2009年05月28日

[Book]アメリカモデルの終焉

アメリカモデルの終焉(東洋経済新報社、著者:冷泉 彰彦)
アメリカモデルの終焉
冷泉 彰彦
東洋経済新報社
売り上げランキング: 63849
おすすめ度の平均: 4.5
4 現代アメリカ論としても一読の価値があり
4 日本経済と労働環境の未来を見据えた本です。
5 「組織とは評価の対象と範囲を決めるために作られた」大胆な視点
5 こんな日本に誰がした??
目次
第1章 日本企業の成果主義はどうして失敗したのか?
第2章 ホワイトカラー・エグゼンプションという幻想
第3章 終身雇用制度は崩壊したのか?
第4章 グローバリズムとプレゼン文化の崩壊
終 章 再生シナリオ、日本の雇用
東洋経済オンラインから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・日本の雇用制度は何が問題だったのか?

◆本書を一言で表すと◆
・アメリカと日本の雇用環境の違いを冷静に解説

◆概要&感想◆
from 911/USAレポート」をJMMで連載されている冷泉さんによる、アメリカと日本の雇用について論じた本書。

主に以下の論点から各章が描かれています。
@アメリカの雇用環境の解説
A雇用のアメリカモデルの欠点
B日本の雇用環境の現状説明
C日本に雇用のアメリカモデルを導入する際に何が阻害要因となったのか

特に@とCが秀逸です。

まず本書を読むことで@のその文化的背景も含めたアメリカの労働モデル、雇用モデルについてよく理解ができます。
他人の職域を侵すな
例えば、その雇用モデルの前提となる考え方としてこのような不文律があります。
その前提があった上での労働モデル、雇用モデルであったことが、非常によく整理されて書かれています。
制度を日本へ導入するにあたって、その制度が機能するための前提がほとんど無視された
アメリカモデルを日本に導入するにあたっては、その意図の是非はともかく結果としてうまくいかなかったことの原因として端的にこのように述べています。

論旨として、まずアメリカの労働環境、雇用環境についての理解が足りない(もしくは意図的に目をつぶり、見ないふりをしたこと)ところに、何らかの意図(日本の競争力強化であったり、経営層のメリット追求であったり)を持ってアメリカモデルを導入したものの、そもそもの前提が異なるところへの導入なのでムリが生じてうまくいかない、という流れになっています。

日米の労働モデル、雇用モデルの違い、その主因として考え方や前提の違いが明確に書かれており、非常にわかりやすいです。

どちらがいい、悪いではありませんが(本書内ではあえてアメリカモデルを是とはしていない論調になっていますが)、これまで漠然と耳にしていたアメリカの労働環境、雇用環境の本当の姿が見えてくる、という意味でも面白いかと。

例えば、アメリカにおける「派遣社員」の位置付け。
結果が出なければすぐに「クビ」となるといういわゆる外資系企業のイメージ。
これら決して間違っているとは言えないものの、正確に実態を表しているわけではないことが多々描かれています。

何事もステレオタイプの見方、というに捉われてはいけない、ということですね。

アメリカの後追いをしようとして失敗した日本の労働、雇用モデルが、今後どの方向に向かおうとしているのか(本書内にも提言と言う形で提案されていますが)、考えるきっかけとなる一冊です。

◆気になったポイント◆
日本企業の組織メカニズムは、タテ、ヨコ、時間の三次元において、いずれも「一人の社員」「一組の上下関係」「一回の評価期間」では切ることができない、つまり三次元の空間の中で空間がはみ出したり、重なったりする、そのような組織の哲学によってできているのである。そこに独特の生産性と効率の秘密があるのだ。
日本の労働環境の特徴とアメリカの労働環境との対比でわかりやすく書かれています。
アメリカの雇用においては、確かに「柔軟な解雇」は可能となっている。だが、その代わりに「採用のチャンスも柔軟」なのである。
一方によくフォーカスされる一方で、その裏側は案外知られていないという好例だと思います。
「ご当地のアメリカ」でも行われていないような「集団主義を残した職場風土での成果主義」あるいは「時間の裁量性がない職場での時間管理の廃止」さらには「新卒一括採用と年功序列を残した中での解雇の柔軟化」といった、制度としてそれ自体が自己矛盾であるような施策も実施や検討が進んだのだった。
実情を把握していないこともさることながら、その結果がどうなるのか、という想像力の欠如がまた問題なのだと思います。
プレゼン文化は、価値観の多様性があってはじめて機能するはずだ。異質な価値、異なった観点がぶつかり合い、丁々発止のやり取りをする中から、合理性を手がかりに新しい仮説を生んでいく、そこで「プレゼン」と「ディベート」の持つその創造機能は最大限に発揮される。
何よりも自分が想定していなかったような例外的な事態への冷静な姿勢、どんな事態にも冷静な論理で立ち向かう謙虚な姿勢と、妥協点を見いだす柔軟性に欠ける、プレゼン文化の持っていた脆弱性は今明らかになったのではないだろうか。
何も考えずに受け入れるのではなく、強みとなる背景を理解し、どんなものにでもある弱みの部分を補うという姿勢が重要なのだと思います。

◆これからやること◆
・類似のアメリカの労働モデル、雇用モデルについて論じた本を読む

◆オススメしたい方◆
・アメリカの労働モデル、雇用モデルに興味がある方
・日本における労働モデル、雇用モデルに興味がある方
・日本の労働モデル、雇用モデルはどこへ向かうべきかに興味がある方
・JMMを見ている方

■関連リンク■
本書紹介ページ(東洋経済オンライン)
from 911/USAレポート(著者 冷泉 彰彦氏JMM連載レポート)
ブリンストン発 新潮流アメリカ(Newsweek日本版オフィシャルサイト)
オバマ大統領の就任演説を観ながら 冷泉彰彦さんに、なにかと訊く フルテキスト版。(ほぼ日刊イトイ新聞)

■関連過去エントリ■
[Book]「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート
[Book]キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢
[Book]アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない
[Book]ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層 (新潮新書)
[Book]ルポ 貧困大国アメリカ



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[ChampionsLeague](Final)FC Barcelona - Manchester United

FC Barcelona 2 - 0 Manchester United(27.5.2009 Wed)
10分 エトー【バルセロナ】
70分 メッシ【バルセロナ】



ついに迎えたCLファイナル。
舞台はローマのホームスタジアム、スタジオオリンピコ。

バルサ-ユナイテッドという今季のリーガ覇者 vs. プレミア覇者というカード。
面白いカードになるであろうことが保証されているかのような理想的な対戦になりました。

バルサは攻めるとして、ユナイテッドが攻めで迎え撃つのか、それとも準決勝でチェルシーがやったように守備をしっかり固めてくるのかがまず焦点でした。
ユナイテッドは、今季のCLで相手チームに許したゴールは僅か6ゴール。
リーグ戦でもチェルシーと並ぶ失点34というリーグ最小を誇る守備

序盤はユナイテッドがボールを支配、C.ロナウドのFKやミドルなどでバルサゴールを脅かします。
バルサは若干ボールが落ち着かない印象。

と思いきや、10分それまで攻めらしい攻めを見せていなかったバルサが初めてペナルティエリア中央手前あたりでイニエスタらが絡むボール回しを見せて右から入ってきたエトーへ。
エトーがヴィディッチをあっさりとエリア内でかわしてゴール。
まさに電光石火の先制ゴールでした。

このゴールを境に流れはバルサへ。
ユナイテッドは攻めるものの、C.ロナウドの単発が多くなります。
逆にバルサは徐々にボールが回り始め、メッシらもシュートを撃てるように。

その後は、ユナイテッドはロングボールを多用するようになり、一方のバルサはメッシやアンリがゴール前でボールを持てるようになります。

まさに縦横無尽。
ユナイテッドはどうしても守備に人を割くようになり、中盤もやや守勢に。
その分中盤を飛ばした攻撃になりがちな状態。

というわけで完全なバルサペース。
エリア内に入ってくることも度々。
何とか決定機に陥ることはDF陣の頑張りで回避している、という状態で前半終了。

ハーフタイムで、ユナイテッドが動きます。
アンデルソンに替えて、テベスを投入。
攻撃的な布陣にして同点ゴールを狙いにいきます。

が後半もバルサの流れは変わらず。
48分のアンリの突破はお見事の一言。
華麗すぎ。
ファンデルサールもよく止めましたが…

その後もイニエスタは止まらないですし、セカンドボールはとにかく拾われ、ボール保持もできない状況。
そんな中52分のシャビのFKは惜しくも右ポスト。
ユナイテッドは首の皮一枚つながっている状態です。

唯一気を吐いているのはアジア人初のCLファイナル出場を果たしたパク・チソン。
中盤でもハードに動き、バルサが保持しているボールにプレッシャーをかけています。
こういうハードワークをいとわない姿勢は有効なようで、ボールを奪取することもしばしば。

この頃にはC.ロナウドは完全に消えている状態。
ボールを持っても持ちすぎでチャンスを潰してしまいます。

そんな状況を打開すべく、ファーガソンは65分にパク・チソンに替えてベルバトフを投入。
これで、C.ロナウド、ルーニー、ベルバトフ、テベスが4枚並ぶ布陣に。
さすがにこの状況はバルサも想定していなかったのか、若干バルサDF陣が混乱します。

とはいえ、この交代はちょっと疑問ではありますが…
パク・チソンはユナイテッドの中盤のダイナモとなっていただけに、他の選択肢もあった気がしますが。

ユナイテッドはチャンス…と思いきや、プジョルのパスカットからバルサがチャンスを作り、セカンドボールをシャビがゴール前へ。
ゴール前でうまくファーディナンドのマークを外してフリーになったメッシがヘディングでゴール。
これは決定的…

この直後C.ロナウドもゴール前で決定機を迎えましたが逆にこちらは決めきれず。

74分にはギグスに替えてスコールズを投入でユナイテッドは3枚の交替カードを全て使います。
が、流れは変わらず。

終盤こそユナイテッドもチャンスを作るものの、決定機にまでは至らず。
最後はイニエスタもアンリも下げる余裕。

このまま試合は2-0で終了、バルサがリーグ、国王杯を含むトレブルを達成しました。

試合を見ていても、この試合に限ってはユナイテッドは完全に力負け。
いいところが無く、逆にバルサのいいところだけが目立つ結果に。

ユナイテッドの敗因は、序盤の序盤に流れをつかみきれなかったこと。
そして、10分という時間帯に逆にエトーにゴールを奪われたこと。
このゴールでバルサは明らかにリズムを取り戻したように見えました。

また、ユナイテッドはチームというよりは個々が動いていましたが、バルサはあれだけのタレントを揃えながらも個人プレイに走らず、チームとして連動したプレイができていました。
ユナイテッドでC.ロナウドが一人目立っており、中盤以降消えてしまっていたのとは対称的でした。

この結果が両チームの力の差を表しているとは思いませんが、この試合に限っては絶望的なまでの差が見えてしまったゲームでした。

特にシャビ、イニエスタ、メッシらバルサの中盤に完全に支配されていたのが痛かったかと。
素晴らしいメンツですね、しかし。
これは準決勝のチェルシーくらい思い切らないと抑えるのは難しいかもしれません。

それにしても本当にバルサは良いチームであることを改めて認識したゲームでした。
グアルディオラ体制として最高の船出。
来期以降も黄金時代が続きそうな予感ですが、果たして…

というわけで、2008-2009のCLチャンピオンはバルセロナでした!

■関連過去エントリ■
[ChampionsLeague](SemiFinal 2nd.leg)Chelsea - FC Barcelona
[ChampionsLeague](SemiFinal 2nd.leg)Arsenal - Manchester United
[ChampionsLeague](SemiFinal 1st.leg)Manchester United - Arsenal
[ChampionsLeague](SemiFinal 1st.leg)FC Barcelona - Chelsea



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2009年05月27日

[Book]質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?

質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?(PHP研究所、著者:清宮 普美代)
質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?
清宮 普美代
PHP研究所
売り上げランキング: 9176
おすすめ度の平均: 4.0
4 分かりやすく、応用も利きそう
4 質問の力を再認識させてくれた。
4 意見を言ってはいけない不思議な会議
4 問題解決の新しい手法
4 コーチングの類書かと…

目次
第1章 なぜ、あなたのチームは機能しないのか(質問会議が生み出すもの
チームを活性化させる場はあるか
チームをマネジメントする方法をもっているか)

第2章 基本の流れをおさえれば誰でも質問会議ができる(質問会議のエンジン
質問会議 実施におけるポイント“魔法の仕掛け”
質問会議の進行の12ステップ)

第3章 紙上で体感!これが質問会議だ(質問会議デモセッション
再定義できないケース
胃県会議との違いを考える
質問会議がチームの生産性を上げる5つの理由)

第4章 質問会議で鍛えるチーム力(質問会議で開発される能力
チーム脳を誘発する共有と共感のマネジメント
リーダーの仕事はチーム脳を出現させること
チーム脳がチーム行動力を生む)

第5章 質問会議が現場を変えた!(真の問題を発見できた
コミュニケーションが活性化した
現場の実行力がアップそた
変革リーダーが育成できた
lチーム活性化がはかれた
理念の共有がはかれた)
amazonHPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・なぜ質問会議が有効なのか?

◆本書を一言で表すと◆
・会議とリーダーの育成を同時に行う質問会議のススメ

◆概要&感想◆
本書は「質問会議」というあまり聞きなれない会議方法を紹介した一冊…と思って読み始めました。
が、実はリーダーによる新しい育成方法の提案、がメインであり、チームマネジメント術の紹介が主たる部分を占めていました。
「質問会議」というのはあくまでその実践のための手段に過ぎません。

実際著者も本書内で以下のように書いています。
質問会議は単なる会議手法ではない
現実の問題を会議しながら、個人、チーム、組織が成長するためのプログラムです。


質問会議は、元々は「アクション・ラーニング」という名前のプログラムで、GEやボーイング、IBM、トヨタ自動車など名だたる大企業で採用されている手法だそう。

本書内では、その質問会議の実施の手順と実施にあたって気をつけるべきポイント、そしてなぜ質問会議が有効なのか、チームの育成に効果があるのかを後半説明しています。

その原理は、実は表紙の上部に描かれているイラストで全て説明されています。

@質問を投げかける
A質問の回答者や他の参加者の頭の中でスイッチが入る
Bチーム脳で考え、行動が行える

「質問会議」で求められるリーダーの役割としては、チームで考えるきっかけと場を提供し、チームとしての動きと成長を促す、というもの。

会議の場での発言を「質問」と「質問に対する回答」に制限することで余計な発言を抑え、焦点を絞っています。
それによって参加メンバー皆が質問を自分のこととして考えるようになり、多様な視点と結論に対する納得性が導けるとしています。

ポイントは、最初の問題の提示時は最小限の説明(2,3分程度とされています)しかできないこと。
これによって、あえて問題をあやふやな形にすることで、参加メンバーからの質問を引き出すことになります。

加えて、その質問が前提の確認であったり、どうして問題と感じているのかなど多様な方向からの質問につながりやすく、それがまた会議の場で皆に新しい視点を提供したりといったきっかけになります。

そういう意味でも本書の最初に書かれている「質問会議の8つのポイント」は重要だと思います。

質問会議では「ALコーチ」という役割が出てきますが、これは以前エントリした「ザ・ファシリテーター」内のファシリテーターと非常に近いものを感じます。

共通しているのは次の3点かと。
・行動計画を必ず設定し共有する
・問題をチームの真ん中に置く=問題の共有化
・共感マネジメント

特にどちらでも「共感」と「共有」を重視していることが最大のポイントです。
本書を通じて改めて、「共感」と「共有」、そしてその2つにつながるきっかけと場の提供の重要性がよくわかりました。

そしてこの3点が質問会議が有効な理由に当たると感じました。

質問会議におけるリーダーは言ってみれば「触媒」。
チームに化学変化を起こさせるというそんな役割を本書内では提唱しています。

現在のチームで質問会議をやるイメージは正直湧かないのですが、質問でスイッチを入れることと、共有/共感マネジメントはぜひ実践してみたいポイントです。

いま、必要とされるリーダーシップの一つの形を知ることができる一冊でした。

◆気になったポイント◆
1.参加者とその役割
2.ALコーチの設定
3.時間とその配分
4.基本ルール<質問中心>
5.基本ルール<振り返りとALコーチ>
6.現実の問題<本当に困っている等身大の問題を扱う>
7.行動計画と実施
8.成長と変化に対する意識づけ
質問会議の8つのポイントですが、うまく仕掛けられたポイントだと思います。
いま必要なリーダーシップとは、解決策をチームメンバーから引き出すことのできる力です。

質問会議は、場をつくり、場をマネジメントするリーダーを実践的に育てる

ALコーチの本質的な役割は、チーム育成のためのリーダーであり、個人とチームの成長・学習に焦点を当て続けること
・問題解決に直接関与しない
・結果を導くより、プロセスを管理する
・みんなが考える時間、振り返りの時間を提供する
・会議進行と時間の管理をする
まさに、「ザ・ファシリテーター」内のファシリテーターです。
共感は変化に対して自発的かつ有効に働きます。
共感マネジメントを行うことで、メンバーが問題を自分のものとして考え、行動できるようになる、ということですね。
質問とは相手の脳を働かせるスイッチ
質問によって意図的にメンバーの脳にスイッチを入れることで、会議の活性化も図れます。
共有=チームとしてのビジョンの共有・論理的調和
共感=信頼・感情的調和
共有も共感も満たすことが質問会議の真骨頂かと。

◆これからやること◆
・意図して質問することで、相手の脳のスイッチを入れてみる

◆オススメしたい方◆
・生産性が上がる会議を行いたい方
・「質問会議」に興味を持った方
・会議を通じてマネジメントを行うというメソッドに興味がある方
・問題を皆で共有したい方

■関連リンク■
本書紹介ページ(PHP研究所HP内)
Learning Diary 〜ともし火をつけるもの〜(著者 清宮普美代氏ブログ)
日本アクションラーニング協会(著者 清宮普美代氏代表のNPO法人)

■関連過去エントリ■
[Book]ザ・ファシリテーター
[Book]ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術 3分間コーチ



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2009年05月26日

[Book]シャドウ (ミステリ・フロンティア)

シャドウ (ミステリ・フロンティア)(東京創元社、著者:道尾 秀介)
シャドウ (ミステリ・フロンティア)
道尾 秀介
東京創元社
売り上げランキング: 15841
おすすめ度の平均: 4.0
4 読みやすく楽しめる
3 うう〜ん..... いまいち
5 ラスト。全ての謎が解ける心地良さ。唸って下さい。
4 転々々々
5 秀作

◆概要&感想◆
途中、これで終わり?と思いきや…
読んでいて何が何だかわからなくなる感覚がステキです。

ラットマン」や「カラスの親指 by rule of CROW’s thumb」の前にできれば読みたい一冊かも。

とはいえ、いつ読んでも翻弄されまくる心地よさを感じられると思います。

◆オススメしたい方◆
・転がり続ける感覚を味わいたい方
・これから道尾秀介氏の著書を読む方

■関連リンク■
本書紹介ページ(東京創元社HP内)
道尾秀介@あらびき双生児(著者 道尾秀介氏公式ブログ)

■関連過去エントリ■
[Book]鬼の跫音
[Book]カラスの親指 by rule of CROW’s thumb
[Book]ラットマン



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2009年05月25日

[Book]「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート

「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート (生活人新書) (日本放送出版協会、著者:コリン ジョイス)
「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)
コリン ジョイス
日本放送出版協会
売り上げランキング: 2287
おすすめ度の平均: 4.0
5 暇つぶしに最適
5 違う目で見た日本(英国)論
5 日本をよく観察している
5 選んだ題材はB級ながら、観察眼は第一級
4 誰が読んでも、思わぬ「気づき」がある

目次
基礎編―プールに日本社会を見た
日本語の難易度―日本語、恐るるに足らず
おもしろい日本語―イライラ、しくしく、ずんぐりむっくり
日本の第一印象―サムライ・サラリーマンなんていなかった
日本の日常―日本以外では「決して」見られない光景
行儀作法―英国紳士とジャパニーズ・ジェントルマン
独創性―日本人はすぐれた発明家だ
ビールとサッカー―日本の「失われなかった」十年
行動様式―日本人になりそうだ
ジョーク―イギリス人をからかおう
東京の魅力―わが町、東京を弁護する
東京案内―トーキョー「裏」観光ガイド
ふたつの「島国」―イギリスと日本は似ている!?
メイド・イン・ジャパン―イギリスに持ち帰るべきお土産
特派員の仕事―イギリス人が読みたがる日本のニュース
ガイジンとして―日本社会の「和」を乱せますか?
日英食文化―鰻の漬物、アリマス
おさらい―ぼくの架空の後任者への手紙
amazonHPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・日本通の英国人記者は「ニッポン」をどのように見ているのか

◆本書を一言で表すと◆
・一歩引き、冷静かつユーモア溢れる英国人記者によるニッポン評

◆概要&感想◆
非常に面白かったです。
普段日本に暮らしている日本人である私では、なかなか見えないもの、見えないことが著者であるコリン ジョイスさん(元ニューズウィークの記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長の方で、現在はフリーでニューヨークを拠点にされているようです)には見えています。

日本が、日本人がどのように見られているのか、海外から日本に来た方はどのように考え、見ているのか。
それらを知っておくことは、非常に大切なことであり、同時に非常に面白いことだと思います。

もちろん著者コリン ジョイスさんは、14年も日本に住んでいた親日家であり、そういうバイアスがかかっているニッポン評だとは思いますが、それはそれでいいのだと思います。

逆に、反日の方のニッポン評もあってしかるべきだと思いますし、私自身読みたいと本書を読後強く思いました。

本書に話を戻すと、とにかく読んでいて普段自分が暮らしているはずのニッポンが新鮮に映ります。
あるある、と思うことも、意外なことも満載です。

バックグラウンドが違えば見える景色も見え方も違うということが改めてよくわかりました。

本書の面白さは、その新鮮さもさることながら、それ以上にコリン ジョイスさんのユーモアと文章にあると思います。

そこはご本人が言うところの英国人のユーモアセンスのなすところなのでしょうが、非常に面白く、一方でジャーナリストらしく冷静に日本を見て書かれています。
日本人にとっては耳が痛い(眼で読んでいるので、目が痛いでしょうか?)話もありますし、誇らしいところ、忘れがちなところ多々あります。

どんな方でも新しい発見が必ずある一冊だと思います。
個人的には英国人の著者に、「失われた10年は、フットボールとビールに関しては輝かしい10年」と言われた点が最も誇らしかったポイントでした。
本書内でオススメされていたパブである両国の「麦酒倶楽部 ポパイ」はぜひ行ってみます!

◆気になったポイント◆
自分の国の言葉をよその国の人に不正確に話されるのは、母国語が世界共通語になったことの代償と言えよう。実際、世界には英語を母語としてよりも第二言語として話す人々の方が多いのだから、もはや正しい発言の絶対的な基準というものすら怪しくなってきているのかもしれない。
この点で日本語は英語とまったく対照的である。ほとんどの人は日本語を母語とする人の日本語にしかなじみがない。そのため、ほんの少し発言が基準から外れただけで、理解できないということになるのである。
母国語が英語であるがゆえの考察だと思います。
見る角度、視点が変わるとこれほどキレイに見方が変わるという好例だと思います。
非常に印象的な下りでした。
日本人は品物を見栄えよく差し出すことに長けている
日本文化の長所に、「品物をきれいに折りたたんだり、包んだりすること」を加えてもいいだろう。
言われてみれば確かに…という点ですね。
もしかして、包装紙やショップバッグを家で取っておくのは日本人ならではの習慣なのでしょうか…
ビールはその生産国を反映するというのが、ぼくの持論である。
大納得です。
歌舞伎は歌舞伎町でやってない。
日本の「パブ」はパブではない。
笑ってしまいました。
十九世紀の日本学者バジル・ホール・チェンバレンが、来日したばかりのラフカディオ・ハーンに与えた忠告以上に適切な忠告
「早急に第一印象を必ず書きとめておちたまえ。いいかね、第一印象というものは霧のように儚い。いったん消えてしまえば、二度と君のもとに戻ってくることはないだろう。しかし、今後、君がこの国で経験するであろう、いかなる異国情緒とくらべても、この第一印象以上に魅惑的なものはないのだ。」
ニッポンというお題とは関係なく、私も実践したいと思います。
拾伍 ガイジンとして―日本社会の「和」を乱せますか?
非常に考えさせられるパートでした。海外の方と接する方は必読かと。

◆これからやること◆
・海外の方の日本論の本を(できれば反日派の著者の本も)読む(6月中)
・「麦酒倶楽部 ポパイ」に行く(6月中)

◆オススメしたい方◆
・海外の方が日本をどのように見ているのか興味がある方
・海外ジャーナリストによるニッポン論に興味がある方
・日本を違った視点で見てみたい方

■関連リンク■
本書紹介ページ(NHK出版HP内)
Englishman in New York(著者 コリン・ジョイス氏ブログ)

■関連過去エントリ■
[Book]キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢
[Book]ジャーナリズム崩壊
[Book]アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない
[Book]ルポ 貧困大国アメリカ
[Book]アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書)
[Book]フィンランド豊かさのメソッド
[Book]残酷な楽園―ライフ・イズ・シット・サンドイッチ



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[PremierLeague]第38節 Aston Villa - Newcastle United

Aston Villa 1 - 0 Newcastle
United (24.5.2009 Sun)

38分 ダフ(OG)【アストンヴィラ】


先日のエントリで書いたプレミアリーグの残留争い。
最終節を迎えて4チームが残留か降格かの最終決戦を戦いました。

結果的には、その4チーム全てが黒星という結果に。
ミドルスブラはウエストハム相手に1-2で、ハルシティはユナイテッド相手に0-1で、サンダーランドはチェルシー相手に2-3でそれぞれ敗れています。

降格回避のためには、引き分け以降が必須だったニューカッスルと、勝ちが必要だったミドルスブラが降格決定となりました。

16位だったサンダーランドと17位だったハルシティがともに強豪相手で戦前の予想どおり負けだっただけにニューカッスルとミドルスブラはチャンスだったのですが…

特にニューカッスルは、ヴィラに許したゴールがバリーのシュートがダフの足に当たって入るという痛恨のオウンゴール。
まさに痛恨…
後半にはオーウェンも怪我をおしての出場、ゴールを目指していたのですが、その1点が届かず。。

以前エントリしたとおり、ニューカッスルは4月に入ってから英雄アラン・シアラーを監督に招聘、残留を託しましたがそれもあえなく失敗。

来季はチャンピオンシップでプレミアリーグへの昇格を目指す戦いとなります。
果たして来季もシアラーは指揮を執るのか、はたまた別の監督を呼ぶのか。

個人的にはカリスマ性だけでは、チャンピオンシップでの厳しい戦いを乗り切るのは難しいと思います。
オーウェンやダフ、ヴィドゥカ、マルティンス、アラン・スミス、バートン、アメオビ、バットら主力選手の退団も当然考えられるだけに、監督して実績のある人の方が良いと思います。

以前2003-2004シーズンに降格して以来低迷が続き(フロントの財政面での不祥事などもありましたが)、現在リーグ1(3部)に沈んでいるリーズ・ユナイテッドの例もあります。
来季2009-2010シーズンで昇格できなければ、そのニの舞となる可能性もあるだけに、ニューカッスルとしては何としても来季戻ってくる気概で臨んでほしいところ。
迷走を続けている感があるニューカッスルのフロントがそのためにどのような決断を下すのか注目です。

それにしても、ボロとニューカッスルの長くプレミアリーグにいる名門と言っていい2つのクラブが降格とは…
一方序盤旋風を巻き起こした昇格組ハルシティが残留。
ハルシティはニューカッスルがドローでも降格だっただけにかなりヒヤヒヤしたと思います。

今季のプレミアリーグ終了時点の16位以下をまとめておきます。

順位 チーム名     試合数 勝 分 負 得 失  差 勝点
16位 Sunderland      38  9  9 20 34 54 -20  36
17位 Hull City       38  8 11 19 39 64 -25  35
18位 Newcastle United   38  7 13 18 40 59 -19  34
19位 Middlesbrough     38  7 11 20 28 57 -29  32
20位 West Bromwich Albion 38  8  8 22 36 67 -31  32

その他、上位陣の結果としては、リバプールがトッテナム相手にトーレスのゴールで1-0で勝利。
見事勝点86で2位を確保して今シーズンを終了しました。

首位ユナイテッドとの勝点差は4、3位チェルシーとの勝点差は5。
ユナイテッドとの差を来季こそ埋めて4連覇を阻止してほしいところです。

アーセナルもストーク・シティ相手に4-1で快勝。
4位で今季を終わっています。

シーズンも終わり、残すところはCL決勝とFAカップ決勝のみ。
間もなく短いシーズンオフ = 移籍の日々がやってきます。

■関連過去エントリ■
[PremierLeague]残留争い!
[PremierLeague]第37節 West Bromwich Albion -
Liverpool

[PremierLeague]第37節 Manchester United - Arsenal
[PremierLeague]シアラーがニューカッスルの監督に!


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2009年05月24日

[Book]インフルエンザ 次なる脅威(Newsweek 2009年5月20日号)

インフルエンザ 次なる脅威(Newsweek 2009年5月20日号)(阪急コミュニケーションズ)

目次
Cover Story
わずか数週間でメキシコから世界各地に感染が拡大した新型インフルエンザ。その恐るべきウイルス変異のメカニズムとさらなる脅威とは

新型インフルエンザ スーパーウイルスの正体

警告 迫り来るウイルス変異の恐怖

メキシコ もうひとつのインフル禍
エコカーの未来は中国に

自動車 政府の大胆な支援策を追い風に、中国メーカーが小型車やエコカー開発で大攻勢

世界の株価急騰4つの理由

分析 悲観論に逆らう強気相場を読み解く──株価はまだ20%上がる

オバマを隔離する仲良し政権の罠

米政治 互いに意見の近い側近たちに囲まれて大統領が現実に疎くなる危険も
告白 ブッシュ政権反戦派のジレンマ
米大統領 オバマ外交と直感力の不安な関係

オバマ時代の人種憎悪の鼓動

アメリカ社会 黒人大統領誕生と不景気を追い風にKKKの分派などが増長

天才広告マンの劇場的日常

マーケティング 大手ブランドを次々に手掛けるピーター・アーネルの素顔

Society & The Arts
科学 思いやり「能力」を決めるメカニズム
トレンド ミー世代の勘違いナルシシズム
テクノロジー iPodが戦争を変える
ロック ヘビメタバンドの爆笑ドキュメンタリー
テレビ ゴミ屋敷の母娘『グレイ・ガーデンズ』
女優 女王ジュリア・ロバーツの賞味期限
映画 リアルな中国戦乱記『ウォーロード』

World Affairs
インド 極左ゲリラの「領土」を行く
中国経済 世界の危機は中国の勝機
米金融 銀行を試す本当のテスト
英政治 ニュー労働党はまだ死んでいない
ニューズウィーク日本版オフィシャルサイトから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・Newsweekという雑誌を感じる

◆概要&感想◆
先日まとまった移動時間が取れ、手持ちの本が無かったため購入しました。
恥ずかしながらNewsweekを購入してちゃんと読むのは初めて。

なかなか面白かったです。

Cover Storyは、今話題の新インフルエンザ。
海外発のメディアらしく、日本の政治のバタバタぶりや社会の混乱ぶりを報じるのではなく、あくまで「インフルエンザ」として焦点をあてていたのが印象的でした。

特に今回の新インフルエンザが既に2005年に発症していたこと、豚インフルエンザと言われる所以、今後の展望など一歩引いた記事は、切り口が新鮮でタメになりました。

他にも、「オバマがムスリムに与えた勇気」や「ピーター・アーネル 天才広告マンの劇場的日常」、「オバマ時代の人種憎悪の鼓動」などのルポも面白かったです。

特に「オバマ時代の人種憎悪の鼓動」では、「オー・ブラザー! 」で出てくるKKKが、オバマ時代となった今、何が起きようとしているのかが書かれていて、非常に興味深かったです。

最終ページには、SATC映画版の続編制作決定というニュースもあり、エンタメに強いNewsweekという印象。
今後も定期的に読みたいなぁと思わせるものでした。

やはり海外発のニュースを取り込むことも大切ですね。
日本発のニュースとは、また別の視点で情報が得られるので、視野も広がります。
悩みどころとしては、TIMEがいいか、Newsweekがいいか、COURRiER Japonがいいのか…でしょうか。

■関連リンク■
インフルエンザ 次なる脅威(本書紹介ページ)
ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

■関連過去エントリ■
[Book]ジャーナリズム崩壊



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2009年05月23日

[Book]本田式サバイバル・キャリア術

本田式サバイバル・キャリア術(幻冬舎、著者:本田直之)
本田式サバイバル・キャリア術
本田直之
幻冬舎
売り上げランキング: 5045
おすすめ度の平均: 4.0
3 自分の付加価値を高め、貢献する
4 実際は昔も今も変わらないのではないか
4 確認作業
2 予定調和的に楽しめる固定ファン以外には効用ほとんどなし。
4 第4章だけでも

目次
プロローグ――一〇〇年に一度の危機を人生最大のチャンスに変える

第1章 個人サバイバルの時代へ――大きなうねりに目を向ける
リーマン・ショックの予兆は九〇年代にあった
ますます短くなる「会社の寿命」
給与は下がり続けて当たり前
転職マーケットも熾烈なサバイバル
無名の個人にこそチャンスがある
「予期せぬ偶然」をチャンスに変えよう

第2章 決め手はサバイバビリティ――シングル思考からマルチ思考へ
キーワードは「サバイバビリティ」
まず土台をすべてリセットする
「シングル思考」から「マルチ思考」へ
「シングル・キャリア」から「マルチ・キャリア」へ
正規雇用も非正規雇用も関係ない
「雇われ型」から「スキル提供型」へ
時間感覚をリセット&リビルドする
リスクをとらなければ現状維持すら不可能

第3章 会社で働き、キャリアを磨く――コーポレート・キャリアの法則
まずはコーポレート・キャリア中心の一〇年を
法則1 市場価値・期待価値に惑わされない
法則2 お金を払ってでも働きたい会社で働く
法則3 エージェント五社以上に登録する
法則4 勝ち馬に乗る
法則5 会社の看板にレバレッジをかける
法則6 社内人脈から社外人脈へ
法則7 社内ルールからサバイバル・ルールへ
法則8 社内研修からパーソナル研修へ
法則9 コーポレートブランドからパーソナルブランドへ
法則10 他人コントロールからセルフコントロールへ

第4章 一生通用するキャリアを築く――パーソナル・キャリアの法則
パーソナル・キャリアとはどんなキャリアか
パーソナル・キャリアをつくる三つのステップ
パーソナル・キャリアづくりのタイムテーブル
法則1 起業をゴールにしてはいけない
法則2 「本業か副業か」の発想をやめる
法則3 ポジションではなくポータブル・スキルを究める
法則4 マルチ・インカム、マルチ人脈を確保する
法則5 キャリアをすり減らす転職をしてはいけない
法則6 うねりを見据えてキャリア・サーフィンする
法則7 最悪の事態をシミュレーションする

第5章 サバイバル・トレーニング――思考・行動・仕組みを鍛えなおす
実際の行動で試してみなければ意味がない
三つの思考停止ワードを禁句にする
「アウェー」に出て新しい世界に晒される
ストレスを利用してメンタル・タフネスを鍛える
ポジティブ・シンキングだけでは生き残れない
意思決定のスピードを上げる
「切羽詰まった状況」に自分を追い込む
本能を研ぎ澄まし、体を鍛えよ
アウターからインナーへ
ピアプレッシャーを利用する
「この先のうねり」を見抜く力
amazonHPから引用させていただきました)

◆本書を読む視点◆
・コーポレート・キャリアをいかにして築いていくのか学ぶ

◆本書を一言で表すと◆
・ビジネスの世界におけるサバイバビリティを身につけるためのガイド本

◆概要&感想◆
著者本田さんによるこれからのビジネスの世界で生き抜くためのガイド本である本書。
本田さんによる他の著書とかぶるところも多いですが、世相を反映している部分もあり、本田さんの最新の考えを知ることができる一冊だと思います。

キーワードは「サバイバビリティ」。
会社でのコーポレート・キャリアも維持しながら、個人のスキルであるパーソナル・キャリアを身につけていく
個人的には特にこの点が気になりました。
パーソナル・キャリアを築くことは様々な本で、様々な方が仰っており、今まさに必要なこととして認知されていることと思います。

一方で、ないがしろにされがちなのが、本書で言うところの「コーポレート・キャリア」の考え方。
本田さんは、「パーソナル・キャリア」を身につけることで、「キャリアの流動性」を確保できるようにしつつ、「コーポレート・キャリア」と両立させておくことが大切と仰っています。

必ずしも「コーポレート・キャリア」を捨てるべき、というのではなく可能性として「捨てる」選択肢も確保して、自身でキャリアの選択の自由を確保することが大切という考え方(マルチ・キャリアの考え方)には非常に共感しました。

サバイバビリティを高めるためには、自分は雇われて仕事をしているのだという考え方をリセットし、自分は個人として企業に対してスキルを提供しているのだという考え方の転換が必要です。
大事なのは、「会社のおかげで、等身大の自分より割増の評価となっている」ことを忘れないこと
もう1点自身への戒めとして常に胸に掲げておきたいのが、この2つの考え方。
会社に依存するのではなく、気持の上で対等でいること、一方で会社の名前による恩恵を多大に受けていること、どちらも忘れてはいけないと思います。

これまでの「コーポレート・キャリア」一辺倒という時代ではないですし、一方で「パーソナル・キャリア」一辺倒という世の中にすぐに移行することもあり得ません(特に日本ではその流れは遅いと思います)。

この状況を逆に自分でキャリアデザインが行える時間がある、というチャンスと考えたいと思います。
マルチ・キャリアを目指して日々トレーニングに励むモチベーションをもらえた一冊でした。

◆気になったポイント◆
「低賃金でも意欲が高い労働力」が世界中から攻めてくる
私自身常に意識しています。
各企業や各個人は、長い目で考えて、どのように対応をするのかを現実の話として考える必要があると思います。
日本が現状のままあと20年とか変わらずにいられるとは思えないので…
少なくともそのような考え方を持っておくことは必要不可欠だと思います。
「小さな変化、ちょっとした不安定」を意識的に取り入れることで、あらゆる状況に対応するサバイバビリティも少しずつ育まれてくるのです。
往復のルートを変えるといった小さなことから、仕事の仕組みを変えるといったことまで、様々な変化を取り入れることを忘れないようにしたいと思います。
必要なのは、人も含めて事業全体をマネジメントする「プロジェクトマネージャー」であり、従来型の「管理職」は不要です。
今後求められるマネージャー像として覚えておきたいと思います。
「このルールは社内ルールなのか、どこでも通用するサバイバル・ルールなのか?」と常に自問するクセをつけるべきです。
こちらも逐一頭の中で確認するクセをつけることにします。

◆これからやること◆
・ルールを社内ルールなのか、サバイバルルールなのか確認するクセをつける
・小さな変化を常に取り入れる

◆オススメしたい方◆
・漠然と将来が不安な方
・キャリアデザインの方法を学びたい方
・自分自身の鍛え方を学びたい方
・現在の状況を踏まえたキャリアアップについて考えたい方

■関連リンク■
本書紹介ページ(幻冬舎HP内)
レバレッジコンサルティング社HP

■関連過去エントリ■
[Book]レバレッジ人脈術
[Book]レバレッジ英語勉強法



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2009年05月22日

[PremierLeague]残留争い!

2008-2009シーズンのプレミアリーグも残すところあと1節。
優勝は、ユナイテッドが3連覇を飾るということになりました。
が、あと1節とはいえ、まだまだシーズンは終わっていません。

ある意味優勝争い以上にクラブの命運がかかっている残留争いです。

37節が終わった時点で、最下位であるウェスト・ブロムウィッチ・アルビヨンは、2部であるチャンピオンシップリーグへの降格が確定しています。

残る降格の枠は2つ。
その2つの枠に入るまいと、降格圏内のニューカッスルとミドルスブラ、降格圏内に落ちる可能性があるハルシティとサンダーランドが最終節を戦うことになります。
4チームにとってはまさに天国か地獄かの最終節。

サンダーランドは、試合消化が1試合少なかったため、18日(月)にアウェイでポーツマスと対戦しています。
ここで勝てば残留確定だったのですが、1点を先制しながら3-1で逆転負け。
これでサンダーランドは最終節の残留争いに巻き込まれることに…
サンダーランドとライバル関係にあるToon Army(ニューカッスルファンの愛称)はさぞかし、ポーツマスの勝利を願っていたことでしょうから、その願いが通じたのかもしれません。

37節終了時点の現状を整理すると以下のようになります。

順位 チーム名     試合数 勝 分 負 得 失  差 勝点
16位 Sunderland      37  9  9 19 32 51 -19  36
17位 Hull City       37  8 11 18 39 63 -24  35
18位 Newcastle United   37  7 13 17 40 58 -18  34
19位 Middlesbrough     37  7 11 19 27 55 -28  32
20位 West Bromwich Albion 37  8  7 22 36 67 -31  31

※勝:勝利数、分:引き分け数、負:負け数、得:得点数、失:失点数、
 差:得失点差(得点数 - 失点数)
 勝点:勝ちの場合3、引き分けの場合1、負けの場合0 の合計ポイント数

降格は18位まで。
基本的には、以下のように順位が決まります。
@勝点
A得失点差(勝点が同じ場合)
B当該チーム同士の対戦成績(勝点も得失点差も同じ場合)

現状20位のウェスト・ブロムウィッチ・アルビヨンは、最終節勝っても17位のハルシティの勝点35に及ばないので、降格が確定しています。

24日に行われる最終節ですが、ニューカッスルはアウェイでアストン・ヴィラと、ミドルズブラもアウェイでウェストハムと対戦となります。
両チームともこの試合で勝った上で、ホームにユナイテッドを迎えるハルシティや、同じくホームにチェルシーを迎えるサンダーランドの結果を待ちます。

ミドルスブラは勝つことが絶対条件で、さらにハルシティが負けなければ残留はありません。
しかも得失点差で4、ハルシティが上なのでミドルスブラは非常に厳しいです。

ニューカッスルの場合はドローでも、ハルシティが負ければ残留確定。
勝てば、ハルシティが負けかドロー、サンダーランドが負けかドローいずれかで残留確定。

もちろん、現在残留エリアにいるハルシティとサンダーランドは勝てば残留確定。
自力残留の可能性を残しています。
サンダーランドは引き分けの場合、ニューカッスルの結果次第となるため勝ちたいところではありますが…

ただ、ハルシティもサンダーランドも相手が相手だけに、ニューカッスルやミドルスブラにも十分可能性はあります。

焦点は、CL決勝を3日後に控えるユナイテッドがどれだけメンバーを落としてくるか。
レギュラークラスは大部分が外れる可能性が濃厚なので、ハルシティは幾分楽になる可能性も。

ただし、そうは言ってもユナイテッドのメンバーですし、普段出場機会がない選手からすると、絶好のアピールの機会でもあります。
少なくともモチベーションは高そうなので、そのあたりにも注目すると面白いかと。

それにしてもこの争っているチーム、ハル、サンダーランド、ニューカッスル、ミドルスブラ、全てイングランド北部のクラブですね…

ニューカッスルとサンダーランドのタイン・ウェア・ダービーなどが見られなくなる可能性もあり、プレミアファンとしてはそうなると少し寂しいです。

ミドルスブラは2005-2006シーズンには、UEFAカップで準優勝までしているのですが、まさか3年後降格を争うとは思いませんでした。
4チームが残留という2つのイスをかけて争う最終節にも大注目です!

■関連過去エントリ■
[PremierLeague]第37節 West Bromwich Albion - Liverpool
[PremierLeague]第37節 Manchester United - Arsenal




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2009年05月21日

[UEFACup](Final)Shakhtar Donetsk - Werder Bremen

Shakhtar Donetsk 2 - 1 Werder
Bremen (20.5.2009 Wed)

25分 アドリアーノ【シャフタール】
35分 ナウド【ブレーメン】
97分 ジャジソン(Extra Time)【シャフタール】



UEFAカップもとうとうファイナル。
結果は、シャフタールが延長の末2-1で勝って初優勝。

昨季ゼニトに続く、旧ソ連勢の2年連続優勝となりました。
ウクライナ勢としては初優勝です。

試合は、全3ゴールをブラジル人がたたき出すという展開。
攻撃的な布陣を組んだシャフタールが、攻めの姿勢を貫いた分わずかに上回った、という感じでしょうか。

1999年にカップウィナーズカップから名称が変更されたUEFAカップですが、UEFAカップとしては今季がラスト。
来季からは、UEFAヨーロッパ・リーグという名称に変更され、さらに大会方式も変更となります。
ざっくり言うと、出場チームが40クラブから48クラブに増え、グループステージが5クラブ×8グループから4クラブ×12リーグとなる予定。

そんな最後のUEFAカップは近年の旧ソ連勢の台頭を象徴するかのようにシャフタールの優勝で幕を引くことになりました。
今季の欧州フットボールもいよいよオーラス。
5月27日(水)のCL決勝を残すのみです!

■関連過去エントリ■
[UEFACup](SemiFinal 2nd.leg)Hamburger SV - Werder
Bremen

[UEFACup](SemiFinal 1st.leg)Werder Bremen - Hamburger
SV



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