先日6月13日(金)に行われたライフネット生命開業記念セミナーに参加させていただきました。
遅くなりまして完全に乗り遅れですが、セミナーの模様をレポートさせていただきます。
会場:都内某所(一応参加者にのみ伝えられたようでしたので)
時間:19:00〜20:30(+個別質問タイム30分ほど)
参加人数:100名近くの方が参加されていた様子
構成は大きく3部に分かれていました。
1)出口社長のお話
2)岩瀬副社長のお話(ライフネット生命の立ち上げについて)
3)Q&A
一番長かったのはQ&Aでしょうか。
半分はQ&Aだったように感じました(計ったわけではありませんが)。
出口社長のお話、岩瀬副社長のお話、ともに色々な意味で勉強になりました。
それにしてもお二人ともお話が上手ですね。。
そのあたりも見習いたい点でした。
以下、個人的に気になったポイントです。
(書きなぐりのマインドマップから拾ったのでややあやふやですが…
もし誤っている点、誤解している点等あればコメントなどでご指摘ください
あと、まとまっておらず長文で申し訳ありません。。)
<ライフネット生命について(出口社長)>
・世界初の保険会社エクイタブル(英国)、その当時の社員の人が今の日本に来ても認めてもらえる保険会社(「保険」の理念を受け継いでいる)という自負がある
・保険会社の出資は仰がず、保険の常識に染まっていない(特に若い)人と会社をやりたかった(→その代表が岩瀬副社長ですね)
・ライフネット生命は、無記名アンケートなどでいちばん正直で信頼できる保険会社として、名前を挙げてもらえる(マーケットで評価してもらえる)生保を目指している
<生保会社を興した3つの理由(岩瀬副社長)>
1)生保会社はマーケットが大きい(全44社で年45兆円のフロー) ※参考GDP約500兆円、小売業約133兆円、IT関連約12兆円
2)生保業界は非効率(保険料に占める手数料の割合など売るためのコストが高い)、かつ消費者の満足度が低いと感じた
3)時代は変化したのに生保業界は変わっていない(証券会社や銀行は曲がりなりにも変化している)。新しい時代に合った生保を作りたかった
<生保会社について(岩瀬副社長)>
・究極的には、「人、紙、お金」で構成される会社のため、特に「人」が重要
・本業はリスクの引き受け
<ベンチャーに大切なもの(岩瀬副社長)>
・People,People,People
・応援してもらう力(ライフネット生命はここがあるので成功するだろう、と言われたようですが同感です!)
・ストーリー、大義
<ベンチャーをやるということ(岩瀬副社長)>
・本当のリスクとは何か?(そのリスクは見栄ではないか?)
・得られるものは何か?
・リターン÷リスクが魅力あるか?
<システムについて>
・中堅生保向けのパッケージを基幹系には適用
・独自のWeb部分を載せた
<Q&Aより>
・マネしやすいビジネスモデルだと思うが?
→ どんなビジネスでもマネはできる。ただアイデアで決まるわけではない。
オンライン書店はamazon、ネットショッピングは楽天といったように他社が追随してきた
頃には圧倒的な差がついているもの。
先行することと100万回のイテレーションが重要だと思っている。
・ライフネット生命は会社として潰れたりせず保険金を将来的に支払えるのか?
→ 以下の2点で回答とさせていただきたい。
@あらゆるストレステスト(様々な条件下でシミュレーションを行うテスト方法)を実施し、
ソルベンシーマージンが600%を切ることはないことを確かめて金融庁より免許をもらっている。
A過去の生保倒産の原因は3つ
・社長の乱脈経営 → やるつもりは当然ないし、社外取締役などが多いため怪しければ即解任される
・運用の失敗 → 国債などの安定運用を考えている
・高い予定利率 → ライフネット生命の商品構成上、高い予定利率を保証したり、求めていく必要がない
・新しい保険商品の予定は?
→ 考えてはいる。皆さんの新商品のアイデアや意見が欲しい。ぜひメール等でもらいたい。
・これまでで一番多かったクレームは?
→ 「なぜネットでしか入れないのか、紙で入りたい(年配の方から)」
「こういった病気なのだが保険に入れるか、即答してほしい」
「Webサイトの操作がわかりづらい」
・ネット生保ということでなりすましなどのリスクについてどう考えているのか?
→ 通販でも直販でも対面販売でもなりすましなどの発生率は変わらない。
本当の確信犯はいずれの販売方法でもわからないと考えている。
また、決してネット完結にこだわっているわけではないので、必要であれば直接会ったり、調査を行うといったことも考えている。
・運用についての戦略を教えてほしい
→ 良いスタッフが集まるまでには時間がかかると考えている。それまでは投資顧問会社などに委託し、国債中心の安定運用を考えている。
・医療保険が業界で最も安いわけではない理由は?
→ まず基礎データとして厚生労働省の医科診療報酬点数表を使用しており、カバーする範囲も広いため最安にはなっていない。
・可能であればこれまでの契約件数を教えてほしい。
→ メディアの方等にも契約件数の開示は四半期のみとしているため、申し訳ないが開示できない。
・書類の送付などインターネットd得完結しないのはなぜか?
→ インターネット完結にこだわっていないため。あくまでもコストを抑えるためのインターネットを利用しているだけ。
・どうやって今後信頼を得ていくつもりなのか?
→ うまい手はない。長く見てもらって信頼を得ていくしかない。
・GNP(義理人情プレゼント)も含めた既存の生保のセールス手法についてどう思うか?
→ 生保を買うにも色々な買い方があっていいと思う。GNPを求める人もいるだろうし、それで構わないと思う。
ライフネット生命としては「保険料を払うために節約するのはおかしい」と考え、GNPではない現在のやり方を行っている、ということ。
・上場予定はあるか?
→ ある!
・ニーズの掘り起こしを行うには対面が一番だと考えるが、ライフネット生命ではどのように行うのか?
→ そもそも潜在需要って神話ではないかと考えている。(日本は「桜」といってもソメイヨシノは100年ほどの歴史。
終身雇用も戦後生まれたもの)そういった神話が多く、潜在需要もその一つでは、と思っている)
要は、対面販売にいくら払いますか、ということ。対面販売で月々3,000円多くかかるとすると10年で36万円、
そのコストをどう捉えるか。ライフネット生命はそこに対面販売しない代わりに10年で36万円安くなる、という選択肢を提供していると思っている。
<感想>
特に個人的にポイントだったのは以下の2つです。
1つ目は「奥の手、ウマい手、近道などはない、正直に愚直にコツコツとやって信頼を積み重ねて行くしかない」という趣旨のお話を出口社長、岩瀬副社長、他の社員の方皆さんが何度も何度も繰り返しお話されていたこと。
セミナーに参加していても、会社として同じ方向を向いている、ということがものすごく伝わってきました。
こういったセミナーを全国各地で開催することで(後で社員の方に伺うと出口社長は全国回るぞ!と仰っているとか(笑))、認知度向上及び信頼の醸成につながるのでは、と感じました。
2つ目は「最初からネット生命を作ろうと思っていたわけではない。たまたまネットというチャネルをメインに据えているということ。ネットだけ、というのに固執するわけでもない。」という点。
これは個人的には意外でした。
始めにネット生保ありきだと思っていましたので。
ただ、良い意味で合理的に考えて「生保」という事業をされているんだな、という印象でした。
あと面白かったのが毎回セミナー等で行っているという「仕掛け」。
詳しくは書かない方がいいと思いますので割愛しますが、このあたりの遊び心は「さすが」と感じました。
セミナー運営、という観点でも参考になりました。
また、セミナー終了後、個人的に「いかに周囲の人のモチベーションをあげていくか」(保険と関係ありませんが(汗))について出口社長と岩瀬副社長に伺いました。
出口社長曰く「何度も何度も繰り返し自分の思いをひたすら丁寧に言い続けていくことに限ると思う。ウマい手、妙手といったものはないと思う。」
岩瀬副社長曰く「権限委譲を的確/適切に行い、信頼し、任せることだと思う。」
とお二方らしさが表れている(と思う)回答をいただきました。
ありがとうございました!
なお、岩瀬副社長、終了後早速ブログ「
生命保険立ち上げ日誌(http://totodaisuke.weblogs.jp/blog/)」でもセミナーについて書かれています。
お礼:http://totodaisuke.weblogs.jp/blog/2008/06/post- b7d8.htmlセミナーに参加された皆さまの声:http://totodaisuke.weblogs.jp/blog /2008/06/post-6ec9.html同じく、出口社長も「
ライフネット生命社員ブログ(http://staff-blog.lifenet-seimei.co.jp /)」でセミナーについて書かれています。
おかげさまで開業1ヵ月:http://staff-blog.lifenet-seimei.co.jp /2008/06/618.html岩瀬副社長曰く「日本でも大変好意的にライフネット生命を見ていただいている方々」と形容していただいた会場に来ていた約100人のうち契約していた方は1名ほどということからも、すぐにガーン!と行くものではないかもしれませんが、今後ともぜひぜひ応援していきたい!と感じたセミナーでした。
また、やりましょうか?!(「お礼」生命保険 立ち上げ日誌)
ぜひお願いします!!