book]無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法
・[Book]勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!



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2009年02月28日

[Book]ウルトラ・ダラー

ウルトラ・ダラー(新潮社、著者:手嶋龍一)
ウルトラ・ダラー (新潮文庫)
手嶋 龍一
新潮社
売り上げランキング: 68967
おすすめ度の平均: 3.5
5 上質のインテリジェンス
3 興味深いけど面白味は…
4 ジャーナリストが外交問題にふみこんだ小説
1 何が書きたいのか
3 盛り上がりや危機感がない

◆本書を読む視点◆
インテリジェンスの世界では何がどのように起きているのか

◆本書を一言で表すと◆
虚構と思いきや、ほぼこれが現実

◆概要&感想◆
最近、インテリジェンスという新たな分野で活躍されている手嶋龍一氏による小説。
普通に読むと、普通のスパイものの小説っぽいのですが違うのはこれが限りなくノンフィクションに近いということ。
ある事実があって、ノンフィクションとしては書けないので、小説という形態をとった、という本書。

そういう目線で読んでみると、この小説という存在のとんでもなさが際立ってきます。
読んでいて、どこが真実で、どこが脚色を添えたフィクション部分なのかは正直わかりません。

それでもその凄みは十分に伝わってきます。

インテリジェンスへの入門、啓蒙という意味で面白い一冊でした。
ぜひ続編を!とも思いますが、本書の成り立ちからしてそれだけのことが日本を巻き込む形で発生しなければ続編にならないわけで…
続編があっていいのか、悪いのか難しいところです。

幸い、本書の主人公スティーブン・ブラッドレーからのスティーブン通信を手嶋龍一氏オフィシャルサイトで読むことができます(Stephen's Clubへの会員登録が必要)。
あまり更新頻度が無いのが残念ですが…

会員登録することで、手嶋龍一氏のコラム等も読めますのでよろしければ。

さて、読後ですが、インテリジェンスという世界の深遠さをほんの少し垣間見た気がします。
最も、池かと思って覗き込んでみたものの、実はマリアナ海溝だった、くらいの感じなのでしょうが。

断片的に表れる情報をもとに、それらのピースをつなぎ合わせて最終的に大きな絵を描く、その流れを体感できます。
また、インテリジェンスの世界の作法もまた知っておいて損はないかと。
インテリジェンスの世界以外でも通用する作法だと思います。

小説の展開を楽しむというよりも、インテリジェンスの物語を肌で感じる、そんな小説だと思います。

ちなみに、本書の最後に掲載されている佐藤優氏の解説、こちらも必読です。
できれば全編解説してほしいくらいです。
併せて読むことで初めて本書の一端が見えてくると思います。

3

◆オススメしたい方◆
・インテリジェンスに興味がある方
・いわゆる現代のスパイ(活動)に興味がある方
・外交の裏側に興味がある方
・インテリジェンスの小説が読みたい方
・手嶋龍一氏に興味がある方
・佐藤優氏に興味がある方

■関連リンク■
・本書特設ページ(新潮社HP内)
・本書紹介ページ(新潮社HP内)
・手嶋龍一オフィシャルサイト(著者公式HP)

■関連過去エントリ■
・[Book]インテリジェンス 武器なき戦争



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2009年02月21日

[Book]情報力

情報力(翔泳社、著者:橋本 大也)
情報力
情報力
posted with amazlet at 09.02.17
橋本 大也
翔泳社
売り上げランキング: 33278
おすすめ度の平均: 3.5
2 薄っぺらい
4 即効性有り、賞味期限有り?
4 今年初の収穫本

目次
1 情報力とは何か(情報は膨大だフィルターをかけろ!、分類/収納の時代から検索の時代へ ほか)
2 情報収集(自分専用の「情報センター」をつくろう!、検索の達人が使っているフレーズとは ほか)
3 情報整理(電子スクラップ帳に情報を集約せよ、情報の要約と評価こそが情報パーツ作成の極意 ほか)
4 情報分析(情報は立体的に分析せよ!、消えた情報や人物の情報も分析できる!? ほか)
5 情報活用(情報を芋づる式に引き出す、連想で情報のつながりを抽出する ほか)

amazonから引用させていただきました)
◆本書を読む視点◆
・自分に足りない情報の取り扱いを学び、実践する

◆本書を一言で表すと◆
・情報に振り回されないための本

◆概要&感想◆
「情報力」というシンプルなタイトル、かつ薄い本ですが、中身は濃いです。
その名のとおり、「情報」について収集から活用まで著者のやり方、考え方が詳しく書かれています。

ここに至るまで著者をこれでもか!というくらいのスクラップ&ビルドを繰り返して来て吟味に吟味を重ねた結果かと。

本書では情報をストックしておき、必要な時に活用できるように準備しておく、というスタンスになっています。
人それぞれ情報の使い方、活用の仕方には独自のやり方があると思いますが、その前段のお話なので普遍性が高いかと。

情報ツールも多数紹介されていますが、それは本書の一部分でしかありません。
(とは言っても非常にお役立ちなのですが)
情報に振り回されるのではなく、使いこなせるようになるための本です。

それにしてもポイントが多すぎて大変な一冊でもありました。
こういった内容は特に実践しなければ意味が無いですが、すぐに実践したくなる一冊でもありました。

4.5

◆気になったポイント◆
思考過程や作業ログを徹底的に見える形で残しておくべきなのだ。

あまり残せていないです。
意識しないと残せない部分なので、今後意識的に行おうと思います。
要約する
評価の星や点数をつける
ベスト3化

本ブログでも心がけるべき3点ですね。
とりあえず評価の星をつける&要約を心がけます。
写真やイラストをキーワードをつけて保存する

これまたこれまでやっていないです。
Evernoteのアカウントを持っていますので、そこに集約することにします。
他者に向けて説明するつもりで情報パーツを作る

意識しすぎて時間をかけすぎても良くないですが、そのまま出せる情報パーツを作っていくと、アウトプットの際の生産性が違ってきますね。
これも常に意識しておくことが大事かと。
情報を大局から分析
論理的な大局=前提の読み違い
規模的な大局=分母の読み違い

1歩引いて2つの大局から見る、というポイントができていません。。
ついつい視野が狭くなりがちな時に、特に必要な2点かと。
すぐ見えるところにメモしました。
1枚企画書の掟

チェックリスト化して保存しました。
情報の信頼性は「情報の突出度×中身」ではかることができる

この2点を欠くと著しく信頼性を欠くということ。
この2点の有無を意識して情報を取り扱うことが重要ということかと。

◆学び◆
・頭の中で考えたことはメモや文書にまで仕上げる
・読みたいと思った本を即座に読む(即読)
・情報パーツをビジュアル化する
・専門家や経験者が最初に思いついた結論は正しいことが多い
・情報を構造化する方法は5つだけだ(LATCH)
・PREP
・ビジュアルのインパクトと権威のインパクト

◆オススメしたい方◆
・「情報」が多すぎてどうすれば良いのかわからない方
・情報を自由自在に使いこなしたい、と考えている方
・情報の達人が考える「情報力」に興味がある方
・著者橋本大也氏やそのブログに興味がある方
・サラっと読めて役立つ本を探している方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(翔泳社HP内)
・情報考学 Passion For The Future(著者橋本 大也氏ブログ CNET Japan内)

■関連過去エントリ■
・[Book]最少の時間と労力で最大の成果を出す「仕組み」仕事術
・[Book]情報は1冊のノートにまとめなさい



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2009年02月19日

[Book]ガリレオの苦悩

ガリレオの苦悩(文藝春秋、著者:東野圭吾)
ガリレオの苦悩
ガリレオの苦悩
posted with amazlet at 09.02.17
東野 圭吾
文藝春秋
売り上げランキング: 597
おすすめ度の平均: 4.0
4 久々のガリレオ
2 こんなに軽い感じなんですね。
1 どうしちゃったの?東野さん
3 東野圭吾の苦悩
4 定価で買うには・・・

◆概要&感想◆
すっかり福山雅治氏主演のドラマが定着した感のあるガリレオシリーズ。
それに触発されたのか、ドラマに近い登場人物、設定となっています。

個人的には、前2作の草薙刑事とのやり取りが好きだっただけに、少し残念な気が…
読んでいてもどうしてもドラマのキャストが浮かんできてしまうんですよね。。

さらに5つの短編のうち、最初の2編は先日のフジテレビのドラマスペシャル「ガリレオΘ(エピソードゼロ)」で放送されたもの。
既に内容を知っていただけに、これまた少しガッカリで…

本作は、何となく表題に表れているとおりガリレオこと湯川准教授の私生活にもほんの少しだけ迫る5編が納められています。
そのあたりも少し違うと感じた原因かもしれません。

読んでいると面白いですし、あっという間に読み終わってしまうので、ハマっているのは確かなのですが。。
湯川准教授を中心とした軽快な掛け合いは面白いですし。
ドラマの情景で読んでしまう自分が嫌なだけなのかもしれませんが…

ほぼ同時に刊行されたもう一冊、聖女の救済に期待です!
といっても、これもまたドラマを思い浮かべてしまうのでしょうが。。

3

■関連過去エントリ■
・[Book]夜明けの街で
・[Book]流星の絆



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2009年02月18日

[Book]今、世界中で動物園がおもしろいワケ

今、世界中で動物園がおもしろいワケ (講談社プラスアルファ新書)(講談社、著者:久米 由美)
今、世界中で動物園がおもしろいワケ (講談社プラスアルファ新書)
久米 由美
講談社
売り上げランキング: 38165
おすすめ度の平均: 4.5
4 『翼の王国』連載オリジナル集では、芸がない。
5 「優しさ」に触れる
5 週末は、久々に上野動物園に行ってみようかな、、、

目次
第1章 進化する動物園(ふれあいキーパー ほか)
第2章 日本の動物園(旭山動物園(北海道)、恩賜上野動物園(東京都) ほか)
第3章 世界の動物園 ヨーロッパ編(ロンドン動物園(イギリス)、ジャージー動物園(イギリス) ほか)
第4章 世界の動物園 アジア編(ドゥシット動物園(タイ)、シンガポール動物園(シンガポール) ほか)
第5章 世界の動物園 北米編(ブロンクス動物園(アメリカ)、セントラルパーク動物園(アメリカ) ほか)
amazonから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・世界で動物園はどうなっているのか

◆本書を一言で表すと◆
・その役割が変わりつつある動物園へのいざない

◆概要&感想◆
旭山動物園やズーラシアなど、最近動物園が復権してきているように感じます。
特に旭山動物園はスゴイようで…

本書はそんな変わりつつある動物園をワールドワイドに紹介しています。

第1章では、旭山動物園の行動展示に代表される動物園の進化と、動物園のあり方について書かれています。
ここを読んでおくと、第2章以降の各動物園の紹介でも見る目が多少変わってきます。

動物がなるべく自然にふるまえて、見る人もできるだけ自然に近い動物の様子を見られるようにする、というのが最近のコンセプト。
その実現のために、行動展示などが生まれてきた、と。

同時に最近動物と触れ合う機会が減少している子供(特に日本では顕著だと思います)が、動物に触れ合い、動物について色々と考えるきっかけを提供することも、動物園の役割として大切だ、としています。
確かに動物園で初めて見る動物がいれば、その動物がどこにいるのか、どんな暮らしをしているのか、どんな状況なのかなどなど子供自ら知りたがることもあると思います。
場合によってはその動物が絶滅寸前のレッドリストに載っていることもあるかもしれません。
それがひいては人や動物について考えるきっかけにも成り得るというのは納得。

私も以前シンガポールのナイトサファリに行ったことがあります。
そこでは動物が夜行性であること、野生(に非常に近い)動物はどのようなものなのかを肌で感じることができました。

動物を感じる機会が少なくなっている今、動物園はやり方によっては新たな魅力を提示できると実感できる一冊でした。

まぁ、そんなことを考えなくとも、日本国内や世界の様々な動物園を写真で見るだけでも楽しめます。
どの動物園も工夫を凝らしている様がよくわかります。
そして行ってみたくなる一冊です。

◆学び◆
・動物園の役割は変わりつつある
・工夫次第で動物園はまだまだ進化する

◆オススメしたい方◆
・最近動物園に行っていないなぁ、という方
・旭山動物園に興味がある方
・世界の動物園はどうなっているのか興味がある方
・近々動物園に行こう、と考えている方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(講談社BOOK倶楽部内)
・旭山動物園公式HP
・東京ズーネット(上野動物園など公式HP)
・シンガポール ナイトサファリ公式HP(日本語)



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2009年02月17日

[Book]めざせイグ・ノーベル賞 傾向と対策

めざせイグ・ノーベル賞 傾向と対策 「世間を笑わせ、考えさせた」人に与えられる、それがイグ・ノーベル賞。(阪急コミュニケーションズ、著者:久我羅内)
めざせイグ・ノーベル賞 傾向と対策 「世間を笑わせ、考えさせた」人に与えられる、それがイグ・ノーベル賞。
久我羅内
阪急コミュニケーションズ
売り上げランキング: 109780
おすすめ度の平均: 5.0
5 日本は授賞大国

目次
第1章 そもそもイグ・ノーベル賞とは何か?
ノーベル賞よりおもしろい裏ノーベル賞
だれもマネできない、マネすべきでない
創設者はマーク・エイブラハムズ氏
賞金はないが賞品はある
選考委員は謎が多い
「実在する」人ならだれでもエントリーできる

第2章 日本人の受賞者は意外と多い
これまで日本は12件受賞
足の臭いの正体とは?
ハトは絵を見分けられるか
人類の祖先はミニ生物だった
ガムのフレーバーは脳波を変える
数百万の人々に膨大な時間を使わせた
浮気の証拠はパンツにある
50種類ものイヌの言葉がわかる
銅像はなぜ鳥に嫌われたのか?
人々に寛容なる精神を植えつけた大発明
131種のカエルの匂いをかぎ分けた
34年間の食事の記録をとった
ウシのフンからバニラのエッセンス
偉大なる先輩たちに続け

第3章 傾向と対策1 だれでも疑問に思うのにあえて調べないこと
不思議なことを不思議と感じる感性
黒板を引っかく音が嫌な理由
5秒ルールは本当か
シロップのなかは速く泳げるか
集合写真を成功させるためには?
底なしのスープ皿でどれだけスープが飲めるか
「素朴な疑問手帳」はいかが

第4章 傾向と対策2 根気があればできる研究
「継続」がイグ・ノーベル賞を呼ぶ
34年間食事の写真を撮り続けた有名人
フロントガラスに衝突した虫の収集
9年に1滴落ちる物体の観察
堅実派と粘着派と悠長派

第5章 傾向と対策3 意外と下ネタが多い
選考委員は下ネタ大好き
しゃっくりを止めるには直腸マッサージ
ジッパーにペニスがはさまったら
直腸に挿入されたものリスト
検尿はどんな容器に入れる?
不安になるとおならをする少年
いやらしくない下ネタを

第6章 傾向と対策4 アンケートの実施だけでいけるものもある
アンケート調査はねらい目
へそのゴマにかんする統計的調査
無知な人間ほど自分を過大評価する
思春期における鼻くそほじりについて
人は一人のときに何をしているのか

第7章 傾向と対策5 トンデモ学説はけっこうウケる
信じる者は受賞する
水には記憶力がある
エイリアンによる誘拐は真実
聖書に隠された暗号の謎
人間は食べなくても生きていける
ブラック・ホールで地獄の位置が特定できる
自分の主張に自信をもて

第8章 傾向と対策6 鳥を対象にした研究が多い
選考委員は鳥好きか
キツツキはなぜ頭痛がしないのか
ハトはピカソとモネの絵を見分けられる!
ハトに嫌われた銅像の秘密
ニワトリも美人がお好き
ホモのマガモの死体愛好症
そのほかにも鳥関連の研究が

第9章 傾向と対策7 意味不明の研究
「ナンセンス」にもチャンスはある
ラットの語学力はいかほどか
二枚貝の性欲向上実験
ニシンはおならでコミュニケーション
もしもバッタが『スター・ウォース』を見たら
どうしたらヒルの食欲はでるか
とるに足りない日常の些細な出来事
人は知らずにはいられない

第10章  傾向と対策8 常人の思いつかない発明
遠心力を使って出産を促す装置?
おならの臭いを除去するパンツ
若者にだけ聞こえる不快音
敵を同性愛者にする爆弾
発明までのドラマを大切に

第11章  傾向と対策9 あまりお勧めできない研究
命を賭しての実験
ネコのダニを耳のなかに入れる
毒ヘビに噛まれたとき、電気ショックで助かるか
オタマジャクシの試食
プロジェクト・グリズリーの全貌
けっしてマネしないようにね

第12章 まだまだある! イグ・ノーベル賞
発想力、想像力に着目
フンコロガシは意外とグルメだった
カントリー・ミュージックは自殺を助長する
ペンギンがフンをするとき体内で起きる圧力
マラリア蚊は足の臭いとチーズの匂いが好き
剣呑みもたまにはケガをする
勇気をもって疑問にぶつかろう

第13章 私的エグ・ノーベル賞
イグ・ノーベルならぬエグ・ノーベル
温暖化は地球を動かして防ぐ
腹ぺこ男は太った女性が好き
理想のトーストの条件
キスするときに頭はどちらに傾ける?
石油は枯れることはない
人類の終わりを予言したニュートン
おわりに

ノミネーションの申請方法
阪急コミュニケーションズ社HPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・最近よく耳にするイグノーベル賞について知る

◆本書を一言で表すと◆
・人と違う視点を持ち、発想するということ

◆概要&感想◆
最近とみに耳にするようになったイグノーベル賞。
本書にあるととおり日本人の受賞歴も多く、賞としての知名度もあがってきているように感じます。
近いところでは、牛の糞からバニラエッセンスを取り出す研究でニュースになりました。

そんなイグノーベル賞の世界への扉を開いてくれる本書。
実際読んでみると、なぜそんな研究を?!というもののオンパレード。
最終的には論文にまとめているわけですから、受賞者の方々はもちろん本気ですし、真剣。
それはわかっていてもなぜ??と思ってしまうものばかりです。

ただ、その観点に興味をもたれたこと、なぜかと考えたこと、研究(調査)してみようと思われたその視点はぜひ見習いたいところ。
普通の人であればスルーしたり、そもそも興味を持たないことでも向き合ってみるというのは忘れがちですが大事なことかと。

これをムダと見てしまうかどうかは人によって分かれると思いますが、個人的にはムダではなく、人生に必要な部分ではないかと思います。
実際に申請はしないまでも、これってイグノーベル賞にどうだろう?というのを考えてみるのも面白いと思います。

それにしてもこのイグノーベル賞受賞の方々、ある意味東野圭吾氏の探偵ガリレオシリーズに出てくる天才物理学者湯川准教授に似ているのかもしれません。。
人と異なる視点で対象を見て(観察して)、実験等で証明してみせる、という点が。

読後は今後のイグノーベル賞が楽しみになります。
面白かったです。

◆学び◆
・だれでも疑問に思うのにあえて調べないことに注目する
・自分の主張に自信をもつことが大事

◆オススメしたい方◆
・イグノーベル賞って何?という方
・イグノーベル賞に興味がある方
・変わった研究をしてみたい、という方
・東野圭吾氏のガリレオシリーズの湯川准教授に憧れている方

■関連リンク■
・本書紹介ページ(阪急コミュニケーションズ社HP内)
・羅内の読書案外(著者久我羅内氏ブログ内)



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