ウルトラ・ダラー (新潮文庫)
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手嶋 龍一
新潮社
売り上げランキング: 68967
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おすすめ度の平均: 

上質のインテリジェンス
興味深いけど面白味は…
ジャーナリストが外交問題にふみこんだ小説
何が書きたいのか
盛り上がりや危機感がない◆本書を読む視点◆
インテリジェンスの世界では何がどのように起きているのか
◆本書を一言で表すと◆
虚構と思いきや、ほぼこれが現実
◆概要&感想◆
最近、インテリジェンスという新たな分野で活躍されている手嶋龍一氏による小説。
普通に読むと、普通のスパイものの小説っぽいのですが違うのはこれが限りなくノンフィクションに近いということ。
ある事実があって、ノンフィクションとしては書けないので、小説という形態をとった、という本書。
そういう目線で読んでみると、この小説という存在のとんでもなさが際立ってきます。
読んでいて、どこが真実で、どこが脚色を添えたフィクション部分なのかは正直わかりません。
それでもその凄みは十分に伝わってきます。
インテリジェンスへの入門、啓蒙という意味で面白い一冊でした。
ぜひ続編を!とも思いますが、本書の成り立ちからしてそれだけのことが日本を巻き込む形で発生しなければ続編にならないわけで…
続編があっていいのか、悪いのか難しいところです。
幸い、本書の主人公スティーブン・ブラッドレーからのスティーブン通信を手嶋龍一氏オフィシャルサイトで読むことができます(Stephen's Clubへの会員登録が必要)。
あまり更新頻度が無いのが残念ですが…
会員登録することで、手嶋龍一氏のコラム等も読めますのでよろしければ。
さて、読後ですが、インテリジェンスという世界の深遠さをほんの少し垣間見た気がします。
最も、池かと思って覗き込んでみたものの、実はマリアナ海溝だった、くらいの感じなのでしょうが。
断片的に表れる情報をもとに、それらのピースをつなぎ合わせて最終的に大きな絵を描く、その流れを体感できます。
また、インテリジェンスの世界の作法もまた知っておいて損はないかと。
インテリジェンスの世界以外でも通用する作法だと思います。
小説の展開を楽しむというよりも、インテリジェンスの物語を肌で感じる、そんな小説だと思います。
ちなみに、本書の最後に掲載されている佐藤優氏の解説、こちらも必読です。
できれば全編解説してほしいくらいです。
併せて読むことで初めて本書の一端が見えてくると思います。

◆オススメしたい方◆
・インテリジェンスに興味がある方
・いわゆる現代のスパイ(活動)に興味がある方
・外交の裏側に興味がある方
・インテリジェンスの小説が読みたい方
・手嶋龍一氏に興味がある方
・佐藤優氏に興味がある方
■関連リンク■
・本書特設ページ(新潮社HP内)
・本書紹介ページ(新潮社HP内)
・手嶋龍一オフィシャルサイト(著者公式HP)
■関連過去エントリ■
・[Book]インテリジェンス 武器なき戦争



